美怜ちゃんの、「悔し涙」を見たのは、いつ以来だろう。

 

『EP4』の冒頭。2016年は、「敗北」から始まった。

あれから、3年。

 

『EP - a new beginning - 』の終盤は、やはり、美怜ちゃんにフォーカスされていた。

2018年12月24日、リハーサル中に、星名美怜はステージから誤って転落し

ケガを負ったために、その日の公演を欠席せざるを得なかった。

その日は、自分も参加したので、急遽"5人"となったエビ中のパフォーマンスを

観たわけだが、逆境を跳ね返そうとするメンバーの"気魄"は凄まじく、

その"熱量"は、観る者全てを圧倒した、と言っても差し支えなかろう。

 

次の日の"DAY3"も、美怜ちゃんはステージに、戻れなかった。

何せ、"入院"していたのだから、絶対安静である。「復帰」は未定となった。

 

年が明け、レコーディング、リハーサルには参加できるようになったが、

依然、ステージには立てない状態が続く。

そんな中、スタッフに囲まれてふと涙ぐむ美怜ちゃんがいた。

 

「悔しい・・・」  

 

その胸の内は、察して余りある。辛いだろう。苦しいだろう。

 

美怜ちゃんは、意外と泣いていることが、多い。

でも、悔し泣きというのは、滅多にない。

 

でも、おそらく人に見せてこなかっただけなのかもしれない。

悔し涙だけは、人に見せまいと。

 

結成10周年イヤーを、こんな形で迎えるなんて、

夢にも思わなかっただろう。誰だって、予想外だったはずだ。

 

ニューアルバムに、『曇天』が収録され、

上映された映画では、美怜ちゃんを含めた"6人"がFCイベントで

その『曇天』を歌った様子がフルコーラスで流れた。

 

このようなことわざがある。

"Every cloud has a silver lining." 

「すべての雲の裏は、銀色に光っている」

意味は、「どんな悪い事にも、何かよい所がある」「苦あれば楽あり」

 

移ろいゆく季節の中で、

立ち止まってみて、初めて見えてくるものがある。

 

3月17日付の美怜ちゃんのブログ。

『就活という時期の考え方』というタイトル。

 

美怜ちゃんには、発見があった。

大学のクラスメイトと、自分は、

どう違うのか、そして、どこが似ているのか。

そして、自分は"何がやりたいのか"

 

自己分析。

就活生なら、嫌でも向き合わなければならないし、

嫌というほど、自分が何者かを突き付けられる。

何が自分の長所で、何が自分の短所なのか。

 

長所と短所は表裏一体。

美怜ちゃんの場合は、良くも悪くも「適当」だった。

しなやかに、軽やかに、すり抜けてきた。

なんとなく、なし崩し的に。

それでも、やっていけた。今までは。

 

白い病院のベッドの上で

見知らぬ天井をただ見つめるだけの日々。

それは、決して無駄な時間ではなかった。

天井だけではない。

自分自身をも、美怜ちゃんは見つめていたのだ。

 

桜舞い散る4月。

新学期。新年度。そして、新元号。

 

来週から始まる、ライブハウスツアー。

もちろん、6人でステージに立てれば言うことなしだ。

 

でも、あせりは禁物。

無理をして、もしものことがあったら大変だ。

 

みれいちゃんへ。

また元気な姿で、みれいちゃんの輝く笑顔を見られることを

今は、ひたすら、待っています。

 

「おかえりなさい」と言えることを、待っています。

 

平成31年の春に。

まだまだ肌寒い、日差しが眩しい朝に。

We are all looking forward to seeing you on the stage again!!!