佐賀県議会からの派遣で地方議会活性化シンポジウム2023に参加しました。




基調講演では、社会的ジレンマの話し。総論賛成・各論反対。よくある話しですが、選挙という進退がはっきりする議員自らが、地域のために自ら議会改革にとら組むことについて。非常に示唆に富む問題提起でした。


第2部では、全国の議会活性化の事例について。

今ある制度の中でどのように知恵を出していくのか。「地域」ではなくて「住民」の代表として、今後の議員や議会のあり方についてこちらも多くのご示唆をいただきました。


夜は官僚の方にお時間をいただき勉強会。



(以下、講演メモ)

民主主義には、社会的ジレンマ、総論賛成・各論反対が元々備わっている。


経済成長と二酸化炭素。


給食費の未払い問題。払わなくても食べさせてくれるだろう。


民主主義も。主権者として権利はある。ただ、自分だけサボっても大丈夫だろう。みんながサボっていると劣化する。


議会自体に改革を求めること自体もジレンマ。ライバルを増やすだけだから。選挙の競争性が増す。個別利益と集合利益のジレンマ。


自分ごととして捉えたくない。


民主主義を活性化するということは、個別にはジレンマを生ずる。


まだ人類は解決出来ていない。

グラミン銀行。マイクロクレジット。ネットワークで繋ぐことで借り倒しを許さない。連結させる。


投票率活性化の研究会では、かつてみんな選挙に行っていた。立会人が知り合いだから。個別利益。行かないと世間体が悪い。


最近は投票所が減っている。人が来ないから。

そうすると行きたい人にとってはもっと不便になる。個別不利益。


個別利益もないと人は動かない。貢献すると良いことがあって、貢献しないと悪いことが起きる。


投票行ったら地域通貨コインがもらえる。


議員は個別利益を越えた集合利益に価値を見出している?

議員やってて個人的利益がなかったら、どこまでやるか?

地域のため、国のためという大義名分を子供にも言うが。こども議会で決まったことに実際に予算を与える、という動きもある。個別利益と集合利益がセットになると前向きなものに繋がる。




q議員定数を減らす議論はあるが、

議員一人当たりの人口は増えることになる議員が遠い存在になっているのでは?また、ライバルを増やすことになることについては?


a目安としては1000人に1人。議会費は町の予算。議会活動しないと選挙活動ばかりしている人。身近な存在にならない点については、かつては地域の代表としてでていた。今は住民の代表という感覚でやっている。身近な存在にならないということで、できるだけ議会報告会や各団体との会議、パブリックコメント聞いてやっている。できるだけ住民との隔たりを減らすように。


q政治塾に女性参加者が増えるには?

a19人中2人町内は1人だった。議会のモニター制度がある。モニターに、なんとなく議会に出てくれそうな人を選んでいる。18人いる。いろんな議会を見てもらって、議会の敷居が高いと思われないように。だだ、「議員に出てほしい」と伝えるとモニターを辞める傾向。田舎なので女性は出たがらない傾向。現状難しい実情。



q群馬県議会。傍聴は一般質問の場であり、議決の場はないようだ。また、群馬県議会は全て可決。結論ありきの議論?ここの議論を見せないのか?


a是々非々で活動をしている。群馬県議会は5033名が自民。議会の前に各地域からの要望受けて、執行部に要望すること等が影響していることもあると思う。時には付帯決議をつける。


q御殿場市議会。市議会政治塾の参加者の内訳について。また、来年2月に選挙があるが、手応えは?明治大学とのパートナーシップ協定があったが、地方議会が大学に求めることとは?


a政治塾な構成、合計17名。現職議員が後継者含めて募る形など声をかけられる範囲で。氏名と住所。20代〜60代だった。女性は数名。来年の選挙にはこの塾からも出る。ただ、過去2回の募集では、「立候補」を色濃く出したのは反省点。政治のことを学びませんか?ということで考えないとなと。

パートナーシップ協定については、一番は議員定数条例などアドバイスを受けている。政治倫理条例.報酬減額、BCPなど。

これからも議員提案で条例提案を行いたいと考えてあるが、他市町の状況など、専門的な知見からアドバイスをいただきたい。

特に執行権ある執行部は強い。政策提案しないといけないとわかっているが、議員間討論を重ねないといけない。それなりの議会として勉強していかないといけないと痛切に感じている。


q女性議員。補選立候補で特に大変だったこととは?また、男性配偶者の理解をどうやったら得られるのか?

議員活動と仕事、家事育児との両立について。これは女性だけではなく、男性議員も考えること。また兼業議員の場合仕事と議員活動の両立をどうすべきか?いつ時間を作って市民相談を受けているのか?


a選挙のイロハがわからない。そういう情報がない。25日の準備期間だった。家族の支援については、最大のハードルは家族の理解と思う。地方では女性が、嫁が立候補することへの理解が少ない。根本的には解決するのは難しいだろうが、普段から子供や地域の将来話し合うことが一番大切かなと。自分の場合は夫が全面的に協力してくれた。夫の理解と子供からの理解。


仕事や家事育児との両立については、1人では解決できない。街をよくしてほしいという思いが会社の人が強い、家族も生活ががらっと変わる。様々な人に助けてもらった。


住民の意見聞く時間は、色んな場面でもらう。送迎、学校、買い物、子供からなど。生活の関わりの中から意見をいただく。



q議会は住民にとってどういった関係であるべきなのか?住民の代表ということをどのように考えるべきか?

議会事務局の役割について。


a議員は多様な人の代表。属性、年齢などに偏りがある。主権者教育の必要性。



まとめ

・若い人へのアプローチをどうするか、というヒントが多かった。


・なりて不足は田舎にとって重要。

・属性に絞ったところに飛び込んでいくことは大切だなと。

・「かつては地域の代表。いまは住民の代表」という言葉は印象的。議員のスタンスが変わるだろう。



総括

多様な人材で議会を活性化させるか。投票率、無投票、属性。

どこから取り組んで良いのか?

どうしても制度をかえるという話になるが、どう変えるかという話になる。今の仕組みの中でも出来ることが意外とあるのではないか。

工夫のしどころ、アイデアをいただけた。


制度を変えることとは違って地道な活動なので時間はかかるが成果は出てきている。どういった形で全国に広がるのか?