こんばん優☆ & こんばんポノック♪
金曜日、神保町の某書店で、いわゆるゾッキ本扱いで売られていた二冊(共に1600円のところ500円)。
日野日出志が80年代に単行本用に描き下ろした『地獄変』と『赤い蛇』の復刻本。
『地獄変』のカバー絵は非常階段のボックスセットのジャケットに
使用されていることもあり、一度読んでみたいと思っていました。
一応どちらもホラーと銘打ってはありますが、読んでみて、
ホラーというよりむしろファンタジーに近いように感じた。
ファンタジーと言っても『ハリー・ポッター』的なもの
ではなく、“幻想”とか“幻夢”とかそういった世界。
『地獄変』は自伝的な要素も含みつつ、徹頭徹尾“怒り”に満ち溢れた怪作。
この前タワレコで行われた非常階段とのトークショーで、自身が「何でこんなの描いたか
分からない」と言っていましたが、その時の精神状態が“描かせた”のではないかなと。
『赤い蛇』は“家族”や“家”をテーマに、こちらもやや自伝的な意味合いを感じさせる作品。
読んでて、誰も逃れられない“血”というものについて、深く考えさせられてしまった。
どちらの作品も、見方によっては完全にイカれてると受け取られても
仕方ない内容ですが、これぞ正しく日野日出志にしか描けない世界。
もしかしたら“エヴァ”にも影響与えてるかも?とにかく発想が凄まじ過ぎます!
ただ、今のご時世ではこういう本が書店に堂々と並べられるのは難しいだろうなぁ。
自分にしても、甥っ子や姪っ子には(少なくとも今のところは)読んで欲しくないもん。
表現方法は時代によって変化するから…70年代や80年代は、まだまだおおらかで自由な時代だった。
さてこの復刻本シリーズ、実はあともう一冊あるんですよね。
自分が見た時にはなかったな~。また神保町に行く機会があったら他の本屋も回ってみるか。
では、今日はこの辺でおやすミサティ★