なかなかブログ更新できずに申し訳ありません。
前回の大腸がんについて 大腸内視鏡検査についての続編
です。
私が考える理想的な大腸内視鏡検査は
①苦痛が少ない、楽な検査
②見落としのない観察力
③確かな診断力と判断力
これらがすべてそろっていることです。
大腸内視鏡検査では肛門からスコープを、進めていきます。グネグネしたS状結腸やだらりとした横行結腸などを越えて最終的には右下腹部の盲腸までカメラを進めなければいけません。腸の長さや曲がり角の形態など人によって千差万別です。
検査は、肛門から盲腸まで到達するまでの”挿入”と、そこから直腸、盲腸まで戻ってくる際の”観察”に分けられます。
①検査が苦痛が少ない、楽であるかは、いかにスムーズに時間をかけずに、またやさしく挿入を終えるかが大きなポイントです。ここで、時間がかかったり、かといって焦って強引に挿入していくと、患者さんに苦痛を与えることになります。
このあたりは、内視鏡医の技量によるところが大きいところです。ただし、苦痛に関しては鎮静剤によって、内視鏡医の技量をカバーできることもあります。
①は大切なことではありますが、内視鏡医を名乗るのであれば当然のことで、②や③がさらに重要だと考えます。
大腸は長い管腔(筒状の)臓器で、しかも、曲がり角が多く、観察する際ブラインド(盲点)がでてきやすくなります。スコープを抜きながら観察するのですが、曲がり角でするっと抜けてしまうことは多々あり、そうすると抜けた距離は観察していないことになります。
また大腸はひだが発達しているため、ひだの裏に平らなポリープがあった場合なども見落とす可能性があります。
ひだの裏までしっかり、また曲がり角では特に注意して、スコープが抜けてしまったら抜けたところまで再度挿入して、見落としがないようにじっくり観察できるかが特に重要です。
当然、観察困難な部位がある場合もありますが、いかに見落としを少なくするか、注意を払わなければいけないと思います。
また、平坦で正常粘膜と区別がつきにくい腫瘍が存在することを理解しておく必要があります。そういうポリープ(があるということを)を意識しながら観察しないと、見落とすことがあります。
当然患者様は検査してポリープやがんが見つからなければ、異常なかったと安心されます。
実際は「見つからなかった」と「異常なかった」は全く別物といえます。
観察時に大きな病変を見落としてしまった場合、その患者様が数年検査を受けられなかったら進行がんになってしまうことがあり得るのです。
私も大学病院や関連病院に在籍しているときは、後輩の先生たちに”観察”こそが、むつかしくかつ重要であると指導してきました。
私は、挿入は早く、観察はじっくりとをモットーに
挿入5分(以内)、観察15分を目安に日々検査しています。
③はいざ病変を発見したときに、内視鏡切除可能なものか、可能であればどの手技で行うか、日帰り手術できるか、入院したほうが望ましいか、などを的確に判断できるかです。
早期がんでもすこし深めのものは内視鏡治療してはいけないものもあります。大腸の壁は非常に薄いので無理に治療を行うと腸の壁に穴が開いてしまうことがあるからです。
また、血管が豊富な腫瘍は出血のリスクがあるため、前もってそれを予測できることと、そのうえで工夫して切除し、出血をしたときは確実に内視鏡で止血する技量を持っていることが必要です。
大腸内視鏡検査は挿入も難しいのですが、挿入さえできれば、楽に検査ができればいいのではなく、上記述べたことがもっと重要です。①②③これがそろって初めていい大腸検査といえます。私は20数年間このことを念頭に1万件以上の大腸検査をしてきました。これからも、大腸がんの予防・早期発見のため頑張っていきたいと考えます。
http://www.t-shimomura-clinic.jp/
伏見区の内視鏡専門医のつぶやきでした。
