スタプラ発足の記念特番にて、スタダ所属アイドル勢揃いの中、エビ中は自らを、
「人見知りですが、一番の清楚系、スターダストの「坂道系」を狙ってます」という風に
グループ紹介をした。もちろん、この後メンバーが揃うと必ず始まってしまうミニコントが
入ったけれども。やっぱりいつものようにグダグダだったけれども。
清楚なエビ中は、自分は大好きだ。
エビ中が清楚であると、証明する曲がある。
『まっすぐ』 MUSIC VIDEO
記念すべき10thシングル曲。2016年発表だが、意外にも『シンガロン』まで、エビ中は
この曲が最新シングル曲だった。
シングル曲であるため、どうしても一時期にヘビロテされる宿命にあるのだが、この曲は
エビ中のサンクチュアリ(聖域)であり、本当に手垢一つつけたくないぐらい、触れるのが
ためらわれる曲である。
初めて聴いたのは、正確には覚えてないのだが、自分が『エビ中++』を熱心に観ていた時である。なので、自分は『夏だぜジョニー』『スーパーヒーロー』がほぼタイムラグなしで頭に
入っている。随分振り幅の広いグループだな、と思っていたがそれがエビ中の魅力なのだろう
と自分なりに解釈していた。
『まっすぐ』を聴いたのはMVが初めてなのだが、ご多分に漏れず、自分も感銘を受けた。
タイトル通り、ストレート、ド直球のラブソングである。聞いた100人が100人とも「いい曲」と
言うだろう。10代の女の子がこの曲を歌ったら、正直何も言う事はできない。ただ黙って聴く
しかない。時には目に涙をためながら。
おそらくこの曲の内容には、もう語り尽された感があるのは否めない。不器用で一途な想いを
切なく情熱的に歌い上げる。完璧なアレンジと曲展開。ぁぃぁぃの高らかなシャウトという劇的
なエンディング。これ以上何を望みましょうや、と思える百点満点の曲である。称賛しようと
思えばいくらでもできるし、ケチをつけようものなら、地獄の果てからでも批判を受けそうな
気がする。好きか嫌いかと言えば、大好きな曲だ。
そう、大好きな故に、ここぞ、という時に聴きたい曲なのである。美しいゆえに、汚したくないし
穢したくない。決して風化させたくない、ありきたりにしたくない曲だ。初めてMVを観た時、
この曲を繰り返し繰り返し聞きたくはないと思った。言ってみれば、いい映画、あるいは芝居を観た後、席を立つのがもったいなく、いつまでも余韻に浸っていたい、そんな気分にさせる力
がこの曲にはある。少なくとも、このMVには映画一本分に匹敵するドラマがある。
カーテンコールの8人の渾身のアカペラを聴いた後、いつも胸は一杯になり心は震えている。
事実から言えば、2017年、『まっすぐ』はライブにてヘビロテされた。自分も少ない回数参加
しているが、3、4回は聴いている。これは、事情が事情なので仕方がない。3月の時点で、
ぁぃぁぃが転校を決意していた。つまりシングル曲としてライブにて完全な再現ができなくなってしまう。その前にできるだけたくさんの人にこの曲を届けておきたい。その判断は正しかった
と思う。おかげで、自分もこの曲を聴くことができた。その度に、ぁぃぁぃの歌声に泣かされて
きた。りななんのことを想い出すこともできた。『まっすぐ』が持っているチカラは本当に
大きかった。
2018年。エビ中は6人になった。『まっすぐ』は、どうなるのか。もちろん、歌い続けて欲しい。
ただ、ルーティンにはして欲しくない。そうなるぐらいなら、歌わないで欲しい。シングル曲は
ヘビロテされる宿命にあるが、この曲は「想い」が伴わないと意味がなくなってしまう。
どの曲も大切である。それなりに思い入れはある。『まっすぐ』が必ずしも一番というわけではない。メンバーも歌いたくなくなるかもしれない。そっとガラスの箱に入れて、リボンを結んで飾っておきたい。そうなっても仕方のない曲である。
ただ、この曲だけは「嘘」にして欲しくない。そのためには、やっぱり歌い続けるしかない。
時代に左右されることなく、聞く人の心を震わせる曲。そんな曲はめったにないのだから。
『まっすぐ』を歌うことができる、清楚なエビ中が、自分は大好きだ。