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2024年追記
このマイクロホンの改善バージョン「LZⅡ」の製作をお薦めします。
LZ-1 (超低インピーダンスファンタム式パナ改マイク)
をあらゆる面から見直し、リファインした
これはピアノ用XYステレオマイクや今後多種多様に展開出来るようベーシックな改善をおこなった。
出力インピーダンスは 61.4Ω (at.1KHZ) と文句なしの結果だ。
前作 ではやや低域の不足を感じ、従来のファンタム式パナ改マイクとの音色差を指摘いただいておりました。
またファンタムの質に過敏に反応するため卓を選ぶ、この点も穏やかで使い勝手の良い回路に変更した。
またこの改善の為、コンデンサの聴き比べも念入りに行った。(但しXLRコネクタの中の基板に収容するため大きさの制約が大きい。
音質に影響の強い1箇所ピンポイント(図面の※箇所で行った)
(コンデンサ)
コンデンサ選びは最終的に WIMA MKS-2が音の実在感・エネルギー感、トータルの音質に優れ、大きさの点も考慮しこれに決定。
10円のTDK積層セラミックが意外と健闘したり、EROの1826が案外ピーキーだったりした。
指月はおとなし過ぎ、VishayはEROと同じ音に感ずる。SIEMENSはWIMAの色違いのようにすら感ずる。NISSEIのAPSは価格・姿カタチに似合わず透明感のある良いコンデンサだ。
ケミコン系では何とOSコンでややランダムノイズが気になった(モレ電流?)、一方nichiconのBP(無極性) MUSEはドッシリとした実在感のある音を聴かせてくれた、しかしデカイ。
(TR)
手持ちのPNP-TRはあいにく2SA1015(Vcbo -50V)1種類しかない、今日はさっきからの雨で調達には出かけたくない、静かにやれば問題ないだろう・・・それが間違いの始まりだった。
最初は問題なく動作してくれていたが、よせばイイのに通電調整などするものだから「パタッ」と音声が停止、調べてみると片側のTRが全短絡だ。
この場合FETなら何とかなっても「バイポーラTR」は非情です。
そんなこんなで2SA-1015 3組6本をオシャカにした。
一方「ファンタム式パナ改」の2SK-330ではVgdsは50Vと、同じようなものだがちょっと手荒な事をやったとしても何も起きたことがない。
(オシャカにした2SA1015)
しかし、2回までは許せるけど3回やるのはタダのアホだ、と自分で決めた。
雨の上がったアキバ に向かった。
秋月の店内で「あっ」と驚いた、何と2SA-1015のポップ札にVcbo-120Vと書いてあったのだ、「これ違ってますよ」と店員に知らせた、多分すぐ訂正されたはず。
結局2SA-970(Gr)で落ち着いた。(若松通商までいけばhfeの選別品があるが、値段は10倍近い)こういうときの価値観は個人個人異なり面白い。
左右「まさ目」まで揃った下駄でないと気がすまない人もいれば、新しければうるさいことは言わない人もいる、1袋10個入りだから自分でhfeを選別すればいい。
(回路)
ここでもECM電源を平衡AMPの一部からパクるのをやめ、独立電源を設けた。その結果圧倒的にSN比を稼げ、微妙な音質チューニングを可能にした。
そして今回、出力インピーダンス61.4Ωを得ることが出来た。
(ところで・・・・・)
マイクを製作して、「音は気に入っているんだけど特性を見ると20KHZ前後にヒゲが出るんだよなー」とお嘆きの諸兄、
「発振しているわけじゃないだろうし、サンプリングノイズ?」「いやいやインバータノイズかな・・・エアコンも止めた」でも変わらない。
「モスキートーンってもう少し低かったはず、じゃ超音波兵器の攻撃?」
(答):ノートPCのファンノイズでした。
「これ何だろう?」と考えれば考えるほど分からず、回路的にも考え込む始末。
大山鳴動しネズミ一匹。
似たようなことが現場でも起こっていませんか。
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