泉大津市視察報告書

 

〇視察メンバー:下田寛

〇日程:201564日(木)~65日(金)

〇研修場所:大阪府泉大津市

      ・泉大津市議会議員 南出賢一事務所

      ・北助松商店街

〇研修内容:・ボトムアップのまちづくりについて

      ・人材育成について

 

65日(金)

630~ 堺魚市場の視察と朝食

900~ 助松公園の取組について

1030~ 北助松商店街にて、商店主による講話・昼食

1300~ 終了

 

〇研修スケジュール

64日(木)

1600~ 松南志塾の概要説明

1930~ 地元高校生による体験談

2100~ 夕食と食育の講義

2300~ 徹底討論会

 

◎視察の目的

 今回、泉大津市議会議員の南出賢一議員が取り組んでいる、地元商店街の活性化に向けた活動を視察した。南出議員は、大学生を中心とした若者や、地元商店街や自治会の人達を巻き込んだ形で、地元の活性化に大きな貢献をされている。その取組を学ぶことで、今後の鳥栖市に生かすために今回の視察を行った。

 

◎報告事項

〇松南志塾の取組

 南出事務所では、私同様、大学生のインターンシップを行っている。4か月の研修期間において、地方議員の仕事や、まちづくりなどに直接参加することを通して、政治・経済そして地域の課題を体感し、その解決に向けて取り組んでいる。また、「松南志塾」という名称は、南出事務所での研修とその取組の総称として、そこに集われている方々が名づけていただいたとのこと。その取組を一部紹介する。

 



・「原点・大局・本氣・徹底」(略して「原大本徹」)
これは、自分自身と徹底的に向き合うことで、自分自身の存在や将来の役割を見出していく作業である。

今回の視察では、夜23時から この「原大本徹」の徹底討論に参加させていただいた。現役インターン生の発表からインターン卒業生や、地元商店街の方々も参加し、朝4時まで続いた。
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 私も採用している手法ではあるが、私はインターン期間は2か月であり、率直に練り込み方が南出事務所の方が深い。また、インターン卒業生の参加だけではなく、地域の方々まで参加していることが凄い。そして、徹底討論の深さは、信頼関係の深さでもある。ここまでチームをつくり上げるのは、かなりの道のりだったと思われる。

 



・商店街や地域での取り組み

 南出事務所の学生が中心となって、地元の助松公園を会場に、「キャンドルナイト」イベントを開催している。この公園は当時閑散として近寄りがたい公園だったそうだが、開催と共に、公園の整備を自分たちや地域の方々が中心で行い、昨年で3目のイベント開催では、のべ4000名ほどの方々が来場されたとの事。また、この取組が泉大津市内に広がっているというから凄い。

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 そして、このイベントでの記念写真を、地元の北助松商店街の空き店舗に展示し、そこでもイベントを行うという仕掛けを行っている。商店街や地域の人達が、学生をはじめ、若者たちとの交流を通して、地域のイベントとして定着しつつあるとの事だった。

 

・寺子屋の開催






 中学生高校生を対象に、松南志塾の学生が勉強          
を教える傍ら、論語の素読や原大本徹の研修を行っている。
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1930から受講している高校生の一人が来て下さった。漠然とした進学などの夢ではなく、志が明確であり、芯がしっかりしており、確実に人が育っている。

 

○食育の講義

 「串処 千代菊」にて夕食。店主の松下智明氏は、松下食育農業塾を主宰され、小学生を対象に食育の実践と座学を行っている。

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『「いただきます」という言葉には、人間のエゴが含まれている。単なる感謝ではなく、平和に過ごしていた生物の生活を侵害していることを、人間が正当化する為の言葉であり、食すもの達に対して、深く敬意を払わなければならない。』という趣旨のことを言われた。

 

○堺魚市場について

 泉大津市から車で移動し、堺の魚市場に行き朝食を食べた。貝を床に投げ捨てて食べるのが特徴で、こういった名物となる場所を、鳥栖でもどん

どんアピールしてブランド化していかなければならない。続けることが大事。

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○助松公園での取り組みについて





 3年前、イベントを行う以前は、木が多すぎて暗く、雑草も茂り、人が寄り付くような場所ではなかったとの事。泉大津市としても、市内の公園
整備を再点検し、整備を始めた時期でもあるそうだ。
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 取り掛かりとして、松南志塾の学生を中心に「キャンドルナイト」イベントを仕掛けた。そのイベント開催の過程で、地元の山の干ばつ木材を活用して手作りのベンチとイスの作成を地元の方々と行ったとの事。

 

 また、このイベントをきっかけに、地元の主婦の方々が中心となって、休日のバザーが開催されるようになったとの事。

 さらには、地元の方から寄贈されたバラを公園の入り口に移植し、地域の方々がお世話をするようになったとの事。

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○北助松商店街での取り組みについて

 商店街では、セブンイレブンの店主であり、商店街組合副会長でもある、的場一徳から講話。キャンドルナイトの記念写真を、空き店舗に掲示し、それをつくり上げるまでの過程を、商店街組合メンバーと松南志塾の若者と共有し、定期的な会合を持ちながら継続した商店街での取り組みを行っているとの事。

 ここでは、社会のルールを学生に教えたり、人生相談を行ったりなど、商店街の若手世代を中心に、親身な交流が行われていた。

 昼食を同じく商店街のピザ屋「フェリーチェ」でいただいた。ここの店主の寺前洋喜は、4日の徹底討論には最後までお付き合いされていた。

 商店街、地域と松南志塾がタッグを組んで、地域活性化に取り組んでいることが良くわかる。

 

◎感想

 「人材をどう育てるか」「人材をどう生かすか」「まちに対するビジョンをどう掲げるか」「具体的にどう実践を行うか」という点について、具体的な取組を目の当たりにさせていただき、イメージが湧いた。

 視察を踏まえ、鳥栖のことを考えてみると、鳥栖にはまちづくりを行う意識を持った人材は多くいる。しかし、その人達を先導する人達が少ないのではないか。「なんとかしたい」という思いの人は多いが、「なんとかするぞ」と動き出すまでの一歩をまずは先導しなければならない。

 次に、志について。組織団体に所属しているから活動を行うという人は多いただ、組織をやめても継続して何かの活動を自発的に行い、継続してこそまちづくりに繋がる。継続した活動を行うには、どうしても、組織・団体が行うから自分も動くという次元ではない、「自身の心が使命感を持って行う」という志が必要である。松南志塾の学生は、泉大津市に引っ越してまで町の為に活動しているメンバーもいる。「志」を育み、共有するまでとし込まなければならない

 そして、以上を踏まえた上で、地域の方々と、時間を共有しながら地域の将来を描いていかなければならない。