どうもどうも、けいです。

 

「高校では何をしていましたか?」という問いに対して、

「地域の魅力を発信する活動をしていました」と答える私。

…ウソじゃないんですが、事実ではあるんですが。

なんかウソを言ってる気分。

 

そんなことから始まったブログシリーズ第7弾。

本日は新井駅です。

 

ではでは、どうぞよろしくお願いします。

 

7-1.新井駅 概要

新井駅は、新潟県妙高市にあるえちごトキめき鉄道の駅です。

妙高はねうまラインのみが乗り入れる単独駅となっています。

 

駅構造は事実上の2面4線で、1番線と2番線の間にホームのない中線があります。

1番線が下り上越妙高、高田、直江津方面、

2番線が上り二本木、妙高高原方面で、

3番線は上下兼用の側線になりますが、

定期運用では直江津方面への折り返し用ホームと化しています

(妙高高原方面の信号も稼働しており、やろうと思えば出入り可能です)。

中線は使われていませんが、信号は稼働しています。

 

特急「しらゆき」は2往復が上越妙高駅から延長運転しており、

全列車3番線に発着することになります。

かつての快速「くびき野」は全列車当駅までの運転で、3番線を使用していました。

 

なお、3番線横には保線車両用の側線も何本か存在しており、

かつてはここに転車台もあったそうです。

 

余談ですが、2番線の妙高高原方には14両の停止目標があります。

貨物などの停止位置を除けば、妙高高原駅と並んで

妙高はねうまライン内で最大の数字となります(最小は0)。

 

また、直江津、高田の各駅と同様、2021年から駅員キャラクターが登場し、

美雪 苗香(みゆき なえか)」の名前が与えられています。

ほんまどこへ行った

 

2023年10月以降はえちごトキめき鉄道とNGT48とのタイアップ企画

「推し駅プロジェクト」の対象駅となっており、

新井駅は新井 りりのさんが推す駅となりました。

 

7-2.新井駅 駅設備

新井駅は地上駅で、1番線が改札口と直結しています。

改札口は広い口と狭い口の2つがありますが、

現在はほとんど狭い口を使っています(混雑時などは広い口を開けています)。

JR期は常時広い口でも改札を行っていたのですが…

なお、自動改札機はJR期から通して見ても一度も設置されていませんでした。

 

1番線と2、3番線は跨線橋で連絡しています。

エレベーターやエスカレーターなどはなく、バリアフリー的には厳しいです

建て替えの計画もあったのですが、建設費が予想より高額となったため、

市には負担できないとして立ち消えになりました。

また、1番線の跨線橋前にある表示板には

近年まで「名古屋方面」の案内が残っていました(現在は消滅)。

 

コンビニなどの設備は駅構内にはありませんが、

代わりと言わんばかりに飲み物の自販機は不必要なほどに設置されています

(その中にしれっとアイスクリームの自販機も紛れ込んでいますが)。

かつてはKIOSKが待合室内にあったのですが、経営分離時に撤退しました。

 

トイレですが、改札外と改札内に1ヶ所ずつあります

改札内のものは1番線の直江津方、改札入って左手方向に

改札外のものは駅を出て右手方向に、それぞれございます

 

2023年には駅舎の空き部屋を利用して、

直江津駅のような学生専用の自習室「Studyオアシス」が開設されました。

ほとんどが地元の新井高校の生徒によるアイデアで、

要望、名称、利用時の注意事項などがすべて生徒会で取り決められたものです

 

7-3.新井駅 周辺と駅の歴史

新井という町はかつては宿場町で、

北国街道(ほっこくかいどう)沿いに設けられた交通の要衝上にある町でした

 

北国街道というのは、信州追分(軽井沢西部、現在は信濃追分駅が存在)にて

五街道の一つである中山道から分かれ、現在の国道18号線とほぼ同じルートを進み、

越後直江津で北陸道と合流する街道でした。

新井はその街道上に「荒井宿」という名で宿場として存在しており、

現在でも北国街道沿いには古い街並みが残ります

 

この北国街道には面白い構造が見られます。

実際に街路を歩いてみると、道が曲がりくねっていて先が見通せません

これは参勤交代を意識したもので、参勤交代時は大名が見えなくなるまで

頭を下げていなければならなかったのですが、

道を曲げて見通しを悪くすれば列がすぐ見えなくなり、

顔をすぐ上げることができたから…と言われています。

現代では車の運転がたいそう難しい道に成り下がってしまったのだが

 

明治維新後、そんな新井の町に鉄道が通ることが決まります。

1886年、新潟県初となる鉄道が直江津~関山間で開通しましたが、

同時に新井駅が開業。新井駅は新潟県最古の駅の一つとなります

1935年には新井駅北部に大日本セルロイド(現在のダイセル)の工場が操業を開始し、

貨物列車での製品発送も行われるようになりました。

 

しかしながら、近年は社会構造の変化の影響を例外なく受けており、

1980年代に北新井駅東に完成したショッピングモールの影響で

駅前商店街は大きな打撃を受けます

市も駅前の再開発を計画したようですが悉く失敗したらしく、

新井駅前から経済的、社会的な活気が消えかけています。

 

令和4年には妙高市が再び「妙高市中心拠点地区」の都市再生計画を発表するなど、

決して行政も手をこまねいているわけではないのですが、

新井駅前への人口回帰に有効な手段を打ち出せていないのが現状です。

 

隣の上越市も上越市で同じような現象が起きており、

市長も「高田や直江津を市の中心部と思う若者はいない」と発言してしまうなど、

どこも予断を許さない状況であるのは確かなのですが…

 

また、貨物輸送のトラック化で貨物列車が使われなくなり、

新井駅から貨物列車は消滅しました。

これが2008年の話なのですが(運行自体は2007年末で終了)、

新井駅は現在の妙高はねうまライン内で最後まで貨物列車が残った駅でした

(貨物扱いに限った話であって、

直江津駅は扱いこそしないものの貨物列車はまだ通過します)。

 

隣の二本木駅も貨物列車の発着があり、

一時期は1本の列車で新井駅宛ての貨物と二本木駅宛ての貨物を

一度に持ってきたこともありました。

牽引機はEF64あたりだったようです。

 

2007年に二本木駅が一足早く貨物列車の発着を取りやめることになり、

以降新井駅の貨物列車は牽引機がEF81へ変更

最終運行日はEF81 10号機が担当したようです。

 

現在使用されていない中線を使っていたのは他でもない貨物列車で、

貨車の入換に使用していました。

信号機なども貨物用にいくつかありましたが、そちらはすべて撤去されています。

 

ダイセルへの専用線も現在はレールが撤去されており、

今すぐに列車が復活できる状態ではありませんが、

新井駅自体はJR貨物の駅としてまだ残っています(駅コード3003)。

 

7-4.新井駅周辺の施設・名所

・六十朝市

新井駅前の通りで行われる定期市で、毎月6と10のつく日の午前中に行われます

(すなわち6日、10日、16日、20日、26日、30日、

これ以外にも例外で行われる日もある)。

 

地域のあちこちから多くの人が野菜や衣服などを売りに出し、

それを買う人で賑わいます。

そしてここの大判焼きが美味いんだこりゃ

 

六十朝市が開催される際は周辺の道路は交通規制され、歩行者天国になります。

 

新井駅から徒歩3分ですが、

日を外すと何もやっていないのでご注意ください。

 

・さん来夢あらい

新井駅前の通りにあるショッピングモールです。

駅前の再開発事業の一環で、市民の要望を叶える店舗としてオープンしましたが、

空き店舗や撤退店舗が目立っています

 

2021年には空き店舗に日本海鮮魚センターが入るなど、

活気を維持する取り組みも行われてはいます。

敷地内の広場ではたまにイベントもやっています。

 

新井駅から徒歩3分です。

 

・真宗大谷派 新井別院

旧北国街道沿いにあるお寺で、起源は1685年にあります。

災害で過去幾度も本堂が消し飛んだようですが、そのたびに復興してきたお寺です。

 

毎年11月にはこの別院の報恩講が行われますが、

これは「おたや」とも呼ばれ、上越地域内で最大の仏事となっています。

もとは親鸞聖人の命日に合わせたものとされ、

現在も大谷派では11月27日を特に「大逮夜(おおたいや)」と呼ぶようです。

「おたや」の語源はここからとされますが、

おたやの開催は大逮夜より1ヶ月程度早くなっています

 

新井頸南地域に住まう者なら知らぬ者などいないとされる報恩講。

多数の出店が数百メートルにわたって立ち並び、

かつての宿場町たる装いを彷彿とさせるように多くの人で賑わいます

また、北国街道沿いの別院付近にある「池田屋」という和菓子屋では、

毎年この報恩講に合わせるように豆大福を売りに出しており

報恩講ともども地元ではたいへんな名物となっています。

 

今年もまもなく「おまんおたや行ってきたかね?(あなたおたや行きましたか?)」

の言葉が飛び交う季節がやってきます。

筆者は行けるか分かりませんが行きたい気持ちはあります

 

別院は新井駅から徒歩10分です。

 

・経塚山公園

新井駅の南部にある小さな山…というより小高い丘で、

子ども連れなどが週末に遊びに来ています。

 

地元では知る人ぞ知る桜の名所で、

地元の新聞には高田公園と併せて開花予想が掲載されています

 

経塚山と隣り合っている船岡山にはかつてスキー場がありましたが、

2004年シーズンを最後に廃業となったようです。

が、2019年現在でも一部リフトがケーブルごと残ってます…

勝手に動き出しそうで怖い

 

新井駅から徒歩25分です。

 

・とん汁の店 たちばな

とん汁ラーメン」で人気となった有名店。

今や上越地域のお土産店に行くと必ずと言っていいほど

とん汁ラーメンを見かけるようになりました。

一部では新潟五大ラーメンに負けず劣らず人気なようです。

というかアレ上越のラーメンが入ってないのは納得できんって

 

2023年3月に富山国際大学が発表した、

北陸新幹線金沢~敦賀間延伸開業に伴う意識調査の中で

沿線の特産品の知名度や購買意欲を調査した結果もあるのですが、

とん汁ラーメンの購買意欲は関西60.9%、関東に至っては66.7%と、

知る人の中では非常に人気であることがうかがえます

(というか上信越地方の草津温泉、軽井沢、信州そばなどを押しのけて

関東、関西ともに堂々の1位となる購買・訪問意欲です…すげぇ)。

 

一方で知名度は関東7.7%、関西6.5%と非常に低いのですが、

これからのPR次第で大きく化ける商品でしょう。

 

たちばなの本店にも毎日多くの人が訪れており、

時間帯によっては長い行列ができることもザラにあります

 

新井駅から徒歩27分で、最寄りバス停は「稲塚」です。

 

・道の駅 あらい

国道18号線沿い、上信越自動車道新井スマートICに併設されている道の駅で、

道の駅ながら上信越自動車道のハイウェイオアシスとしても利用できる構造です。

 

その規模は全国でも屈指で、農業振興施設「四季彩館みょうこう」を核に

多数の施設が立ち並んでいます。

 

全国でよく見るチェーン店や、ホテルまでもを併設しており、

さらには防災と災害支援活動拠点である「防災道の駅」に

新潟県で唯一選定されています

(ちなみにホテルを併設するパーキングエリア自体

全国で見ても壇ノ浦と新井の2ヶ所しかありません…Wikipedia曰く)。

 

わが国の中でも重要な幹線である国道18号線と上信越自動車道の

両方からアクセスできるという立地上、

多くの車が出入りし、非常に活気があります。

その活気の3割でも新井駅前に寄越してほしいものである

 

新井駅からは徒歩46分で、最寄りバス停は「道の駅あらい」です。

 

・ロッテアライリゾート

新井駅南西にある複合リゾート施設です。

標高差900m以上、最大傾斜34度というダイナミックなスキー場と、

豪華リゾートホテルが存在します。

開業当初は「冬のディズニーリゾート」をキャッチコピーにしていたようです。

 

しかしながら、開業が1993年と遅く、

バブル期に計画されたものの、開業時には既にバブル経済が崩壊していたという

リゾート施設の一つとなります。

 

当然のことながら初年度より苦しい経営が続き、

2000年代にスキー離れが加速すると客はさらに遠のきます。

2004年には「新井リゾートマネジメント」が経営を引き継ぎますが、

2005年の豪雪でかえって集客が困難となったことがとどめとなり、

2006年に新井リゾートマネジメントが11億円の負債を抱え経営破綻

スキー場などもほぼ全面的に閉鎖となりました。

 

新井市街地には当時からアライリゾートへの案内標識が立てられていましたが、

そのアライリゾートは閉鎖状態で意味を成しません

ナイターの照明で煌々と光っていた山はわずか13年で暗転します。

 

そんな中、施設への市税が滞納されたため、妙高市が施設を差し押さえます。

2015年には公売にかけられるに至り、そこで買収を申し出たのが、

韓国のロッテホテル子会社、「株式会社ホテルアンドリゾート上越妙高」でした。

 

かくして2017年にリゾートは再オープンする運びとなり、

打ち捨てられたスキー場には実に11年ぶりにナイター照明が灯ることになります

 

現在、リゾート施設は「プレミアムマウンテンリゾート」を謳い、

滞在型・インバウンドの需要を狙っています。

施設も元あったものを拡充し、リフト券はファーストクラスで大人1日8,000円と、

強気な値段設定で運営を続けています。

 

新井駅から徒歩2時間9分ですが、歩いていく物好きはいないでしょう…

上越妙高駅から無料シャトルバスが出ており、所要時間は30分です。

 

 

 

 

 

 

というわけで新井駅の紹介でした。

次回は二本木駅です。あと15駅頑張ります…