今、新潟・三越で「大江戸展」が開催中です。


このような催事の時は必ず出向きます。なぜなら「目黒・五十番」が来るからです。


しかし、僕の好きな「純正肉まん」は販売してないそうで…、

聞けば「純正肉まんは少し甘めの味付けで東京の人が好む味で、新潟ではウケがいまいち。」と言う理由で販売してないのだそうだ…。


きぃぃーーーーーーーーーー!くやしいぃーーーーーーーーー!





本日のテーマは「いぶりがっこ」です。


「いぶりがっこ」とは秋田県に伝わる燻して漬けた漬物のことです。

「燻り」と「がっこ(漬物の意、沢庵のことを「こうこう」という言い方が訛ってます。)」です。


「沢庵の燻製」と思っている方が多いですが、「沢庵の燻製」と「いぶりがっこ」は似て非なるものです。


沢庵を燻製にするのではなく、燻製した大根を漬物にするのです。

つまり、いぶりがっこは燻製処理が漬けるより先になります。

このことは秋田県も推奨しています。


冬、雪や雨で日照時間が短く、天候の悪い日本海側の気候では外で大根を干しても腐ってしまうため、屋内の囲炉裏の上で干していたらいつの間にか燻製されていた。というのがルーツではないか、とされています。


日本における伝統の燻製品というのはおそらくこの「いぶりがっこ」だけではないでしょうか?


鰹節は燻製品というよりは製造工程に乾燥させるため燻しているという解釈にならざるを得ません。


しかし、このいぶりがっこの仕込みの時期は10月の本格的な冬が来る前に行うらしく、現在1月なので若干の手遅れ感があります…


そこで、一般的な大根ではなく、「ミニ大根」を使ってミニマムに仕込みたいと思います。

これで屋内で特別な装置がなくてもいぶりがっこが作れます。

霜鳥のブログ 「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

こちらがミニ大根です。


大きさの比較の為、隣に五十番の野菜まんを置いてみました。

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これを燻製します。


スモークチップ(ブナ)を使います。

ブナは色づきが早く、淡い香りが特徴です。上品な燻製の仕上がりになり、味が淡白な魚介や野菜の燻製にむいています。

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庫内温度を90℃くらいに保ち、約10分燻します。このようなスモークチップを使った温燻は近隣の迷惑にならないように
注意しましょう。

ちなみに、仕込みをしていたらマジで火事と思われて、消防車がウチの店まできたことも過去にはありました。


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10分経ったら向きを変えて、再び庫内温度を保ち、更に10分燻します。


燻しが終わったらバット等に広げ、粗熱をとり、大根に軽く塩をして、しばらくおいておきます。


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ボウルにぬか床と米をあわせます。


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大根をタッパ等に並べ、ぬか床を敷いていきます。


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全てが入ったら、ぬかで表面を覆い、このまま冷蔵庫で数日寝かせます。


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何日間という決まりはありません。

いぶりがっことして出来上がったらご紹介したいと思います。