残念でならなかった。
以下、本書の感想を踏まえて気付いた点を挙げてみた。
1.❰なぜ、医師のいうことに反論できなかったか?❱
→家族は、「食べさせない方が安全」という言葉を鵜呑みにしてしまった。
ここが塩田さんのいう、トリックだ。医療側が「食べさせよう」と努力しているかしていないかの違いだ。リスクは回避すれば、回復が見込めるのか?それとも、誤嚥しても栄養状態が回復すれば感染を回避できると考えるかの違いだ。塩田さんの成功事例は、「食べさせる」を諦めなかったこと。食べさせるための食医、エキスパートを知っていたことが大きい。
2.❰一般の人はどのように情報収集するか?❱
→知り合いのクチコミ、インターネットなど。
3.❰最も信頼性の高い情報はどこか?❱
→医療機関からの紹介、地域連携のネットワーク
4.❰患者や家族が勉強し、情報の質を高める。❱
5.❰かかりつけ医が勉強し、よい情報を患者へ届ける❱
6.❰地域多職種連携を円滑にする❱
かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師、かかりつけリハ、情報交換し、ネットワークを迅速にする。
歯科医は口腔という体の一部を詳しく診ている。歯だけを診ている訳ではない。口腔機能全体の改善を目指す仕事であり、食べるための支援をする分野であること。医師、薬剤師、栄養士とチームを組み進めるキーパーソンとも言える。我々歯科医は多角的に情報を集め、食支援のサポートをし、学習をしなければならない。
印象的な言葉がまだあった。
3つのフレイル(虚弱)の予防が「食べる力」を維持していくには必要だということ。以下本書より抜粋。
①身体(フィジカルフレイル)
②社会性(ソーシャルフレイル)
③精神心理(メンタルフレイル)
益々、多職種の勉強会は必要ではないか。
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