古地図にみる地名
世田谷区・下北沢とその周辺エリア その2
下北沢とその周辺地域を中心とした世田谷区の古い地図を参照できるリンクをお知らせしましたが、今回は、その中でも最も描画が精巧であると思われる絵図を話題にしてみます。
「目黒筋御場絵図」という絵図についてです。この絵図は、1800年頃の江戸時代の地図なんですが、かなり精巧かつ緻密に描画されており、現在でも、この地図を手がかりに散策が可能なほどの出来栄えです。
目的は、鷹狩を行うために幕府の御鷹場を示したものであるとされていますが、これ以外にも副次的な目的が加味されているため、周辺地域の状況を記す貴重な資料となっていたようです。御鷹場を記すだけであればこれほど詳細な情報を盛り込む必要もないのではと思われる為、副次目的のほうが実はより重要であったのではないかという見解は妥当ではないかと思われます。
その副次目的とは、幕府の領地管理だったようです。鷹狩を行う為にという主目的はある意味で名目とでもいうべきか、鷹狩を行うことで擬似軍事訓練を兼ねていた、あるいは、不審な動きがないかといった情報収集を行っていたなどとされています。そう考えると、それなりに精密な地図を作成する必要があることも納得できます。そう思えるほど詳細な絵図になっています。
この絵図そのものは、デジタルアーカイブで閲覧できますので大変に貴重な史料であるにも関わらず誰でも閲覧できるというメリットもあります。
上記のリンクから閲覧できます。現在の地図と異なり南北が逆さになっていますので、現在の地図と比べる場合には上限を逆にしないといけません。その状態(北を地図の上に向けた状態)で、北東方向の上側(北側)に駒場野の鷹場があります。
この鷹場から南西方向にかけて世田谷区があり、このエリアを拡大し、現在の道路や地名を当てはめた画像があります。
「古地図(目黒筋御場絵図)にみる世田谷区・下北沢を考える 」より該当記事にアクセスできます。こちらも、夏休みの宿題や自由研究のヒントになりそうな題材です。