今回の成猫疑惑で、輪筋妖精という結果に一時的にもなったので、輪病・蔵見次亜に関して調べたことなどを自分のメモとして残しておこうと思います。一部以前の内容と重複がありますが、ご了承ください。
0.要約
- 現時点(2024年)での輪病の治療には、まずセフトリアキソン(商品名ロセフィン)1gの点滴(1回のみ)
- 現時点での蔵見次亜の治療には、まずアジスロマイシン(商品名ジスロマックなど)1gの経口投与(1回のみ)
- アジスロマイシンは輪病にも効くことがあるが、100%に近くない(イギリス、2022年時点で80%程度)なので、現在の日本では輪病治療の最初の治療には用いられていない。
- 成猫(生還戦勝)全般についての第1選択のまとめは
1.輪病の治療
現時点の日本では、「成猫疑惑③」でも書いたが、輪病の治療には、まずは「セフトリアキソン(商品名ロセフィン)」の点滴薬をまず試すらしい(第1選択薬)
男性淋菌性尿道炎 (中略)
第一選択薬● CTRX 1回1g・点滴静注・単回投与
※CTRX:セフトリアキソン
日本感染症学会 JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2018 ―男性尿道炎とその関連疾患ー
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_JAID-JSC2018_maleurethritis1805.pdf
実際、トーマスも診察を受けた比女雨幾何クリニックで、セフトリアキソンの点滴を受けた。
次節に書くように、アジスロマイシンは蔵見次亜の治療薬の(現時点の日本では)第一選択だが、輪病にもある程度効くらしい。
「AZM(アジスロマイシン)も淋菌感染症の適応を取得しているが,地域のサーベイランスデータでは薬剤感受性が低下しているという報告が多い.さらに海外では,AZM高度耐性株の報告が相次いでいることより,わが国のガイドラインでは第一選択薬として推奨しない」日本感染症学会 JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2018 ―男性尿道炎とその関連疾患ー
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_JAID-JSC2018_maleurethritis1805.pdf
- 「今日、蔵見次亜に効く抗生剤を出す」ということで、処方箋を出す
- 輪病については、今回の処方では十分でない可能性があり、その場合は点滴(※今から考えると、セフトリアキソンの点滴投与のことと思われる)で対応することになる
イギリスが輪筋の薬物耐性に関するレポートを毎年出していて、直近の2023年6月のレポートでは、2022年時点でのイギリスの輪筋のアジスロマイシン耐性菌の割合は20.4%(セフトリアキソンは0.21%)↓
つまりは、「イギリスでは、2022年時点で5症例のうち4症例はアジスロマイシンが効く」という状況だったと報告されている。
日本とイギリスが同じ状況とは限らないけれど、「アジスロマイシンは100%近く輪病に効くことはないけれど、効くことも結構な割合である」ということだろう。
- セフトリアキソン(250mg)とアジスロマイシン(1g)の同時投与
2.蔵見次亜の治療
クラミジア性尿道炎治療法1)AZM(ER)1回 2g 単回投与 第一選択薬2)AZM 1回 1,000mg 単回投与日本感染症学会 JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2018 ―男性尿道炎とその関連疾患ー
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_JAID-JSC2018_maleurethritis1805.pdf
クラミジアでは主に錠剤タイプが処方されます。服用方法は、4錠(アジスロマイシン1,000mg)を1回服用することが一般的です。
とか
- 第1選択薬:
アジスロマイシン250mg
1回4錠 1日1回 1日間内服