進化を続ける「ファンタム式パナ改」マイクロホン、輝きを加えてバージョンアップ(参考試作)
秋月で完売となったころは絶望的な思いであったWM-61Aの入手、最近ではヤフオクで1袋1,800円、2,000円と、正式店頭価格の10倍で取引されており、高額ですが他のルートもまだ残されているので絶対にほしい方にはあと数年は可能でありましょう。
「代替品」と称する50円の機種で十分な場面もありましょうが、私にはどう妥協しても音色的にそれは無理のようです。
やはりWM-61Aシリーズの突然変異的優秀さはもともと安易な100円マイクではなく1,000円の価値を持つ「別格カプセル」だったのだ、と思えば現在の市場価格のほうがリーズナブルだと言ってよいのでしょう。
偽物も現れているので秋月の袋に入った2個入り2,000円を落札すればとりあえず本物を手にすることはできます。
百聞は一見、一聴にしかず、でホンモノを知っておけば偽物の音は3秒でわかる、それほどの違いを見せます。
「音色」という考え方
「音質」に敏感な皆様に「音色」というファクターをお考えいただきたいと思います。
マイクロホンに必要なのはj実は「音質」ではなく「音色」であることに気が付いた次第です。
そこで先日、有名・無名多数の音響家の中でこのことを論議しました、そしてベテランほど強く同意がありました。
そして「マイクロホンの音質ねー・・・ちょっと違うよなー」、ほしいのはキャラクタとか表現にしなやかな「音色」の方でしょ、「あとは使い方の問題ね」というのが大多数の意見でした。
この議論に興味を示して傍らにいたオーディオマニアの方、「高忠実度」「物理特性」がまったく語られないことにあっけにとられた様子で目を白黒させていました。
マイクロホンとはどんなに物理特性が優れようが、そんな方向とは似て非なる領域の音響道具、
HiFi オーディオ機材ともまったく異なりむしろ楽器に近い存在だと認識しています。
ましてや無機質な「音センサー」や「音/電気トランスデューサー」では決してありません。
測定結果に視点を置き物理特性に重点を置けば置くほどつまらないマイクロホンになる。
このことはマイクロホンの本質にかかわるカナメであり国内すべてのメーカーがかつて陥ったマイクロホンに対する決定的な反省点である。
それは「BTS規格=放送技術規格」を廃止に追い込んだ重要なポイントでもあります。
しかし発想が変わっていない以上国産マイクロホンがいまなお、それを亡霊のように引きずっているとしか思えません。
マイクロホンは「工業力」とは無関係な「あるファクター」によってのみ完成に至る、と私は信じております。
fetⅡが進化した
ところで今回、このfetⅡに「ブリリアント」と「PAD」のスイッチを設け、ノイマン・ライクな上品なふくよかな音とAKGライクなブリリアント・トーンの切り替え、さらに約20dBのPAD位置では楽器用クリップオンとしてそのまま使えるマルチな超小型マイクが実現しました。
(おもて面)
(うら面)
回路図
ノイトリックのXLRコネクタの中に基板を仕込むため、ただでさえ気の遠くなるような小さな蛇の目基板にさらに2個の切替スイッチを設けるという常軌を逸した魂胆・・・・
(主要回路は4穴✕5穴=20穴で収め切り、コネクタ・シェルには触れることのない必要あり)
当初、XLRコネクタの外側からのSW切り替え構造考えた、しかしちょうどSWの位置にカラーリングがあり、これを外せば実に貧素な外観になる、デザイン無視でSW穴をあけるというのには抵抗があります。
そこでこのブッシングをゆるめて外し、内部のSWを直接操作する方法にする事とした。
したがってストレスなく内部基板を簡単に引き出す事ができるサイズにまとめた。
問題はSWの切り替え表示だがSWがあまりにも小さい、これはさすがに小さなもの好きのShinさんでも幅2~3mmにシールなど含めて文字を書き込むことはあきらめた。
(そのうちに赤マジックで印でも付けておこう)
回路図通りの基板部分です。
手作りとしては想像以上に小さく高密度、「まあなんとか入るだろう」ではどうにもならなりません。
以上
(お知らせ)
fetⅡ、fet(Ⅱi)、fet3 など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (いまや貴重品、秋月のパナソニック WM-61Aとオリジナル・パーツで製作)
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