そしてゲームセンターを後にし


「受け渡すものがある」とのことで


いったん駅で


パパスのお母さんこと、ひろちゃんと合流。


ひろちゃんと会った瞬間に


「あれ、ひろちゃん、痩せた?」


とヤスピスが言い


「そうなのよ」


「だよね!!てか急激に痩せすぎじゃない?どうしたの?大丈夫?」


そのやりとりを見ていて


たしかに・・・!顎のラインが超シャープになってる・・・!


と私も気付いたけど


ヤスピスは、


やっぱり凄いと思った


だてにチャラ男じゃない。


というか、いつも思うけど


ヤスピスは人の変化に、すごく敏感で、


気が付くレベルが


すごい。


ちょっと元気が無いのも


ちょっと体重が減ったのも


たとえばアイシャドウの色も、もちろん気が付くし


たとえば下田家では、自分からこうなのだと言っても、「え?そうなの?どこが」となってしまうような


些細過ぎる変化


ちょっとのことを


当たり前みたいに、「あれ?」って気付く


だてに、チャラくないねえ。




それで


ひろちゃんにパパスが何かを渡して(鍵かな?)


そこでいったんひろちゃんとはバイバイして


みんなで、晩御飯の買い出しへ。


今宵のメニューは手巻きずし。




お目当てのお魚屋さんがまさかのお休みで


撃沈し


お腹も空いてイライラしてきたところで


とりあえず


パック売りのコロッケとつくねを買って


道端で


じゃんけんをして


食べ


なんとなく復活して


スーパーへ。





たくちゃんが


トゥートゥーと何か歌っていて


知っている曲のような気がして


「それ何?」


と聞いたら


「・・・


サザエさん」



お魚くわえたどら猫、ではなく


まさかの、劇中に流れているインスト曲(効果音に近いノリのやつ)だった。



なんという選曲・・


と思いつつ


鼻歌に加わって


一緒に歌いはじめたところ


1フレーズから先が二人ともわからないことが発覚し


あれ・・・この続きなんだっけ・・・


となり


ダイチャンに聞くと


すぐに、「なに、サザエさん?ああ、それ。それはこうだよ」と


歌ってくれて


おおお!!!となった。



スッキリした双子が


トゥートゥー歌いまくっていると


それを耳にしたヤスピスが


即座に


「あ、それ、サザエさん?」


と言ってきて


けっこう驚いた。



お魚くわえたどら猫、のやつとか


エンディングのやつとか、ならわかるけど


劇中曲(歌無し、ほぼ効果音)を


この鼻歌で


すぐに、サザエさんと判断するなんて。


どれだけサザエさんを見ているのだろう。




そして


鼻歌にヤスピスも加わり


三人で歌う。


合間に


「この曲が流れる時って、太陽からの家が映って、このフレーズあたりで


茶の間が映って、波平だよね」


「それで『おいサザエ』って言うよね」


「おいサザエ(波平のモノマネ)」


「なあにお父さん」


「カツオ!いい加減にせい!何度言ったらわかるんだ」


「サザエでございます」


「ママ~”#$%&なんですぅ」


という会話を交わす。




なにか


温かい汁物を作ろう(作ってもらおう、チサトちゃんに)


ということになり


メニューは


豚汁に決まると


ヤスピスが


「豚汁には、絶対にニンニクが入っている」


と言いだし


みんなが「それは無い」と全否定し


「絶対入ってるし、美味しいし、いれようよ」



ヤスピスはかなり頑張っていたけれど


ありえない、やだ、まずそう、と


結局、却下されて


「絶対美味しいのに・・・ていうか絶対入ってるのに・・・」


「うちの豚汁おかしいのかな・・」


しゅんとしていた。


私はニンニク×お味噌汁自体は


味噌ラーメンの感じのような気もして


とても美味しそうで良いと思ったんだけど


残念だったね。


でも話を聞いていると


「豚肉の量、それ、全然少なくない?うちのもっと全然肉いっぱいだよ!」


「ニラは?豚汁にはニラでしょ!」


ヤスピスの家の豚汁は


だいぶスタミナ系っぽい


感じがした。


美味しそう。




手巻きの具材として


たくちゃんが、


やたらと


あじを食べたがり


でもあじはお刺身になって売っているものが無くて


誰もさばけないから駄目だとなり


しゅんとしていたけど


チサトちゃんが


「あたし、さばけるよ」


と言い


たくちゃんは狂喜乱舞し


嬉しそうにカゴに6尾も入れていたけど


今思うと


結局あじは、食卓には並んでいなかった。


(さばくのには時間が足りなかった様子)




そのあと


お酒などもカートいっぱいに買い


パパスがお会計をしている間に


私はたくちゃんと


飛び馬の練習をし


「そこはケースにぶつかる、危ないからこっちでやりなさい」



ヤスピスとダイチャンに誘導され


広いところで


飛び馬をしたけれど


うまくいかず、たくちゃんのお尻を蹴り上げ


私も脚もたくちゃんのお尻も結構痛くて


たくちゃんは水着が脱げていた。



そのあと


アルプス一万尺を


やろうとしたけど


たくちゃんがアルプス一万尺の振り付けを知らないことが発覚し


本人も覚えたい気持ちはある


ようだったので


猛特訓をしたけれど


最後の動きがどうしても前後してしまうクセがついてしまって


大苦戦し


悔しがっては


もう一回、と言っていて

(学習意欲に欠ける人なのに珍しい)


何度も教えて


せっせーのよいよいよいして、何度もやったけど


たぶん一回くらいしか成功しなかった


そうこうしているうちに


スーパーでのやるべきことが、パパスたちにより終わり


パパスから全員に配布される切符を受け取り


電車に乗って、おうちへ向かった。




つづく