《家庭におけるモラルハラスメント》


子供に対してのモラルハラスメントは、子供に対して直接的なものばかりでは、ありません。

配偶者の批判をして、同意を求める行為も、時には、モラハラとなります。


ただし!

どんな家庭でも

と言うわけでは、ありません。


親子で被害者同士の場合は、互いに、救われることもあります。

特に、被害者であって逃げた後などは、これにあてはまりません。


被害者の配偶者のことを、
加害者の配偶者が
非難をする行為のことです。

勿論、肉体的暴力を子供の目前で行う行為も含まれます。


子供にとって、親の存在も
親に対する思いも

特別なものです。


特に小さな子供は、それこそ

 無償の愛

そんな目で見ています。

まっすぐに、すべてを信頼した目で見ています。


ときには、例外も、ありますが


特に、母親に対しては
格別な思いを抱いています。

「お母さんは、本当になんにもできないよなぁ」

「なんにも知らない。ばがだよなっ」

「愚図で、本当にろくでもないよな」

「お母さんは、ひとりじゃ生きていけないんだよ」

「お母さんは、寄生虫だ」

こんなふうに、聞かされ続けたら。。


大切なものを汚され
壊されている

そんな感覚に陥り

「何故、こんな酷いことをいうんだろう」

と、理解ができなくなり


子供は、心の中で苦しむことになります。


以前相談を受けていた、知人(Eさん)のところでは


T君も、Eさんの批判を父親と一緒にするようにまで、なっていました。

私が相談を受けたとき、彼女は、限界に達していました。

毎日、朝早く起きて
父親のお弁当を作り
ご飯を作り
洗濯をして
掃除をして
車で送迎して
痴呆になった、お舅さんの世話をして



一見当たり前のことに思えますが

子育てや家事に目に見える対価は、ありません。

また、仕事の内容によっても、違ってきます。

しかし、ハウスヘルパーなどの業者に頼んだら。。。

シッターを頼んだら

過去の報道では、主婦の仕事は、約20万ぐらいとあったのを記憶しています。


自分の親の介護までしてくれている相手に対して


「クズだ」

と、言い続け、

「何もできない、ばかだ」
と、言い続けていた、T君のパパ。


そして、自分のお腹を痛めて
夜泣きした時も、
「うるせぇ!泣き止ませろ」
と言われていた中
一睡もしないで抱いていた
熱を出した夜も、一人で子供を抱えて病院へ行き
下がらない熱にハラハラしながら、寝ずに看病したり

子育ては、ずっと、彼女が一人でやってきたのに

その子供にまで。。


彼女は、自ら命を断つことも、何度も考えていたそうです。


大切に育ててきた、子供にまで
バカにされて


彼女は、家を出る決意をしました。

この家に、自分は、不要だと思って


友人宅に、一時身を寄せていたとき

T君から、私に連絡がありました。


「お母さん、いなくなっちゃった。Nママ、お母さん知らない?」

他のママ達の前でも、ずっと、父親と同じように母親を非難していましたが。。。

そのとき彼は、泣いていました。


「Nママん家に来れる?」
「うん」

私は、彼の話を聞いてみることにしました。


彼は、ずっと、父親が母親にしてきた行為を見続け

父親が怖かったことを話しました。

そうしていなければ、自分も同じようにされる

そんな恐怖が彼を支配していました。

彼は、それまであった、見てきたことを話ながら
過呼吸に陥りました。


「お母さんが可哀想だと思わなかったの?」

その問いに対する、彼の答えからは

恐怖心の方が勝ってしまい
考える余裕はなかったようだと、わかりました。



母親に暴力をふるう父親の前に立ちはだかる子もいれば

一緒に泣いてくれる子供もいます。

そして、恐怖からT君のように
加害者の側に立つ子供もいます。


しかし、
どんな形にせよ

加害者の行為は、子供に精神的負担をかけているのです。


ちなみに
T君は、ママと一緒に海外で暮らしています。

あのあと、彼はママとの時間を取り戻すかのように
ママを守るかのように
Eさんとの時間を大切にしていました。