【時代劇こぼれ話】七人の侍のこと

 

昨日は、七人の侍の公開までのエピソー

ドを、自分の記憶とネットで調べた情報

を使って書きました。

 

しかし、60台後半になったそれがしの

脳みそも、最近は少々タガが外れてきた

ようで、いくつか記憶があいまいな点が

ありました。

 

例えば、この映画に水戸黄門役を長らく

つとめた「東野英治郎」さんが出演して

いたのを記憶していたのですが、村人役

で出ていたと思ったのは記憶違い。実は

侍集めのシーンの中で、幼児を人質にし

て立てこもり事件を起こした盗人が東野

さんだったのです。

 

それがしの中では、農民役をしていた

卜全さんとごっちゃになっていたような

のです。いかんいかん、そろそろ認知度

危ういのかも???

 

さて、エピソードの続きです。

制作費がかさむ理由の一つは、黒澤監督

こだわりにありました。村の防衛線を

構築するにあたり、その域外に位置する

家は見捨てることになりました。しかし

長老は水車小屋から動こうとせず、つい

には野武士の手にかかり、小屋は全焼し

てしまいます。

 

このシーンを撮るためにセットが組まれ

ましたが、監督は燃え落ち方が気に入ら

ず2度も作り直させ、それでも駄目だと

して、三度目は撮影所内にセットを作り

撮影したそうです。

 

同じような話は「天国と地獄」という映

画でもあり、特急こだま号から身代金の

入ったカバンを川を渡る直前に投げ落と

すという場面で、監督は河川の堤防上に

あった小屋が映り込むのがどうしても嫌

で、ついにはその小屋を買い取り、破壊

してしまいました。これもまた、製作費

がかさむ理由となったそうであります。

 

それから、野武士の斥候3人が村の偵察

に来た時、2人までを倒し、1人を捕虜

にして、野武士の構成や武装について白

状させるという場面がありました。この

捕虜については、白状したのだから助命

することになっていましたが、野武士に

息子を殺された母親の老女が、鍬を持ち

この捕虜を殺害するという場面があった

そうです。

 

この老女役を、杉並区にあった高齢者施

設に入所していた女性が配役されました

が、素人の悲しさ、台詞が覚えられませ

ん。しかも、この女性の息子が空襲で死

んでいたことから「息子を殺したB29

が・・・」などと口走ってしまい、スタ

ッフを困らせたそうです。結局、これら

の台詞は女優が吹き替えをして、しのい

だとのことです。村人が集まる場面では

この施設の入所者である老女たちが一緒

に出演していたそうです。

 

ラストシーンを撮った場所は、大蔵団地

となっており、今では面影はありません

が、そうしたさまざまなこだわりがこの

映画を輝かせていたのでしょうね。

 

お読み頂き、有難うございましたm(_ _)m