【本】今日の一冊…佐々淳行『連合赤軍「あさま山荘」事件』 | クズレコハンター下手のパンダはただ今授業中~ロックと映画とアイドルと…~

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こんばん優☆ & こんばんポノック♪




山本直樹のマンガ、『レッド』の副読本として買ってみた一冊。

いつもの様に通勤電車の中でチビチビ読み進めて、昨日やっと読み終わりました。


連合赤軍の側から描かれている『レッド』とは反対に、こちらはあさま
山荘事件を警察の側から描いたもので、これがなかなかに面白かった。



実は最初あんまり読む気がしなかったんです。

どうせ連合赤軍を凶悪犯罪者扱いして、権力の正義を振りかざした様な内容なんだろうと思って。


ところが、実際に読んでみるとちょっと違ってた。



筆者を始めあさま山荘事件に携わった人々は皆、必ずしも
権力を“振りかざして”いたわけではなかったんだなと。

人質を救出して、事件を無事に終結させるという、警察として
ただただ当然の義務に基づいて行動したに過ぎないんだなと。


それに本書の冒頭の約三分の一を占める、あさま山荘に行き着くまでの
連合赤軍との攻防戦を読むと、彼らに対して憎悪の念を抱くのも納得。

いくら革命の名の下に為されたことでも、やってることは結局ただの犯罪行為。
しかもそれによって同僚や何の罪もない人にまで被害が及んでいたわけだから。



それはそれとして、この本の最大の面白さは、あさま山荘という難攻不落の城をいかにして
落とすか、実際に作戦の中心にいた者ならではの詳細な描写で書かれていることだと思う。

しかもその筆致が江戸っ子的というかチャキチャキと歯切れが
良く、まるで捕物帖でも読んでいるかの様な気にさせられる。


何しろそれまで誰も経験したことのない一大作戦。全てがスムーズに
進むわけもなく、時には笑うに笑えないアクシデントが起こったり。

そういったエピソードも、変にシリアスになり過ぎずに
サラリと描かれていて、単純に読み物としても面白い。



しかしそれも、最終決戦になるとガラリと様相を変えるわけで…

負傷者に加え殉職者まで出してしまったことへの自戒と怒り、それでも作戦完遂のため、己の
感情を圧し殺して任務を全うせねばならない葛藤、そういった感情がビシビシ伝わって来る。


テレビで映像を見るだけでは絶対に分からない現場の空気に
圧倒されたし、改めて歴史的な大事件だったんだなと痛感。



『レッド』の方は最新刊が出ましたが、相変わらず延々と続く
総括リンチに読んでて何とも言えないイヤ~な気持ちになる。

これが実際に行われていたんだからなぁ…全くもって集団の倫理とは恐ろしい。


この調子で行くと、あさま山荘まで辿り着くにはまだまだ
時間かかりそう。いったい完結するのはいつになるやら。



さて、明日はホリスペのために渋谷へ。

行こうか止めようか迷ったんですが、今日のライブも回避しちゃったし、やっぱり行くかなと。


では、今日はこの辺でおやすミサティ★