鬼祭り大樹の6号を撮り、倉ヶ崎を後にした我々は一路南へ。鹿沼駅でもう一人を拾い、更に都内某所で3人目の便乗者を拾うために延々と下道を走りました。DL大樹の若松試運転でも乗ったアクアのハイブリッド車でケチケチ走ってガソリンを極限まで節約し、狭山市のイオンで夕食を挟みました。翌日の関ヶ原が雨(雪)予報のため、雨具を持って来なかった同行者は百均で雨合羽を買っていました。

 

2回目の甲種では1回目に被られた滋賀県内のエロ光リベンジを果たしたいとかねがね思っていたのですが、日本海側からの寒気にその願いは阻まれてしまいました。少し残念でしたが、前回とは異なるアングルで撮れるため撮影自体は行います。21時半に集合場所に到着して免許取得間もない彼にハンドルを託した後は、厚木から沼津まで高速課金して246号の渋滞を回避させ、その先はひたすら国道1号を爆走。その間は爆睡してました。

 

ふと意識が浮上した時、車は愛知県に入っていたようでした。何やら他の3人は慌てふためいた様子で会話を続けており、やがて私にも声がかかりました。

どうやら煽り運転か何かを受けており、十数キロにわたって走り屋っぽい車に追跡されているとの事。何で我々が?とさすがにびっくりしました。関わると面倒くさいから振り切って警察を呼ぶ他ないだろ、といって全速力で逃げを試みましたが信号に阻まれ追いつかれてしまいます。

万事休す。件の走り屋は我々の隣の車線に入り、窓を開けて何かを話しかけようとしています。

 

覚悟を決めてこちらも窓を開けると、曰く「ハイビームになってる」と。

 

運転手が減光し忘れていたのを指摘するために追いかけてきたようでした。それを伝えると走り屋は脇道に逸れていき、ドキドキカーチェイスは終了。わざわざそのために?!愛知の走り屋は怖いねぇ。ガソリンが少なくなっていたので名古屋の手前で給油し、1発目のショバに間に合わなくなるかもしれないので再び高速課金。そこで再び眠りに落ち、追っかけに備えて体を休ませました。

 

次に目が覚めた時、車は既に高速を降りて下道を走っているようでした。窓の外は、。これは雪の関ヶ原越えが撮れるのでは?!寝ぼけ眼はたちまち電車の顔つきになり、夜が明ける頃近江長岡駅の手前にある築堤に到着しました。

モノが近江長岡に着くのは7:45で、それまではまだ1時間程度ありました。ショバに先着していた鉄カーは2台で、意外と混んでないなという印象。鉄が増えるまでは車内で仮眠し、7時過ぎに霙が降りしきる外へ出て個人的ベストポジションに脚立を立てました。空から落ちてくる水は雨になったり雪になったり、それが風に吹かれて全身にたたきつけてくるので地獄です。すぐ車に戻って暖を取り、通過の20分前ぐらいからスタンバイしました。

風は線路と同じ南西から吹いてきて、カメラを構えていると水滴を浴びてしまう。通過の直前まで雲台を下げて耐えしのぎ、間もなく通過というタイミングで線路にレンズを向けました。分厚い雪雲の下で露出は上がらず、絞りを開放してISOを上げて対応。雨がボタ雪に代わり、EF210のヘッドライトが直線の彼方に見えました。駅が近いのでかなりゆっくり近づいて来ます。

 

 

後ろの木はギリギリ編成にかからず編成を乗せられました。寒いしびしょ濡れになるし、撤収する時ゲバを畳むのが一番しんどかった。

 

機材を車に積んで狭いスペースに乗り込んでいざ追っかけ開始、となるもメガネがない。運転は引き続き同行者に任せるとしても、このままでは帰れない。眼鏡等使用が運転条件だし色々とまずいです。車の中を探し回るも見つからず、ショバに落とした可能性がかなり高くなりました。しかし既に車は走り出し、モノが近江長岡に止まっている間に次のショバに行きたいので追っかけは続行するしかない。となれば2発目を撮ってから引き返してメガネを回収するしかありません。幸い次のショバはさほど遠くないし、その次のショバには大幅なリードをとって先行できるので時間はたっぷり余っています。

上空は分厚い雲に覆われて伊吹山は全く見えず、目指すは以前から気になっていた関ヶ原俯瞰。スパンが非常に短いためポジショニングとシャッタータイミングが重要で、最初のショバに戻ってメガネを拾う暇はありません。県境を越えて岐阜県に入り、脇道を通ってショバに着くと、先程にも増して激しい降雪でした。

道が狭く駐車場所も限られているため、少し離れた空間に車を置いてもらって脚立だけ先に立ち位置に担ぎ上げます。雪はやはり雨になったり霙になったりして上下に雨合羽を着ていても防御し切れないぐらい。先客は複数おりましたが理想的なアングルを組めるポジションは空いていたので全員分を抑えてひとまず車に戻り、一息休んだら構えます。

 

山の斜面に張り付くように作られた墓地の一角から大カーブを描く東海道線を見下ろす事が出来、うっすら積もった雪が辺り一面を白く染め上げ良い雰囲気でした。やがて大粒の雪が降るようになり、遠くの稜線が霞む頃にモノが現れました。

 

 

これはやばい。狙って撮れるものではない雪の関ヶ原越えを、地元の新型特急電車の甲種輸送で仕留める事が出来て感無量です。

その後近江長岡に戻って車を止めていた場所を探すと無事メガネを発見。大垣から高速道路に乗って、雲の下から抜け青空を拝めるようになったらパーキングエリアでバカ停して上着を乾燥させるなどしました。

この後はカナシマ、興津川橋梁と追っかけるも前回を上回る収穫はなく、東田子の浦のギラリも太陽高度が低く家の影が落ちるためパス。関ヶ原俯瞰が今回のハイライトとなりました。

 

沼津のサイゼリヤでお疲れ様会を開き、栃木組の二人は宇都宮まで直通する上野東京ラインに乗って帰っていきました。その後は再びガソリンを節約しながら関東を目指し、東名高速の渋滞に巻き込まれたりガス欠ギリギリの状態で予定の出口まで逃げ切ったりして最後の一人を前日の集合場所で突放。あとは私がワンマン運転で深夜の4号線を飛ばすだけ。時間が時間なだけに道路はガラ空きで、所要時間を大幅に短縮して0時半に実家へ帰還。車の中を空っぽにして翌朝レンタ屋に返すだけの状態で布団にバタンキューしました(なお翌朝寝坊して返却時間ギリギリになったのは言うまでもない)。