こんばん優☆ & こんばんポノック♪
昨日の夜テレビのチャンネルをあちこち変えていたら、NHKで手塚治虫の番組をやっていた。
既に番組も終盤に差し掛かる頃だったので少ししか見られなかったのが残念。再放送を激しく希望!
自分が見たのは、ちょうど手塚治虫が『ブラック・ジャック』を描き始めるエピソード
からで、作品紹介でブラック・ジャックの声を大塚明夫がやっていたのには感動。
手塚治虫というと、たいてい『鉄腕アトム』が中心に紹介されて、確かに素晴らしい
作品ではあるけれど、それだけでは手塚治虫の一面しか見ることが出来ないと思う。
『アトム』みたいな作品を表の顔とすると、裏の顔とでもいう様な、人間の汚ない面を
描いたドロドロした作品もあって、その両方があってこそ手塚治虫なんじゃないかと。
ちなみに個人的にはドロドロした手塚作品の方が圧倒的に好きです。
『奇子』とか『MW』とか、読んだ後でイヤーな気持ちになるヤツ。
番組の中の過去のインタビューで石ノ森章太郎が言っていた様に、手塚治虫という人は人間が
嫌いで、それでも人間を信じたい気持ちの両方を持ち合わせた人だったんじゃないかと思う。
だから、例えば『火の鳥』の様な作品でも諸手を上げて人間讃歌を謳う様なことはしていない。
そういった手塚治虫の二面性が最も分かりやすく表れているのが『ブラック・ジャック』だと思う。
ブラック・ジャックは医者という人の命を救う尊い仕事をしていながら、自分は
決してお天道様の下を大手を振って歩ける様な存在でないことを自覚している。
治療費として大金を吹っ掛けるのも、別に人間の命の大事さを理解させるためではなく、自分を
自分として保つためというか、自分は善人ではないと自分に言い聞かせるための様な気がする。
時には気分次第で金を取らずに手術したりもしますが、それもまたブラック・ジャック。
そういう面もブラック・ジャックを魅力的なキャラクターにしている一つの要素なんだと思う。
中学校の講演会で、生徒たちを前に命について語るのも手塚治虫。
ラジオで手塚ヒューマニズムと言われるのが耐えられないとボヤいてしまうのも手塚治虫。
その両面があるから手塚作品は面白い…んじゃないかなぁ。
手塚治虫について語ると長くなるので、この続きはまた改めて書きます。
ウチは父親が手塚マニアで、生まれた時から周りに手塚マンガの単行本が
ゴロゴロしていて、それこそ幼稚園の頃から手塚作品に接していたもので。
と言いつつ、そんなにたくさん読んでるわけでもないんですけどね…と一応言い訳。
では、今日はこの辺でおやすミサティ★
Now Playing…V.A.『ATOM KIDS TRIBUTE TO THE KING“O.T.”』
↑だから、実はこのアルバムも聞いてて嫌悪感を抱いてしまう瞬間があるんですよね…
まるで道徳の教科書みたいに手塚作品を持ち上げてて。もちろん曲はいいんですけど。