発表 | 理学療法士養成校教員 下井ゼミ研究ノート

発表

昨日11月3日は、祝日でしたが、大学院修士1年の研究報告会がありました。




今回は、下井は司会を任命されなかったため、いつもより楽な気分で参加させていただきました。

もちろん院生本人は、研究の進捗状況をまとめ、さらにそれを他の人が聞いても分かりやすいようなプレゼンテーションにまとめ、発表しなければならないので、大変です。

でも、司会も大変なんです。
まず、担当するだいたい8つ程度の研究について、発表に先だって抄録を読まなくてはいけません。
さらに、読むだけではなく、内容を吟味して、適切に指導を加えなければ行けません。

今日、福祉援助工学の田中繁先生が、次のようなことをおっしゃっていました。

「(研究を続けて)1年後に、研究が間違った方向に行かないよう、(修士1年の)今のうちに指導しなければいけない」

まさに、その通りです。
修士1年には、2年間の修士課程全体の大局を見通した指導をしなければいけないのです。


しかも5分間という、決して長くない質疑応答時間内で。

さらに答えるのが修士1年ですから、質問を適切に理解し、簡潔に答えられるとは限りません。
それを見越して、限りなく平易な表現で、研究意欲を削がないように、優しく指導、質問しなくてはいけません。
(なんでこんなに気をつかわなくちゃいけないのだろう。)

さらに司会は、こうしたやりとりで、質疑応答時間が長引いてしまっても、決められた時間内にセッションを終わらさなければいけません。

「司会の進行の不手際で、決められた時間を超過してしまいましてすみません」

と謝罪しても、多くの人は


「ホントに」


としか思っていないのです。

どうですか、発表するよりもシンドイのです、司会。

もしも仮に、九州地方の偉い先生に

「君の研究方法は間違っていると僕は思うが、君はどう思うか?」

というような、二の句が継げないような秒殺的な質問をされても、発表者は司会の苦労を思って、長い言い訳で短い質疑応答時間を削ってはいけません。

笑顔で、
「私も間違っていると思います」
と答えればいいのです。

あぁ、よかった、発表でも司会でもなくて。