前回ブログを書いてから、いつもの事ながら随分と間が空いてしまいました。話題が少し過激というか、偏っていたのですが、それでも患者さんから反響を頂いたりして、少なからず関心をお持ちの方がいるのを知って安心しました。


 と言うのも、ネットで知ったのですが、朝日新聞の世論調査では、原発停止派は11%に過ぎないとか。これってどうなのかと思っていたのですが、どうやら被災地の3県、福島、宮城、岩手は除いての調査であること、電話で200名程度のアンケートであることなどが別のブログに書かれており、相変わらず情報操作のための世論調査結果であることが分かり呆れてしまいました。


 その後、菅総理にしては珍しい英断、『浜岡原発停止』が発動され、中部電力が了承しました。これも、実は裏があって、現在点検中などを除いた稼働可能な15基は動かすのですが、大手マスコミによる『それでは電力が足りない』の大合唱が始まり、基本的には原発は推進、電力料金は値上げ、菅総理および政府の英断により支持率の上昇などがセットになった策略のようです。夏場の電力需要がピークになる前に全面停止して見直したら良いのにと思うのは素人なのでしょうか。


 浜岡原発の耐震設計はマグニチュード8.7までで、津波対策はなし。中部電力の責任者は「マグニチュード9程度なら大丈夫なはず」と会見で述べていましたが、8.7と9はどれくらいの差があるのか分かっているのか、さらに余震が続き、負荷が重なることはどう考えているのか、全くお粗末な原発管理としか言えません。


 それから、各原発のお膝元の自治体の中心人物達は何を子孫に残そうとしているのか理解しているとはとても思えません。


 核廃棄物は現在どれくらい溜まっていて、半永久的に処理が必要なことはお分かりなのでしょうか。さらに、六ヶ所村の再処理施設は稼働できず、プルトニウムを燃やす『もんじゅ』は昨年のトラブルで再起不能、福島3号機や四国の伊方原発のようなプルサーマルも先が見えておらず、このまま使い道のない使用済み燃料をお金をかけて再処理で作りだし、原爆になる以外に使えないものを大量に保有してどうする気なのでしょうか。IAEAの査察の大半は日本が保有しているプルトニウムの管理だそうですが、トンの単位のプルトニウムがどれくらいの危険性を孕んでいるのか。これらのつけは次の世代への置き土産で、自分たちは、近くに保養施設や病院があるから原発は有り難いというような考え方は狂気としか言いようがありません。


 昔、タバコは薬でした。その後、嗜好品、男性のたしなみとなり、吸えて一人前の時代がありました。吸ってむせるようでは「ひよっこ」と言われたものです。以前は国が専売していました。天皇家から下賜された菊のご紋が入ったものもありました。「家のじいちゃんはタバコを吸っても90まで生きていたぞ。」などと言う話がよく聞かれたものです。


 今でも喫煙率は数10%あります。合法で、何処でも手に入って、人前でも子供の近くで吸ってもほとんどの場所では問題なしとされています。


 タバコが原因での死亡数は世界で約500万人/年、受動喫煙による死亡数は約60万人/年、日本人の全部のがんのうちタバコが原因と考えられるものは男性では40%、肺がんに限れば70%。莫大な医療費をかけてこれらを治療し、保険料がそれに充当されています。


 これって原発と同じだとは思いませんか? 電気料金には再処理用の費用も上乗せされて徴収されおり何兆円もの積立金が出来ているそうですが、給料天引きの保険料みたいなものです。電気がふんだんに使えないと暮らしていけないと言っているのは、タバコがないとイライラして駄目ですと同じ事を言っているような気がします。禁煙は良いことであると分かっているだけ、原発よりまだましかも知れません。
 
 でもそろそろ禁原発の時期です。中曽根さん『原発を進めないことは文明ではない』などと言っている状況ではないことを、あなたが知り、あなたが率先して宣言すべきです。喫煙の先にも原発の先にも健康的な文化的な生活が無いと言うことを。


 またまた、暗い話題で恐縮です。