デビューから4年、(相手棋士の戦型選択がそのまま実現する)藤井後手での戦型では、あまり大きな変化は見られません。

(対振り飛車以外)

 

 

一方、藤井先手の戦型においては、角換わりや「その他(雁木、一手損角換わり、力戦系)」が激減し、横歩取りが急増しています。

 

 

 

それには、藤井の戦型別勝率が関係しています。

 

遠山六段が対局の解説時に、「藤井の角換わりや矢倉は、他の棋士たちに受けてもらえなくなった」と言っていましたが、それもそのはず。

 

横歩取りを除いた藤井先手の勝率は、なんと92% (92-8)!

先手の藤井に勝とうとすれば、角換わりの研究手を用意してくるか、横歩取りに誘導するくらいしか手段がありません。

 

藤井の横歩取りは通算11勝7敗。

7敗の内訳は:

・ 大橋に3敗(棋聖戦一次予選=1時間、王位戦、王座戦)

・ 上村(2017銀河戦)、三浦(2019JT杯)、豊島(2020JT杯)、羽生(2020王将L)

 

ただし、

・ 横歩7敗のうち4つは早指し棋戦(1時間の棋聖戦含む)

・ 直近、対横歩は5連勝

 

藤井先手対策としての横歩取りはいつまで有効なのか。

B1順位戦初戦の三浦戦(藤井先手)は、そういう意味で注目です。

(対三浦は2勝1敗。3局中2局が横歩取りでした)