ひょんな事からある本に出会った。
第145回直木賞をとった池井戸潤の「下町ロケット」という小説だ。
宇宙開発のロケットのキーデバイス、エンジンを開発する担当者だった研究者 佃(つくだ)が
一度は夢破れ研究職を離れ、親が経営していた中小企業の社長になって
再び夢に向かって奮闘する物語だ。
いくつもの難問が立ちはだかる中、
その都度僕ら読者には予想だにしないような解決策を見出し、
その難問を確実に潜り抜けていくという作品だ。
一重にその潜り抜けていく様は興味深く、
どんどん引き込まれている読み応えのある作品であるが
その中で佃社長とそれを取り巻く人間模様にも面白みがある。
文中に出てくる、「佃品質。佃プライド。」という文字と
その言葉にかける若手社員の葛藤の心模様とその変化が
今の僕にアンチテーゼの形をとって問いかけてきた。
ある人の唄の中で、
「向かい風をうまくつかめないときも、くやしくないならそれまで。」という歌詞があった。
僕が今置かれている状況。
blogで紛いなりにも自分の主張をしてきた事について、
真っ向から否定する反論がきたとき、それに反論できなかった自分の未熟さ。
好きな人がいても彼女の望む希望を一つでも叶えてあげられない自分へのくやしさ。
あるいは、
こんな僕にでさえ可能性を感じ時には叱り、励まし支えてくださる方々に
何も堪えられていないくやしさ。
仕事もせずに親に甘え罵倒されても一歩も前に進んでいない怠惰な自分に対する怒り。
そういう思いがフツフツと僕の心にわき上がってきた。
この本の中で彼らが持っている一社会人としてのプライド。
僕は今までプライドという言葉に悲観的な意味合いしか見つけられていなかったが
人が人として生きるためには、向上心としてのプライドは必要不可欠なのではないのかと思った。
鼻からプライドという言葉に嫌味の姿勢を持っていた僕にとって、
この本で描かれている向上心としてのプライドは僕にもあるだろうかと思いに至る。
こんな未熟な真っ当な生き方をしてこなかった自分に
諦めの姿勢ではなく、なんと可能性を信じて期待して下さる方々がいるという現実。
僕はその期待にどんな形でもいいから答えたい。
そう思った。
今僕にできる事などそうはないかもしれない。
それでも尚、今の自分より、あるいは一年前の自分に恥じないような生き方がしたい。
どんな難がこれから先、前に立ちはだかったとしても、
七転び八起きでもいいから前に一歩でも進みたい。
そんな事を思わせてくれたのがこの「下町ロケット」だった。
そんなこの本を読者の皆様にオススメしたい。
多分これを読むことで現社会に生きる一人一人の上に
何かしらのアンチテーゼと可能性の種を植え付けてくれるはずだから。
今回も舌足らずなこの記事を最後まで読んで頂きありがとうございました。
まだまだ未熟者ではありますが、
皆様の期待に答えられるよう日々精進していこうと思っていますので
これからもよろしくお願い致します。