雅楽『越天楽』とフルトヴェングラー指揮のワーグナー『トリスタンとイゾルデ』の共通点 | 音楽家SHINオフィシャルブログ『Timeless Music』

音楽家SHINオフィシャルブログ『Timeless Music』

古典音律の普及活動/作詞、作曲、編曲、歌、ピアノ、ヴァイオリン等/小説・歌詞集もあります(小説サイト『エブリスタ』で公開中)



最近は和楽器音楽を掘り下げていて、、今は『雅楽』を深掘りしています



改めて雅楽と向き合って色々聴いている内に
『フルトヴェングラー指揮のワーグナー「トリスタンとイゾルデ」っぽいよな』
とふと思いました星星星



雅楽にも色々ありますが、特に『唐楽』と呼ばれる楽曲で強く感じます



『唐楽』は中国・ベトナム・インド等の由来で、『笙(しょう)』が入っています



『笙』は役割も含め、クラシック音楽だとバロック音楽で通奏低音を担当する
『ポジティフ・オルガン(室内オルガン)』が近い楽器で、主に和音担当



雅楽は単純な構造で同じ素材の繰り返しも多いので
スティーブ・ライヒ等のようなミニマル・ミュージックの要素もあります



更に、西洋音楽スタイルに慣れた人には自分の根本を揺さぶられる

◎ 『アンサンブルは意図的に揃えない』

◎ 『フリーテンポの楽曲が多い』

◎ 『後になるほとテンポが上がっていく傾向がある』

という様式や傾向があります流れ星流れ星流れ星



『インテンポをキープしてアンサンブルは縦の線キッチリ揃えられて当たり前、それが正しい』
という刷り込みを幼少期からされて西洋音楽美学が絶対と盲信している人には
自分の信じてきた概念が通じない世界に放り出されて
受け入れられない人もいるかもしれません



自然さが根底にあり、日本ならではの何でも受け入れられて
良くも悪くも曖昧な部分のある美学が雅楽にも投影されているのかなと思います



例えば、田んぼの広がる風景を『これが自然風景だ。美しい』と思う人もいるでしょうが
厳密に自然さを求めると、等間隔で稲が植えられている風景は
ほっこり癒される綺麗な風景ではあるかもしれないけど
人の手が沢山入っていて人工的ともいえます



インテンポのピッタリアンサンブルは、軍隊の行進や田んぼのように
意識して作り上げた『我』が強く感じられる行為であり
周囲の全てとの緩い共存や調和をする行為ではないという概念なのかなと
私は現時点では、雅楽の美学をそう解釈しておりますキラキラキラキラキラキラ



それを踏まえて聴いたところ、基本概念は違うけど楽曲や演奏の形が似てしまったのが
フルトヴェングラー指揮によるワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』等じゃないかと



宮内庁式部職楽部『越天楽』


フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団の
ワーグナー『「トリスタンとイゾルデ」 第1幕への前奏曲』



何か同じものを感じませんか??



フルトヴェングラー指揮のトリスタンだけじゃありません



『唐楽』と違い、『高麗楽(こまがく)』(朝鮮由来の音楽)は『笙』が入らないので
管楽器のみでフレーズの終わりに空白が出来る時があり
そこにフェルマータやブルックナーのゲネラルパウゼ(全休止)が見えたり
雅楽の和音や音の重なり感がマーラーと通じる箇所もあったりと

無心に聴いていると、クラシックと通じる部分も見えてきて
以前よりも和楽器音楽全体を掘り下げたせいか
雅楽もより面白く感じられるようになっています



この記事で雅楽への関心が少しでも増やせたり
違う視点を提供出来たなら幸いです








----------------


小説サイト『エブリスタ』で、自作の小説や歌詞を公開しています📘📚📖

著者名は『SHIN』です

現在公開中の作品は、『カフェ「シュタイン」の音楽日誌 1、2』『仲野区の人々』『クズオとモブオ』『SHIN 歌詞集 111SONGS』の5作品です


ーーーーーーーーーーーーーー


YouTubeチャンネル名『SHIN STEIN』

YouTubeでは、自作曲を含めた歌唱・演奏動画を公開しています
























動画左上の丸い自画像部分を押すと、俺のYouTubeチャンネルに飛べます



ーーーーーーーー--------


『古典音律・古楽器・ソルフェジオ周波数音楽の講義や指導』

『楽曲製作、演奏やレッスン』(作詞、作曲、編曲、楽曲分析など)


等の問い合わせは、名刺の番号・アドレスへ連絡を下さい