「そうか、彩ちゃんは笑いたいんだな」 

自分はエビ中に何を求めてるのか、一瞬、わからなくなった。

 

「満身創痍の全力エンターテイメント」 言ってしまえばそういうことになる。

でも、エビ中っていつから傷だらけになってしまったのだろう。

いつから「傷だらけ」と見てしまうようになったのだろう。

 

成長には必ず痛みを伴う。痛み無くして成長はありえない。うん、正論だ。

幸せなのは、まだ幼いから。良薬は口に苦し。大人になるって辛いことの連続・・・

 

NO MORE!! TOO MUCH!!  彩花はそう訴えてるのかもしれない。

残り僅かの十代。別に大人になることは怖いことではないけど、でも、笑っていたい。

笑いたい。

 

「元々正統派ではないから、もっとおふざけがあってもいい」 ひなたは言った。

「この歳で、こういうことやってるんだ、っていうダサさが、親近感がわく」 美怜ちゃんは

言った。

 

『エビクラシ―』は間違いなく名盤である。46分間、息つく暇もないほどあっという間に過ぎる。

アルバムとしての完成度はピカイチである。タイトルが唯一左右対称の漢字二字ではない

アルバムだ。

 

『中人』 『金八』 『穴空』 この三枚はトリロジー(三部作)として完結したと考えてもいいの

かもしれない。この三枚は、Interlude(幕間劇)で始まり、楽曲も何が飛び出すかわからないほどバラエティに富んでいる。正直、聴き終わってもエビ中ってどんなグループなの?と

一概には言えないような印象を与える。ただ、言えるのは、1枚を通して聴けば必ずエビ中を、もっと知りたくなるということだ。

 

『++』を観るようになって、「素」のエビ中メンバーの魅力に惹かれていった。みんな可愛いのに面白い。いつも8人横並びで制服を着てるけど、それぞれの個性がそれぞれの色に

弾けていてキャラが立っていてすぐに全員の顔と名前が覚えられた。「流れ星」の2人が

メンバーの個性を引き出すのが絶妙だった。

 

面白いのが、エビ中。いい意味で、雑味があって、一度食べるとクセになる。何度でも食べたくなるラーメンのような感じ。パンチの利いたあの味が忘れられなくて、今日も行列に並んで

しまう。

 

前作3枚と、『エビクラシ―』の違い。それは、「雑味」があるかないかの違いなのかな、と。

『エビクラシ―』は、スッキリとしてキレがある。それ自体はうまいし、何度でも食べられる。

『中人』 『金八』 『穴空』 はスッキリはしてないかもしれないが、どこかクセがあるというか

一度ハマると抜け出せない中毒性がある。どこか「突き抜けてる感」がある。そこが潔いというか、心意気のようなものを感じるのだ。

 

エビ中は、カッコいいグループに今ちょっと傾きすぎてるのかもしれない。メンバーはそれに

気づいて振り子を元に戻そうとしているのかもしれない。『でかどんでん』はそのきっかけに

なりそうな曲だ。

 

彩花は、昨年MC担当として、たくさんの感動をくれた。その裏では様々なプレッシャーが

あっただろう。とにかく前を向いて進むしかなかった。それ以外許されなかったと言っても

よい。それはそれで、「私が人として1つ変わることのできた1年!!!」と履歴書に書くことができた。

 

そして、「また一つ変わってみせます!!!20才になるのだから!!!」と2018年を先取りして書いている。これは、『エビクラシ―』からの「王政復古」、すなわち「エビ中維新」の始まりと言えないだろうか。痛みに耐えたエビ中が、今のエビ中だからこそ到達することができる

境地、それがこの「笑いたい」という素直な気持ちなのだと思う。

 

「ユーモアとは、にもかかわらず笑うことである。自分を笑い飛ばすことが温かい笑いとなる。」

彩花には、エビ中で笑ってほしいし、エビ中を笑い飛ばしてほしい。彩花の暖かい太陽のようなユーモアで、自分も笑いたい。きれいにこじんまりとまとまるのではなく、もっと脱線しても

いい。もっと弾けてしまってよい。

 

「約束の地」であるハワイで、とにかくたくさん笑って、十代最後の最高の思い出をみんなで作ってください。