10月に入った。

"8 to10"のおかげで、あまり嬉しくないのは、自分だけ?

 

"10周年"の10月。

エビ中は秋ツアー真っただ中。

「ノンストップ」ステージが話題になった。

「"ワタシたち"だって、できるんだぞ!見てろよ!!」と

宣戦布告しているように感じるのも、自分だけ??

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『私立恵比寿中学 HISTORY - 幸せの貼り紙はいつもどこかに -』を読んだ。

 

ガチのドキュメンタリー。

よくぞここまで、ぶっちゃけたなあと。

裏側まで、"バカ正直"に見せちゃう。それが、エビ中。

 

ハッキリ言って、「栄光」なんて書いてない。

カッコいいことも、書いてない。

"軽いその場のノリ"から、降ってわいたようなグループの誕生。

本当に、"仮契約"のようなグループだったのだ。

 

アイドルの運命というのは、数奇だと思う。

戦略をあれこれ考え、デビューまで周到に用意されていたグループが

結局、軌道に乗らず、あっという間に消滅する。

逆に、行き当たりばったり、その場しのぎ、なし崩し的に

運営されていたグループが、しぶとく残ったりする。

 

結果から言えば、エビ中は10年続いた。

そして、更なる10年へと、舵を切った。

 

と、言うと、とても聞こえはいい。

 

しかし、「よく10年も、もったな」と、思ってしまうくらい

エビ中って、傷だらけなんですよ。

これでもか、ってくらいに。

 

エビ中に、"エリート"って、一人も存在しない。

あえて言えば、"雑草"の集まり。

 

だから、しぶとかったのかもしれない。

踏まれても踏まれても、立ち上がれたのかもしれない。

度重なる「試練」に耐えられたのかもしれない。

 

上昇・下降を繰り返し、なんとか空中分解せずに

今もそのフライトは飛び続けている。

しかし、「墜落」の危機は、いくつもあった。

 

「胴体着陸」すら、あったと思う。紙一重だった気がする。

 

さて、そこで、「カホリコ」の加入について考えてみたい。

 

結成以来、"初めて"「6人」になったエビ中メンバーは

メジャーデビュー後、せっかくできた"団結力"を失いたくなかった。

当然、新メンバー加入に反対する意見が強かった。

 

そんな中、半ば無理矢理、小林歌穂・中山莉子の加入が決まる。

 

この2人が選ばれた理由は、「ひらめき」だったそうだ。

普通なら、即戦力としてパフォーマンスの良し悪しで判断されるべき。

しかし、その点では、むしろ"ポンコツ"の2人が選ばれたのだ。

 

 "歌穂は、とにかく底抜けに明るくて、それまでのエビ中にはいなかったタイプという

  インパクト。初めて会ったときから、ずっとニコニコしていました。

  莉子は、顔がかわいくて歌が下手、というインパクト。いいな、と思いました(藤井)"

 

小林歌穂が選ばれたのは、

"いつもニコニコしていて、雰囲気がいいから"という理由。

いや、理由というほど確固たるものではなく、その印象のインパクトに賭けてみた。

 

もしも、パフォーマンスで優れてる子を選んでいたなら、どうなっただろうか?

 

生意気で妙なプライドがあったなら、可愛げがなかったなら、

間違いなく、うまくいかなかっただろう。

 

小林歌穂は、人柄がいい。

それだけは、保証できる。

いい意味で、幼く、いい具合に、鈍感だった。

 

辛くなったら、トイレに駆け込み、ワーッと泣く。

そして、スッキリする。あとくされがない性格。

 

"教育係"の安本を「師匠」と呼び

心から尊敬しては、信じてついてきた。なんという素直さだろうか。

 

大柄だが、そんな可愛らしい歌穂ちゃんを、

メンバーが嫌うはずがなかった。

むしろ、メンバーを愛し、メンバーに愛されてる。

 

いつも、"あははは"と大口を開けて笑ってくれる。

エビ中の、癒しのムードメーカー。

『++』では、生き生きと「三枚目」を演じてくれた。

 

裏表がなく、飾らない、気取らない、気さくな人当たりの良さ。

それは、他のメンバーにはない、歌穂ちゃんの個性となった。

 

ところで、カホリコ加入後、初となるシングル曲は

『バタフライエフェクト』だが、

"butterfly effect"(バタフライ効果)の意味をご存知だろうか。

 

 カオス理論で用いられる術語;初期の小さな変化が後に重要な変化を

 もたらすこと;例えば、北京で蝶が羽ばたくと、それが原因となって

 ニューヨークで嵐が生ずるという考え方

 

『バタフライエフェクト』の歌詞には、

この意味が反映されているのかどうかはわからない。

正直、支離滅裂とも思える難解な歌詞である。

曲調も、けばけばしいアレンジのちょっと"異質"な曲だ。

 

それはともかく、

小林歌穂の加入は、最初は「小さな変化」かもしれなかった。

しかし、それがエビ中にとって、「重要な変化」をもたらした。

 

これはまさしく、バタフライ効果と言える。

歌穂ちゃんの雰囲気が、

今ではエビ中に不可欠な要素となり

歌穂ちゃんの存在はますます輝きを増している。

 

アイドルは、何が正解か、全く持ってわからない。

 

これからも、エビ中は変化を続けていく。

メンバーも時を経て、変化していく。

 

歌穂ちゃんの、不変の明るさが、エビ中を救ってくれて

歌穂ちゃんの、絶え間ない成長が、エビ中の未来の景色を塗り替えていく。