改めましてこんばん優☆
この間、姪が宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読んでいたんです。
へぇ~と思って感想を聞いたら
「よく分からない」
という感想が返って来ました。
そうしたら側にいた姪の母親、つまり私の妹にも
「あたしも昔読んだけど未だに意味が分かんない」
と言われてしまいなんか悲しくなってしまいました。
そういえば以前、知り合いの女性にも
「これ何度読んでもイミ全っ然分かんない!」
と半ばキレ気味に言われたこともあります。
なんでかな~…これ、すごくいい小説だと思うんだけど…。
…といいつつ、かくいう自分も小学4年生のときに初めて読んでの感想は
「何が何だかさっぱり分からない」
でした。
だから小学5年生の姪が分からないっていうのは理解できます。
むしろ小学生で『銀河鉄道の夜』を読んで
「いろいろ考えさせられました」
とか言ったら逆に気持ち悪い。
『銀河鉄道の夜』は、ますむらひろしが漫画化して劇場用アニメにもなってますよね。
確か中学生…いや、もう高校生になってたかなー…のとき
ますむらひろしファンの友人と一緒に浦和の小さい映画館に見に行った記憶があります。
でもこのときも正直何が言いたいのかさっぱり分かりませんでした。
25歳ぐらいのとき、きっかけは覚えてないんですが本屋で『銀河鉄道の夜』の
文庫本を手にして、もう一度ちゃんと読んでみるかと思い買ったんです。
それで行き帰りの通勤の電車の中で読んだんですけど…
なんというか、もうひどく感動してしまって、目から鱗が落ちるとはこういうことか!!と思いました。
感想を言葉にすると、どうしても陳腐な語彙の羅列になってしまうのですが、
例えば自己犠牲の精神(←ほら陳腐だ)についてとかいろいろ考えてしまいました。
この本は短編集なので他にもたくさんの話が収録されてるんですが、
私はやっぱり『銀河鉄道の夜』がいちばん好きです。
『セロ弾きのゴーシュ』も短いけど好きです。
松本零士がなぜ『銀河鉄道999』を描いたのかもやっと分かったような気がしました。
同じ“汽車が宇宙を飛ぶ”という題材でも“汽車”の意味するところはある意味正反対ですが。
今は分からなくてもいいから、いつかは姪にももう一度手にとって読み返して欲しいな、と思っています。