会場に着いたのは、開演から約40分後。

あの広いロビーは、がらんとしてて

スタッフさん数名しかいなかった。

 

エスカレーターを上がって、3階へ。

意外と静かなのでビックリした。

 

分厚い扉が開かれると、やっと音が聞こえてきた。

『シンガロン』の途中だった。

 

席に着いて、息を整える。

ステージに集中できるようになったのは

『元気しかない!』からだった。

実質この曲が1曲目。春ツアーと同じではないか。

 

なんかみんなステージに寝そべっている。

「疲れた」というのは、本音なのだろう。

 

真山の歌声。

かなりしゃがれている。

喉が悲鳴を上げているような感じがしたが

それでも"鉄人"ぶりを発揮していた。

 

美怜ちゃんは

完全復活と呼んでいいんじゃないだろうか。

『オーマイゴースト』で、歌詞が飛んでしまったが

なんか、そこが美怜ちゃんらしかった。

 

ひなたは

相変わらず太い歌声で

安定感を見せ全体を支えている。

ちょっと疲れも見えるが

負けず嫌いぶりを発揮して

汗だくで頑張っていた。

 

歌穂ちゃんは

安定まではいかないけど

少しとまどいを見せながらも

けなげに歌い踊っていた。

 

莉子ちゃんは

やはりパワフルでデモーニッシュな

タフさが魅力だ。"頼もしい"の一言。

 

歌穂ちゃんが

 

 「勝ち負けがあるとしたら

 やっぱり勝ちたい

 でも、時には、負けてもいいんだよ」

 

というメッセージからの

オーラス曲 『涙は似合わない』 

泣くべきではない、と思ったけど

泣いてしまった。

 

この平和な日本で

戦いがあるとしたら

他人との争いではなく

それは、自分との戦いだ。

 

克己心。

「勝者」と呼ばれる人たちは

自分と戦い、勝った人だ。

 

誰もが勝者になれるのか。

勝者の数だけ、敗者がいる。

敗者になりたくてなったわけじゃない。

でも、現実は時に厳しい。

 

負けた自分を責める。

自分を傷つけるくらいなら

いっそ認めてしまった方が良い。

開き直った方が良い。

 

ただし、悔しさを忘れてはいけない。

 

再び、這い上がる、

再び、立ち上がるために。

 

高く飛ぶには、低くかがまないといけない。

助走がなければ遠くへ飛べない。

 

もういちど、愛をこめて、あのひとへ。

 

もういちど、愛をこめて。