パチスロその⑩-《アイツ》7- | ギャンブル依存症を自覚したボクが書く日記

パチスロその⑩-《アイツ》7-

同じ道を歩いていたように思う。
どこまで行ってもゴールが見えない。
それは、以前にも見覚えのある光景だった。


ギャンブルと借金――
打ちたい、失くしたい。
相反する2つの気持ちがボクの上にのしかかってくる。
また、同じことをしているよ・・・
それでも昔とは収入が違う!
そんなネガティブさとポジティブさが
交互にアタマの中に浮かんでくる。
その日の気分は、その日になってみないと解らない。
朝起きて、気分が良くても
少し経てば不機嫌そうにイラ立つ自分がいた。
そんな気持ちを束の間忘れられる場所、
それが、パチスロ店だった。


演出を追い、レバーを叩き、ボタンを押す。
ほんの僅かなスリルを手に入れ、
勝てば万能感に包まれ、
負ければ敗北感に襲われる。
そんな繰り返しの日々だ。


ボクは、ギャンブルを打っている間、
ほとんど食べ物を口にすることはない。
朝10時にパチスロ店に出かけ、
調子が良ければ夜の11時まで打ち続ける。
空腹をタバコで紛らせ、
缶コーヒーを飲みながら延々と打つ。
食べることも忘れるほど、
集中していたと言ってもいい。


《アイツ》のボクを見る目が、徐々に白くなってくる。
それをココロの奥のほうで感じながら、
うんざりするようなプレッシャーを感じていた。


バレないこと――。
いつの時も、借金持ちはそれを最優先する。
1日のほとんどは、自らの隠し事を守ることに費やし、
言い訳を考えることで終っていく。
今日もバレなかった・・・
安堵感は、夜、眠る瞬間にのみ訪れる。
苛立ち、うんざりし、助けを求め、隠し、訴える。
真っ当な精神状態でいられるはずなどなかった。


情緒の不安定さは、周りの人間に伝播していく。
少しずつ、少しずつ、
ボクの周りから、人がいなくなっていった。


〆切2週間ほど前のことだったろうか。
風邪をこじらせ、扁桃炎を併発し、
ボクは入院することになった。
《アイツ》の家からほど近い病院。
その時、ボクが感じていたことといえば、
『正々堂々と仕事を休める』
ということだった。
仕事をしなければ、収入がないというのに・・・
パチスロを打つために、仕事を遅らせる言い訳を
考え続ける日々に
間違いなく、疲れ切ってしまっていたのだろう――

つづく


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