身体 | 理学療法士養成校教員 下井ゼミ研究ノート

身体

ちょっと前からAmazonアプリの「ほしいものリスト」に入れていた一冊。

数学する身体/新潮社

¥1,728
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ゴールデン・ウィークで読んでみました。
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際立って異質の世界観。
それは「はじめに」の4行目から押し寄せてきます波

文中にもあるように「岡潔という存在に魅了され」た著者が、岡潔の数学観、科学観、そしてその思考を伝えようとした一冊。
しかし岡潔にはそう簡単には辿りつかせない。
古代ギリシャ発、デカルトとアラン・チューリング経由。
発想、発展と淘汰、統合と再興。
そうした数学の壮大な歴史を語りながら、しかもそれぞれの歴史的過程に没頭しすぎずに次第に岡潔に帰着させていく絶妙な構成。
考えてみれば、今まで数学史を読むことはあるにはありましたが

数学序説 (ちくま学芸文庫)/筑摩書房

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ここまでナラティブなものは初めて。
最後には、中等教育で抱きがちな

「こんな公式を覚えて何になる」

というプリミティブな問いへの答えが開けますドア

著者が東京大学理学部数学科に進む前に「文系の学部(同大文科二類:下井註)に所属してい」たこと、そしてそんな彼を数学の道に導いたのも岡潔の著作と出会ったことがきっかけだということは彼の作風に大きく影響しているのは間違いないと思います。

今年一番の出会いになるかもしれない、久しぶりに「読み遂げた」一冊。