ファースト・インプレッション
WM-61A相当とされる 「XCM6035」カプセル=50円
(P-08181 [XCM6035-2022-354R] )
名カプセル「WM-61A」 の生産終了から2年近く経ち、この「相当品」とするカプセルがデビューした。
これがいかなるモノなのか購入していじくりまくった。
いつか終わることを想像していたが、なんと秋月電子から「ほぼ同一スペック」、とする香港のSPL社製カプセルがデビュー、7月初旬より販売が開始されました。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-08181/
XCM6035 P-8181 10個 (香港 SPL社製)
扱い始めたばかり、まだ個別パッキングされておらず、店の奥から箱に詰まったままレジにもってきた。
(ピン端子型と半田端子型の2種類がある)
今日はこのカプセル(XCM6035)の半田端子型(P-8181)をじっくり検討する事にした。
(評価結果)
1.音質・音傾向
※10cm径SP使用によるホワイトノイズを使った測定ですので低域は無理ですが新旧おおむねの相関は見えると思います。
WM-61Aの国内公称値20~16,000HZ(海外:20~20,000HZ)に対しXCM6035では20~13,000HZとなっています。
聴感上もそんな聴こえ方ですが、超低域の伸びはオリジナルに及ばないようです。
左:WM-61A 右:XCM6035
・サイズは同一です。
・前面の不織布がアンビック社の「ヒメロンxxx番」=「音響抵抗実質ゼロ」と比べツヤの多いものが使用されている。
・カプセル裏側のパターン2か所に「スルーホール」が採用されており、これが改造の邪魔になる。
・ソース~ケースGND2か所に向かってパターンあり。
・GNDパターンは「ソルダー・レジスト」で覆われており、GND接続は一手間必要)
◎ この改造、難易度高いです。
ここまで出来たらかならず「エポキシ接着剤」で半田箇所を補強します。
このカッターで無造作に引っかくと「スルーホール」をつぶしてしまう。
カットに失敗した「オシャカの数々。
「エッツ!GNDパターンとケース金属との導通がない」・・・・
(それは「スルーホール」を引っかいてしまったんダネ、「はい、オシャカ1丁!」
WM61Aとは桁ちがいに難しいのがお分かり頂けます。
以上代替デバイスとしてはかなり条件付きであることを確認しました。
その主な問題は音質的な問題よりもソース・フォロワ改造の難しさにあると思います、しかししっかりと取り組めば必ずできます。
【結論】
というわけで 善戦していますがA/B比較するとその違いが気になります。
①しかし他と比較せず、このマイクの音だけを聴けば十分上質であり、61A代替として大きな支障はないでしょうがホンモノが手に入らなくなれば他機種を探し出すことを含め多少のガマンが必要でしょう。
②ソースフォロワ三線式改造難易度は高い、
③価格は50円である。
(ふろく)・・・三線を使った波形比較
さんしん(沖縄三線)でB-E-Bの「本調子」調弦を行い、男弦(ウージル=B)をバチで弾いた時の波形及び周波数スペクトル。
ご覧のように「さんしん」は「三味線」のような鋭いピークは見られず、余韻は短く「マッタリした音」が特徴の楽器です。
14世紀ごろ中国から伝わった「三線:さんしん」=「三弦(samhian)」はそののち、16世紀に大阪に渡り、平家琵琶のバチが取り入れられ、和の「三味線」へと変化しました。
XM6035もWM-61Aもグラフ上ほとんど変わりはないが、良く見るとホワイトノイズでとった記事上部の特性グラフに相通じる高域特性が見られる。
というわけでこのカプセルのファースト・インプレッションは終了します。
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fet V、fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作)
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