115日目(Maldives National Defence Force)
練習前、ムンジドが来て鍵を開けるまでインド人の先生の体育の授業を見学していた。
多分授業を受けているのは3年生くらい?
最初に先生が手本として動いて見せる。
なかなか面白いルールだ。
先生の説明は非常に分かりやすく、私も見ているだけで分かった。
しかし、いざ生徒にやらせると無茶苦茶。
ルール無視。
しかし異常に興奮して盛り上がる生徒たち。
先生はずっと「No! No!」と言っている。
面白かった。
ここら辺の学年を教える先生は大変だ。
朝はジュニア。
昨日釘を刺した女の子コルネットのジュナーナは結局来なかった。
なかなか図太い。
ムンジドの指導も若干停滞気味。
吹いて手本を示すのが一番手っ取り早いねんけど、それをムンジドに要求するのは酷か?
昼からシニア。
練習前にコルネットのアッサドが私のところへ来て「今日は練習に行けません。学校を出ていく先生のためのパーティがあるので。シン先生も来てください。」
「いや。私は練習があるからね。」
他のメンバーも数人参加するようだ。
コルネットセクションの後は木管だったが、全員パーティに参加しているためにキャンセル。
パーティをしているホールを覗きにいった。
先生はすでにいなく、生徒のみ。
「どうぞ食べてください。」と一般の生徒にヘディカを勧められたので遠慮なくいただく。
「どうぞ飲んでください。」とクルンバ(ココナッツジュース)を持ってきてくれたので遠慮なくいただく。
話を聞くと「training teacher」と言っていたので教育実習に来ていたのだろうか?
先生の顔を全員覚えていないし、なんか少しずつ入れ替わっているような気もするので、誰が誰か未だに分からない。
手持ちのお金が少なかったのでこの時間を利用して、マラドゥ-フェイドゥ島にある銀行までお金をおろしに行く。
フェイドゥ島には銀行がない。
ATMの入口は開いていたが、ブラインドが全面閉まっている。
中に入って画面を見ると、取引できないと書いている。
その瞬間、後ろから警備員が入ってきて舌打ち。
「今、使えないの?」と聞くと、「出ろ。」と手で合図をする。
外に出て「今日はもう使えないの?」と聞くと、そっぽを向いたまま手を振る。
ちょっとカチンと来たが、警備員の人にサービスを求めるのはナンセンスか。
学校に戻って、トロンボーンのアーリヤーを待つが20分過ぎても来ず。
あんだけ休まなかったアーリヤーが2日連続で欠席。
なんか悪い予感がする。
しょうがないので今日は終了。
もう一度銀行に行こうとするとニザームさんに会った。
銀行での話をすると「そんなはずはない。24時間開いているから。一緒に行ってあげるよ。」
向かっている途中に「今日ガン島で日本人に会った。後から探しに行こう。」というような話になった。
また他にもいろいろ話を聞いた。
昨日の朝、フェイドゥ島の港に着いた船で麻薬を持ちこもうとして1人捕まったらしい。
日本にいる時は麻薬なんて映画の中での話だったが、ここではこんなに身近な所にある。
このアッドゥ環礁にはリンクロードという、海岸沿いをガン島からヒタドゥ島を繋ぐアスファルトの道が走っている。
アスファルトはこの道だけあとは全部土。
リンクロードではスピードを出している車、バイクが多い。
昨日もヒタドゥ島で交通事故で1人が死亡し、2人が重傷。
フェイドゥ島でも事故があり1人が重傷になったらしい。
このリンクロードで死者が出るのは19人目だと教えてくれた。
この道ができたのは6年前程だそう。
単純計算で4ヵ月に1人死んでいることになる。
危ない道だ。
銀行に着くと開いている。
なんかガックリ。
さっきはなんかの都合で取引を一時的に中断していただけのようだ。
順番待ちをしていると学校から電話。
私の持っているバンドルームの鍵が必要だから戻って来いと言われる。
お金をおろし、急いで学校へ。
するとバンドのメンバーがカデッツの公式ユニフォーム?を着ている。
「なんで?」と聞くと「MNDF(Maldives National Defence Force:モルディブ国防軍)のミーティングに参加するんです。」
それに持っていくものがバンドルームに入っていたらしい。
ということはカデッツは軍の下部組織のようなものなのか?
ヒタドゥ島でミーティングは行われるようだ。
私はモルディブには軍隊がないと聞いていたのだが、調べてみると2006年にこのMNDFが発足したよう。
情報は間違っていなかったが古かった。
ニザームさんと一緒にガン島へ向かう。
その日本人はガン島にあるリゾート「Equator Village」の近くで芝生の上でコンロで湯を沸かしインスタントラーメンを食べていたらしい。
ニザームさんは日本語が話せるのにオール英語で話しかけ、その様子から彼はあまり英語が得意なようではないと言っていた。
その日本人がいたという場所の前にある店の人にも聞いたが見つけられず。
ニザームさんにMNDFの話をすると、そのミーティング?セレモニー?のことを知っており、MNDFのエラいさんが移動するヘリコプターがガン空港から飛ぶのでそれを見に行こうということになる。
ガン空港ではヘリがスタンバイ。
エラいさんっぽい人が車で到着。
ヘリが飛ぶのを実際に見たのは初めてかもしれない。
ドラマや映画でよく見るので、見たことあるような気になっているだけ?
記憶があいまい。
無事離陸しヒタドゥ島の方へ飛んでいった。
ガン空港のすぐ近くにあるカフェでサーボーン(お茶を飲む)。
ヘディカ(モルディブのお茶菓子?総称。ほとんど揚げているか、焼いているか。味も甘い、辛いなど様々。多分カロリーは恐ろしく高い。どこのカフェでもおいてある。」)も注文。
今まで食べたヘディカの中で一番ウマい!
ヘディカが食べたくなったらここだな。
またガン空港にお立ち寄りの際はここでぜひヘディカを。
ガン空港から徒歩1分です。
さっき尋ねた店の人にもう一度聞くと、つい15分前に通ったとのこと。
彼はマラドゥ-フェイドゥ島で現在宿泊しているとニザームさんが聞いていた。
フェイドゥ島のリンクロードを通って探したが結局見つからず。
家の前のモスク。
今日も月がきれいだ。
夜の練習は屋上でスタート。
基礎合奏も形になってきて、反応もいい。
ただあと一歩、ピシッと締ってほしいのだが贅沢か?
練習の休憩中にホールを覗くとインド人の音楽の先生アチャーリーがインドの太鼓「タブラ」を叩いていた。
結構上手。
コルネットの男の子で最近全く練習に来ていないメンバーがいる。
練習終わりに「これは早くどうにかしたほうがいい。」と言うと「彼は○○(おそらくパーカッションのメンバー)の弟なんです。明日、両親と話す予定です。」
さてどうなるのか?
今日のMNDFのセレモニーに行ったバンドのメンバーが「今日のセレモニーでムヒンブッディン・スクールが校歌を演奏していたんですが、最悪でした。」と言ってきた。
ムヒンブッディン・スクールはこのアッドゥにあるもう1つのスクールバンド。
おそらくうちのバンドより上手いと言われているバンドである。
バンドのメンバーも「あっちの方が上」という意識があったと思われる。
「もう初めから揃ってなくて、終わりもグチャグチャでした。」とあるメンバー。
他の学校のことをどうやこうや言うのはあまりよいことではないかもしれない。
ただ演奏を聞いて「ここが悪い。」と感じられることは、とても重要なことだ。
きっと以前であればこんなことは一切感じてなかったのではないだろうか?
うれしい出来事であった。
>>有高OBのみなさま。
本日はお疲れさまでした。
本番も打ち上げ!もさぞ盛り上がったことでしょう。
もちろん現役のみなさんも。