こんにちは、みなさんお元気ですか?

秋です。秋といえば食欲の秋、そして芸術の秋。みなさんはこの秋、芸術に触れ、美味しいものを食べていらっしゃいますか?

さて、わたくし臣(しん)は先週末、中央区銀座にある新橋演舞場で「芸術祭十月花形歌舞伎・當世流小栗判官」を観てまいりました。

東京メトロ日比谷線の東銀座駅から徒歩5分、こちらが新橋演舞場です↓

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説教節や人形浄瑠璃、歌舞伎などの題材として中世以降に広く伝承されてきた小栗判官の物語。実はわたくし臣(しん)が住む茨城県筑西市は、小栗判官のモデルとなった小栗氏発祥の地なのです。

小栗氏は常陸国小栗御厨(現在の筑西市)を本拠とする一族でした。
「鎌倉大草紙(かまくらおおぞうし)」という書物によると小栗氏は、15世紀半ばに鎌倉公方・足利持氏に攻められ居城の小栗城が陥落、城主の小栗満重は三河へ落ちて行ったと伝えられています。
やがてこの小栗氏滅亡の事実をもとに説教節「をぐりの判官」が語られるようになり、江戸時代には浄瑠璃の小栗物が誕生、その後近松門左衛門の「當流小栗判官」(1697年)、文耕堂らの「小栗判官車街道」(1738年)など人形芝居などに引き継がれます。
寛文年間から盛んとなった歌舞伎における小栗物は、元禄期には「小栗十二段」、幕末には「世界花小栗外伝」と、明治期の「春鬼驪(はるのこま)小栗外伝」に至るまで続きました。
その後上演は大きく減りましたが、昭和49年、大阪朝日座で80年ぶりに復活上演されたのを契機とし、昭和58年「当世流小栗判官」が市川猿之助によって演じられ現在に至るそうです。

さて、では場内に入ってみましょう↓

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さすがは歌舞伎公演ですね。
女性、それも和服姿の上品なお客さんが目立ちました。

午後4時30分からの序幕第一場で始まった公演は、途中2回の休憩(幕間)をはさみ、ラストの三幕目第五場が8時40分で終了。
ストーリーは、わたくし臣(しん)が知っている説教節とはだいぶ違いました。
上演中は写真撮影禁止なので、購入した筋書(パンフレット)から↓

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下館薪能や明野薪能で能や狂言は何度も観たことがある わたくし臣(しん)ですが、歌舞伎は初体験。
舞台上での役者の一挙手一投足が全て定められている能と違い、途中で中村獅童さんが「細マッチョの歌」で踊りだしたりと、歌舞伎はもう少し自由というか現代の芝居に近い気がしました。
中世の幽玄美を表現する能に対し、江戸の華やかさやユーモアを散りばめた歌舞伎、といったところでしょうか?

幕間には、10月公演限定「秋の彩り弁当」(1,800円)で夕食↓

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お土産も買いました↓

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家に着いてから気がついたのですが、実は画像右上に写っている「協和銘菓 大粒栗 小栗判官」と「協和銘菓 照手姫」、筑西市の和菓子屋さん「岡埜栄泉」の商品でした。
もちろん、とっても美味しゅうございました。

なお筑西市では毎年12月、小栗判官伝説を武者行列で再現する小栗判官まつりが行なわれています。
お近くの方は、ぜひご来場ください。


というわけで、「當世流小栗判官」のご紹介でした。


■芸術祭十月花形歌舞伎 當世流小栗判官
期日 平成23年10月2日(日)~26日(水)猿之助四十八撰の内
出演 市川亀次郎 片岡愛之助 中村獅童 市川右近 市川笑也 市川猿弥 市川笑三郎 市川春猿 坂東竹三郎 市川段四郎(体調不良のため途中休演)ほか