4歳と2歳の子供を連れ、西へ東へ。
そして、隙を見て読書。
子供の昼寝の隙に、読み進めています。
竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎

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第七巻まできました。
薩長同盟が成され、時流が変わっていく。
幕末もいよいよ回天前夜です。
第七巻も学ぶポイント盛りだくさんなのですが、第六巻に続いて「交渉術」を考えてみたいと思います。
題材は、第七巻にある「いろは丸事件」。
竜馬率いる海援隊の船舶「いろは丸」が紀州藩の「明光丸」に追突され、「いろは丸」が沈没し、その賠償について、海援隊と紀州藩が真っ向から対立します。
さて、
交渉にあたって、双方の利害が一致しない場合、当事者は、何かしらの「案」をもってその解決を図ることになります。
もちろん、それぞれの当事者は、自らにとってより「利」をもたらす「案」を用意し、相手方にその「案」を受け入れさせるように交渉するわけです。
ただ、この種の交渉になった場合の結論としてありがちなのが、こんなパターン。
①双方の主張は平行線をたどり、結局は、強者の主張を、弱者がしぶしぶ受け入れる
②双方が、それぞれ主張を弱めて妥協点を探る
紀州藩のような大藩を相手に弱者である海援隊が交渉する場合であれば、①のような結末になるのは容易に想像できます。
では、どうすればいいのか?
ハーバード流交渉術の原則で、
【客観的基準を用いる】
というものがあります。
これは、交渉にあたって、双方の当事者が、提示された「案」をどれにするか決定する基準を、事前に決めておこうというものです。
「話がこじれた時は、この基準にのっとって決めるんで、文句のいいっこはなしよ。」
と事前に決めておくのです。
もちろんその基準は双方が納得のいく基準でなければならないので、客観的なものにならざるを得ません。
「いろは丸事件」における竜馬も、事件発生後、紀州藩と話し合った最初の場で「客観的基準」に合意することを求めます。
当時、西欧では当たり前とされていながらも、国内では知られていなかった「万国公法」が竜馬が提示した「客観的基準」です。
そして、紀州藩は万国公法を「客観的基準」として、深く考えることなく合意します。
「万国公法」を基準として合意してしまったからには、紀州藩がいくら声高に脅そうが、交渉はこの基準にのっとって進みます。
結果、見事に海援隊が当初の要求した通りの「利」を得ることができたのは周知の事実です。
もし、竜馬が最初に万国公法に則って交渉していくことを、紀州藩に突きつけなかったとしたら、結果は違っていたかもしれません。
司馬遼太郎さんの本は、このあたりの現代風なスキルが随所に散りばめられていて、それを読み解いていくのもまた面白いですね。
■本日の参考図書
ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)/ロジャー フィッシャー

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決定版 ハーバード流“NO”と言わせない交渉術 (知的生きかた文庫)/ウィリアム ユーリー

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