どうもどうも、けいです。

 

「高校では何をしていましたか?」という問いに対して、

「地域の魅力を発信する活動をしていました」と答える私。

…ウソじゃないんですが、事実ではあるんですが。

なんかウソを言ってる気分。

 

そんなことから始まったブログシリーズ第9弾。

本日は関山駅です。

 

ではでは、どうぞよろしくお願いします。

 

9-1.関山駅 概要

関山駅は、新潟県妙高市にあるえちごトキめき鉄道の駅です。

妙高はねうまラインのみが乗り入れる単独駅となっています。

 

駅構造は1面2線で、1番線が下り新井、上越妙高、高田方面、

2番線が上り妙高高原方面です。

 

現在はいたって普通の駅なのですが、1985年まではスイッチバック駅でした

当時の関山駅は2面3線で、列車の折り返しも可能だったようです。

事実、「赤倉銀嶺」「妙高スキー」などの臨時列車は

関山駅を終点にしていました。

 

隣の二本木駅もスイッチバックですので、

当時は二本木、関山の2駅連続でスイッチバックを行っていたことになります

また、新潟県内のスイッチバック駅は6ヶ所しかなかったようですが、

そのうち2つが隣り合っているという稀有な区間でした

(残りは東赤谷、西長岡、上見附、寺泊海水浴だが、いずれも廃止されているため、

新潟県内に残存するスイッチバックは二本木のみとなる)。

 

余談ですが、1番線の停目に書かれている数字は「0」となっています。

停止位置共通という意味だと解釈して問題ないと思います。

また、以下の写真のように、

ホーム番号の案内板には少し面白いものが使われています。

誰が持ってたんだ

 

9-2.関山駅 駅設備

関山駅は地上駅ですが、駅舎とホームは直接面しておらず、

ホーム直江津方にある階段から連絡通路を通る必要があります。

狭く、エレベーターなどの設備もないので、

バリアフリーの面で見ればとんでもなく手厳しい連絡通路です

竣工当時はバリアフリーの考え方が普及していなかったためしょうがないが…

 

有人駅ではあるものの、営業時間は7:10~15:00と短め。

駅利用者も96人(乗車のみ、2021年)と少ないため、

無人化される日も遠くないのでしょうか。

券売機も簡易のものになっており、

はねうまライン内では唯一有人駅に簡易券売機が設置してある例となります

(会社全線では能生駅も該当)。

 

PS.なんて言っていたら2023年12月1日から無人化されました

やっぱり余命宣告だったのか…

 

駅舎は2階建てになっており、待合室部分は「駅舎サロン&画廊」として

近隣住民がボランティアで運営するスペースとして開放されています

が、営業時間は窓口が開いている時間と同じらしく、

15時になるとこちらも閉まってしまいます。

 

毎度恒例のトイレ紹介ですが、改札外、窓口向かいに1ヶ所あります

改札内は(多分)ないので、列車が来るまで時間がある場合は

なるべくここで済ませておきましょう。

ET127系の冬季の氷結便座がイヤだという方ももれなく対象です、トイレだけに

 

9-3.関山駅 周辺と駅の歴史

関山一帯もまたかつては宿場町として栄えた場所で、

「関山宿」が置かれていました。

明治維新後、南で進行する中山道幹線建設のための資材を運搬する目的で、

直江津から南へ鉄道路線が敷設されることになります。

1886年8月15日、直江津~関山間がまず開通し、

これが新潟県初の鉄道路線となりました

 

関山駅は直江津、高田、新井の3駅ともども新潟県最古の鉄道駅になります。

構造を変えた記録が(確認した限りでは)見つからないので、

開業当初からスイッチバック駅だったのでしょうか。

 

1888年には関山~長野間が延伸開業し、関山駅は中間駅となります。

戦前の時代は隣の田口駅(現:妙高高原駅)はまだ小駅、

というより宿場町から追いやられて町はずれに置かれた不憫な駅で、

妙高山へのアクセスや関山演習場の存在から、関山駅の方がまだ地位は上でした

 

しかし、戦後になると田口駅周辺のレジャー開発が進み、

ついには関山駅との地位は逆転

田口駅は1969年に「妙高高原」と名を改め、

特急、急行列車がすべて停車する主要駅としての地位を得たのですが、

一方の関山駅はお株を奪われ完全に蚊帳の外。

もう一方の二本木駅は日曹の力で貨物黄金期を築いていたわけですから、

その間にある関山駅はどう見られていたのか…

 

1985年にはスイッチバックが廃止され、

開業当初とは駅の位置自体も変わってしまいます。

新潟県初の鉄道駅でありながら、極めて地味な立ち位置になってしまったのでした。

一応関温泉や燕温泉に近いのはこっちの駅なのだが…

 

それでも妙高村の中心駅ではあったのですが、

2005年に妙高村が新井市(現:妙高市)に吸収合併されると

このアドバンテージもなくなります。

 

停車列車の種類もよく分からず、かつてはほとんど急行が通過する駅だったのに、

1997年からは新設された新潟~長野間の特急「みのり」(2002年廃止)が

少々停車するようになります

その一方で、直江津~長野間の快速「信越リレー妙高」(のちの「妙高」)は

関山駅を通過する列車が存在しており…何がしたいんだおのれは

 

結局経営分離直前は快速「妙高」2号の通過駅になっていますから、

まさにこの駅の立ち位置が複雑化しているといえるでしょう。

 

なお、当駅周辺は世界有数の豪雪地帯として知られており、

関山には気象庁の観測点もあります。

また、関山駅では山岳を除いた非公式記録ながら、

1946年1月17日に世界1位となる日降雪量210cmを記録しています。

嬉しくない

 

余談ですが、実は台湾鉄路管理局台東線にも同じ漢字の「関山駅」が存在しており

(そちらの読みは「せきやま」ではなく「かんざん」)、

2017年には両駅間で姉妹駅協定が結ばれました。

 

9-4.関山駅周辺の施設・名所

・旧関山駅跡

1886年から1985年まで、約1世紀にわたって使われてきた関山駅です。

旧駅ということはすなわちスイッチバックを有していた時代となります。

 

列車の近代化に伴ってわざわざ時間のかかるスイッチバックを行う意味はなくなり、

各地でスイッチバックが消えていきました。

隣の二本木駅は専用線の存在からスイッチバックが生きたのですが、

関山駅はそんなこともなく、あっさりと廃止になっています。

 

スイッチバックの方法は現在の二本木駅とほとんど変わらなかったと推測されます。

旧駅自体は現在の関山駅から北に離れた場所にありますが、

引込線は現在の2番線横に伸びていました(跡地が残っています)。

 

ちなみに信号機が生きており、今だ現役の線路です

2番線と3番線の線路が途中まで残っており、保線車両の留置に使われます。

ですので、線路に入る際は線路閉鎖の手続きを取らなければいけません

えちごトキめき鉄道は時々ここに入れるイベントを行っていますが、

必ず線路閉鎖を行ってから参加者を入れています

現在でも運が良ければ列車から保線車両が休んでいるのが見えます。

なお、上の2枚の写真はえちごトキめき鉄道のイベント参加時に撮影したものです

 

1番線の線路や2、3番線の行き止まりの方は撤去されています。

架線は2番線の線路がある場所だけ生きています。

かつては架線柱がもっと奥まであり、国道18号線からも見ることができましたが、

現在は撤去されました。

 

また、旧駅の駅名標が風化しつつも残っていることも特筆すべきことです。

ですが流石に跨線橋や駅舎は残っていません。

駅舎は住宅や畑に転用されています。

 

関山駅から徒歩7分です。

 

・休暇村妙高

旧厚生省により1961年から整備が開始された、「国民休暇村」の一つです。

国立公園や国定公園に設置してあり、

廉価なレジャー施設が設けられています。

昔は大自然の中でのんびり過ごせると謳っただけで人が殺到していたのでしょうね…

 

近くには妙高スキーパークや、後述する関温泉があります。

「次の休暇は妙高で過ごしてやるんだ!」という猛者の方、お待ちしております

 

関山駅から徒歩1時間46分かかります。…1時間46分!?

送迎バスが出ているようなのでそっち使いましょう…クマも怖いし

まず筆者の何がなんでも徒歩で行かせようとするスタンスをやめるべきか

 

・関温泉

妙高山麓には7つの温泉があり、

「7つの温泉、5つの泉質、3つの湯色」のフレーズは筆者も聞き覚えがあります。

そのうちの1つが関温泉で、弘法大師が発見したと伝えられています。

戦国時代は「関山の湯」として上杉謙信の隠し湯とされました。

本格的な開湯は1729年で、関山村の豊田五太夫が発見してからだそうです。

妙高7温泉の中では最も歴史のある温泉とのこと。標高は約900mです。

 

泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉とのことですが、

鉄分も含まれており、時間が経つと酸化鉄の色(=茶褐色)に変化するのが特徴。

 

かつては共同浴場が3つありましたがすべて廃止されたようで、

日帰り入浴は旅館を利用しなければなりません。

 

隣には関温泉スキー場を併設します。

 

関山駅から徒歩2時間5分で、バスかタクシーを使うのがよろしいでしょう。

関山駅から妙高市営バス「関・燕温泉線」が出ています。

というか関温泉のアクセス案内に特急「雷鳥」の文字が残ってる…何年前だコレ

 

・燕温泉

関温泉よりさらに上にある温泉で、妙高7温泉のうちの1つです。

標高は約1,100mで、7温泉の中では最も高所に位置します

関温泉と同じく、弘法大師が発見したとされています。

1875年に温泉地として開発する計画が立てられ、1895年に温泉街が開かれました。

1972年には環境庁(現:環境省)から

関温泉ともども国民保養温泉地に指定されました

 

泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム - 炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物温泉で、

湯色は乳白色です。

ただ、硫黄の臭いがきついので、苦手な方は注意した方がいいでしょう

 

無料で入浴可能な「黄金の湯」と「河原の湯」がありますが、

後者は崖沿いを進むので最大限の注意が必要です。

なお、執筆時点では吊橋が通行不能となっており、

「河原の湯」へ行くことは不可能になっています

 

筆者が昔からよく通っていた温泉で、

幼少期の行楽の思い出がここに散らばっています。

 

妙高山の東側登山口にもなっており、登山者の姿も見かけます。

以前は燕温泉スキー場もあったのですが、閉鎖されました。

リフトなどの設備はほぼそのまま残っているようです。

子どもの頃あった気がするから閉鎖はだいぶ最近の話じゃない?と思って調べたら

2004年をもって休止、2007年廃止だそうです。あれ?筆者赤ん坊じゃん…

 

関山駅から徒歩2時間56分です。歩かせようとするな!

関温泉同様、関山駅から妙高市営バス「関・燕温泉線」が出ています。

そっちを使えば30分で到着できます。

 

・関山神社

708年に裸行上人が開山したと伝わる由緒正しい神社で、

木曾義仲や上杉謙信も参拝したとされています。

 

妙高山はかつて神格化し崇められていましたが、

妙高、神奈、茶臼、火打、不動の5つの山は関山神社の所領として、

許可がなければ立ち入ることすらできない地とされていました

まさに「神域」です。

 

毎年7月には「火祭り」が行われますが、

これは修験者たちの伝統を受け継いできたものとされています。

現地で「火祭りに上げてやる」と言って顰蹙を買っても知りません

 

また、関山神社宮殿は2018年に国の登録有形文化財の指定を受けています

 

関山駅から徒歩21分で、最寄りバス停は「関・燕温泉線」の「関山神社前」です。

 

・妙高サンシャインランド

上越市中郷区にある遊園地です。妙高と名がつきますが所在地は上越市です。

某夢の国を想像したあなたは何も間違っちゃいません

 

1989年に開園し、以降多くの家族連れで賑わってきました。

遊園地と言われて思い浮かべるジェットコースターもあったのですが、

2010年に老朽化を理由として営業を終了しています。

高所がダメだった幼き頃の筆者はこれで一安心したかと思いきや、

空中自転車のアトラクションで十分に恐怖させられたのである

 

ジェットコースターはなくなりましたが観覧車がまだ稼働しており、

妙高はねうまライン二本木~関山間で見える観覧車がそれです

 

豪雪のため冬季は休業します。

また、一帯は「妙高サンシャインリゾート」となっており、

他にもレジャー施設があります。

 

関山駅から徒歩37分です。

 

・アパリゾート上越妙高

関山駅東方、桶海地内にあるリゾート施設です。

上越妙高と名がつきますが所在地は関山です。シツコイ

 

ホテル、ゴルフ場、リゾートマンションから成っており、

2008年に閉鎖されるまではスキー場もありました。

地元では旧称である「パインバレー」の名前もよく使われます。

 

「アパリゾート」の名からも分かる通り、

帽子かぶったおばさまが社長をしているホテルの会社が運営元

2005年にアパグループが取得し、2008年の名称変更を経て、

2014年に現名称になりました。

「上越妙高」の名は言うまでもなく上越妙高駅から来ています。

 

かつて敷地内で行っていたイルミネーションは

旧ゴルフ場を利用しただけあって大規模で、

2015年にはギネス記録に認定されています

また、敷地内の展望台が2011年に新潟県で初めて

「恋人の聖地サテライト」に選定されました。

 

関山駅からは徒歩2時間20分程度誰が歩くか

送迎バスが出ているのでそれを使ってください。

 

・食堂ミサ本店/ニューミサ

関山駅北方、上越市中郷区にあるラーメン屋です。

にんにくの効いた味噌ラーメンが名物で、

妙高市出身の有名YouTuber・HIKAKINさんが取り上げて有名となりました。

 

「ミサ」の由来はこの食堂を開いた方であるミサおばあちゃまから。

経営していた地元の自動車学校の食堂部として始めたのがきっかけです。

そして、2号店の移転を機に誕生したのが「ニューミサ」なのだそう

 

味噌ラーメンをメニューに出したのが2号店を任された上田さんご夫婦で、

それまで味噌ラーメンはなかったのだそうです。

 

現在ではミサとニューミサの経営は別々で、

味付けも若干違っており、「ミサ派」と「ニューミサ派」がいるとかいないとか…

可能であれば一度に食べ比べてみるのも悪くない

 

関山駅から徒歩25分程度です。

同じ中郷区だからといって二本木駅から歩くと地獄を見ます

それは前回出した片貝も同じだろって?ごもっともです

 

・妙高山麓直売センター とまと

2005年にオープンした直売所で、付近で栽培された野菜などを売っています。

某番組で0円で食堂をやってる人たちが来そうな場所です

「とまと」の愛称があるからにはトマトがイチオシなのでしょう。

 

近くにある大洞原という地域ではトマトの栽培が特に盛んで、

甘くジューシーな味が特徴です。

 

併設された食堂「お食事処 妙高」では地元の郷土料理も楽しめます。

 

駅からは少し遠いですが、

時間に余裕がある方は妙高の味を堪能してみるのも乙かもしれません。

 

関山駅から徒歩40分で、最寄りバス停は「坂口新田」。

1日数本だけ店の前まで来るバスもあります。

 

・陸上自衛隊 関山演習場

陸上自衛隊の演習場で、上越市と妙高市の境にあります。

81mmと120mmの迫撃砲を撃てる規模であり、

たまに砲撃音が頸城平野一帯に響き渡ります

「ドーン」「パーン」と聞こえると大抵雷か訓練でぶっ放してる音です

 

筆者は軍事面詳しくないのでこの辺で…

下手に言うと詳しい人から樽の一つや二つ飛んできそうだし…

 

…わざわざ行かないでしょうし徒歩何分かは書きませんよ。

 

 

 

 

 

というわけで関山駅の紹介でした。

次回は妙高はねうまラインの終点、妙高高原駅です。

正直紹介がだんだん雑になってきている感が否めない