妻は手術室へ運ばれ、決定から約15分程で帝王切開が始まった。
私は分娩室から談話室へ移動、待たされることになったが、
分娩室内でのやりとりが頭から離れず、もう不安で不安で仕方なかった。
-心拍数がなかなか回復しない…
-母体音と連動し胎児心拍が確認できない…
でも他の応援医師達が日勤終了間際で院内に残っており、
すぐ駆けつけてくれたんだから、きっと大丈夫…大丈夫だろう。
そう思い込んだ頭の片隅では…
「低酸素」「脳へのダメージ」「障害」等の言葉が浮かんでいた。
そして手術開始から30分ほど経過。
保育器の中で人工呼吸されながら運ばれてくる息子。
「息子さんは頑張っています、後は任せて下さい」
視界の端でうっすらピンク色の肌を確認出来たことだけは覚えている…
「奥様も手術成功して今は全身麻酔のため眠っていますが、ご安心下さい」
と看護師からも説明を受け少しホッとした。
「脳へのダメージを少なくするため脳保護治療を3日間行います」
数時間後に小児科医からそう説明され、心の中が曇っていく…