意識 | 理学療法士養成校教員 下井ゼミ研究ノート

意識

マイクロソフト、人工知能による差別ツイートを謝罪

「ホロコーストはでっち上げ」とか、ありがちな差別発言をフィルタリングできず。

ユーザーと会話..........
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何度も同じようなことを思って、この日記にも書いていますが、人口の少ないところで生活するということは少し車で移動すると森の中を走り廻って
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すぐに温泉に浸かれたりと、いろいろと楽しいこともありますが、残念ながら異文化の積極機会を劇的に低下させるという面もあります。
例えば上野の東京都美術館で開催されている『若冲展』に行くのにも往復1万円ほどの移動費用が必要になりますがま口財布

読書についても同様。
いくらAmazonで家や職場に本を届けてもらえるようになったとはいえ、本の内容を見ずに買うのはなかなかの冒険メラメラ
なので、時々(比較級でも絶対的にも)都会に行くと、どうしても大きな書店に行き、Amazonアプリの「ほしいものリスト」を見ながら本を探して中身を確認したり、平積みにされている本を「見たく」なります。

このゴールデン・ウィークも宇都宮(県庁所在地であり、50万人という人口は10万人の市に居住する者からすれば十分に都会)に行き、主要な書店を2軒ほど廻りました。
どうしても読みたくなって購入した本が2・3冊あったのですが、うち『意識はいつ生まれるのか』に興味を持ったのは

意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論/亜紀書房

¥2,376
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授業で「高次脳機能障害学」を担当しているということもありますが、先日『生物学のすすめ』を読んだ直後という必然だったのかもしれません。

生物学のすすめ (ちくま学芸文庫)/筑摩書房

¥1,080
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表紙も花布(はなぎれ)もスピンも青で統一された綺麗な単行本。
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「読者のみなさんへ」というまえがきにも

「(前略)本書の切り口は学術論文色が薄く(説明注もなければ引用文献の注もない)、かなり個人的な色を帯びている。」

とあるように、「統合情報理論」による「意識」を解説した一般書。
神経生理学者と精神科医、しかも『Science』や『Nature』誌に論文が掲載されるレベルの研究者が書いたとは思えない平易な、逆に前半は文学的な表現にも感じるほどの内容。
ただし、それは本書の特別な構成と、逆説的に著者の幅広い才能によるものかもしれません。
そんな構成のせいか、GW2日間で一気に読み切ってしまいました。

ただし専門的な部分、特に統合情報理論や「φ(ファイ)」についての解説は、直感的ではないせいか個人的にはちょっと難解むっ
さらにはコアなキーワードの1つ「情報」や「基盤」といった専門用語について、最後まで操作的定義があいまいだった気がするのは下井の読解力のせいでしょうか。

残念ながら理学療法士の養成校レベルの「意識」に対する知識は、その評価方法の理解程度というのが正直なところ。
そこからさらに意識を理解するため、あるいは理解させるためのとば口としては最適の一冊かとグッド!