・ブルーリッジ。この艦は横須賀米軍ベースの顔と言っても良い船。だと思います。本艦はその膨大な情報処理能力を生かして第七艦隊の旗艦を勤めています。第七艦隊が演習や戦闘行動に出ていない限り、いつも横須賀軍港に碇を下ろしています。

・元々本艦は大戦中に使われていた商戦改造の揚陸指揮艦の後継として二隻が建造された一番艦です。艦自体は第一世代のヘリコプター搭載型揚陸艦イオージマ級をベースにしています。戦闘艦では無い為、推進能力は限定的。ただ電波障害をぎりぎりまで絞り切る為、障害物の無い空母型の艦形を持つ。

・本艦は早半世紀近く就役しています。艦番号を見る限り、ブルーリッジは19番目の揚陸指揮艦と言う事になります。今年度予算でブルーリッジの後継になる統合指揮管制艦が計画中です。

・横須賀出港中のブルーリッジ。空母の様な甲板がよくわかると思います。アメリカ第7艦隊はアメリカの諸艦隊中、最大の管轄区域を持つ艦隊であり、日付変更線以西の太平洋とインド洋東半、シベリア沖の北極海までに達しています。その為にこのようなもはや老婦人と言ってもいいような艦がその情報処理能力ゆえに使われ続けているわけです。

直人日記-ブルーリッジ1
・静岡県清水沖を航行中のブルーリッジ。背景に大きく富士山が写っています。甲板上に林立するレーダードーム群がよくわかると思います。甲板上にはヘリがいますが格納庫はありません。もともとは大砲や自衛用の防空ミサイルを装備していましたが、今では自動制御の機関砲と何でも屋の機銃のみを装備しています。艦のお尻の所にあるのがレーダードームを持つ自動制御の機関砲です。
直人日記-ブルーリッジ2
・第六艦隊旗艦にしてブルーリッジの妹であるマウント・ホイットニー。艦のへさきに上掲の自動制御の機関砲。艦前方のちょっと大きめのドームと、その後方の四角い建物。その直後、向こう側に小さく見えている白い物が人が扱う機銃です。艦の後端にはヘリポートが書かれてるのが見えますよね。ちなみに第六艦隊の管轄地域も第7艦隊同様、広大です。第6艦隊の母港はイタリア半島にあり、その管轄区域は大西洋の西半分、グリーンランド西岸からヨーロッパ付近、シベリアを除くロシア沿岸の北極海、ペルシャ湾近くの一部を除くインド洋西半部にまで達します。ちなみに湾岸戦争以後、中近東でアメリカ軍が軍事行動とるようになってからペルシャ湾付近のインド洋最奥部を担当する第五艦隊が新設されるまでインド洋西半部はすべて第6艦隊の管轄区域でした。
直人日記-マウント・ホイットニー

・第5艦隊は実は常設ではない艦隊で、先の大戦中はタラワ環礁が第5艦隊、クエゼリンが第3艦隊、マリアナが第5艦隊、フィリピンが第3艦隊、硫黄島が第5艦隊。と第3艦隊だった部隊が変わり番こに第5艦隊も名乗っていたのです。第5艦隊の司令長官はレイモンド・スプールアンス、第3艦隊の司令長官はウィリアム・ハルゼーでした。ちなみに沖縄戦は順番道理なら第3艦隊&ハルゼーのはずですが第5艦隊&スプールアンスのままでしたこれは確か沖縄戦は陸軍主導なので陸軍嫌いのハルゼーが嫌がったという話も。