こんばん優☆ & こんばんポノック♪
20年も前の小説を今ごろ読んでんじゃねーよ!なんて外野の声が聞こえてきそうですが…
じゃあ太宰治や芥川龍之介をこれから初めて読む人はどうなるんだよーと屁理屈で返しておく。
元々ホラーが苦手なこともあって、『リング』は日本版、
アメリカ版のそれぞれ一作目をテレビで見たきりでした。
2、3年前に「もう読まないからやるよ」と『リング』の
原作本をもらった時も、なかなか読む気にならなかった。
まぁ人からもらった本ってのは、概してなかなか読む気にならないもんですが。
とにかく、それからずーっと部屋に積みっ放しになってて、どうせ読まないんだから
もう捨てちまうかと思ったものの、いざ捨てるとなると今度はなんだか気が引ける。
じゃあせめて読んでから捨てようと、通勤電車の中で読み始めた。
すると…
最初の3、4ページほど読み進めた段階で、なんとも言えないイヤーな気持ちになってしまった。
心の中に変な汗をかくとでも言えばいいのか、読んでる間は
とにかく電車内で自分一人だけ周囲から隔絶されてる感じ。
だったら読まなきゃいいのに、何故かページをめくる手が止まらない。
結末を知っているにも関わらず、これからどうなるんだと気になって仕方ない。
主人公の奥さんと子供もビデオを見てしまうという展開がうまいよねー。
二人だけでもなんとか助かってくれって思っちゃうから。
最終的には誰もが知っている結末に行きつくわけですが、テレビの中から出てくる貞子
という描写は映画のオリジナルなんだと初めて知りました。
しかも意外や原作はホラーというよりサスペンスなんですね。
謎解きの面白さとでも言えばいいのか。
そこに都市伝説的な面白さやSF的な面白さが絡み合って、独特の世界観が作り上げられている。
読む前は自分も、解説にある通り文字で恐怖を表現することなんて出来ないと思っていました。
ところが…出来ちゃったんだなぁこれが。
それも生理的な恐怖というか、心にヌメリとまとわりつく恐怖。
読み終わってもしばらくは、心の底にドヨーンと何かが沈殿しているかのような気分が抜けなかったよ。
実は続編の『らせん』も一緒にもらってて、こっちは映画も
見てないので、少し時間を置いてから読もうと思ってます。
ひとまず今は心のリハビリ中。
そう言えば『DEATH NOTE』って、『リング』にインスパイアされてる部分がかなりあるのでは?