pu lin man se la fi fa en hu fas lon.
昔、王様とお后様がいました。

pu は「時間」を意味し、lin は「哺乳動物」を意味しますが、これらの2単語が連結すると「年」を意味する熟語になります。man は「たくさん」を意味するので、pu lin man で「たくさんの年」を意味します。時間的な量を表す語の後に se が付くと、その量だけ「過去」を意味する語になるので、pu lin man se で「何年も何年も過去」を意味します。la は「~には」「~について言うと」「~ならば」などを意味する接続詞で、その後には文章が来ます。fi は「男性」を意味し、fa は「頭」を意味するので、fi fa で「頭の男」「ボス」「王」を意味します。hu は「女性」を意味するので、hu fa は「頭の女」「女王」の意味になります。en は「~と」「&」を意味するので、fi fa en hu fa で「王様とお后様」を意味します。主語と述語の間には、s を付けます。fi fa en hu fas ~ で「王様とお后様が~」を意味します。lon は「有る」「居る」という状態を表す語です。よって、全体で「何年も過去のことについて言うと、王様とお后様が居る」という意味になります。過去のことについて言っているので、過去形にしたほうが自然なので、この文は「昔、王様とお后様がいました」という翻訳になります。

pu hun dun la os laln xu gul kun li.
毎日、彼らは「子どもがほしい」と言っていました。

pu は「時間」を意味し、hun は「爬虫類」「両生類」を意味しますが、これらの2単語が連結すると「日」を意味する熟語になります。dun は「すべて」を意味するので、pu hun dun で「すべての日」を意味します。o は「彼」「彼女」「彼ら」「彼女ら」を意味し、lan は「話す」「言う」を意味するので、os lan で「彼らは言う」を意味します。「彼らは XX と言う」は、os lan lu XX となりますが、lu を lan に潜り込ませて、os laln XX という形に圧縮します。ただし、XX が名詞ではなく、文章の場合には、XX の前に xu(カギ括弧に近い意味を持つ単語)を付けて、 os laln xu XX という形にします。gu は「欲しい」を意味し、gu lu XX は「XX が欲しい」を意味します。gu lu は、gul という形に圧縮します。kun は「人」を意味し、li は「小さい」を意味するので、kun li で「子ども」を意味します。つまり、gul kun li は「子どもが欲しい」を意味します。よって、全体で「すべての日に関して、彼らは『子どもが欲しい』と言う」という意味になります。

pun pu dun la os mi nal kun li.
しかし、子どもはできませんでした。

pun は「しかし」を意味します。pu は「時間」を意味し、dun は「すべて」を意味するので、pu dun la で「すべての時間において」を意味します。mi は「持っている」を意味し、na は否定を意味するので、mi na で「持っていない」を意味します。「XX を持っていない」は、mi na lu XX となり、圧縮して、mi nal XX になるので、mi nal kun li で「子どもを持っていない」を意味します。よって、全体で「しかし、すべての時間において、彼らは子どもを持っていない」という意味になります。

pu xa la hu fas hal da la huns kan fo ma tan has laln ti fo o.
ある時、お后様が水浴びしていると、蛙が水から陸にあがり、彼女に次のように言いました。

xa は「某~」「何かの」を意味し、pu xa la は「ある時のことを言うと」を意味します。ha は「水」を意味し、ha lu XX は、すなわち hal XX は「XX を洗う」「XX に水をかける」を意味します。da は「自分」を意味します。よって、hu fas hal da は「お后様は自分に水をかける」「お后様は自分を洗う」を意味します。この文章の後に、la が続いているので、「お后様が自分を洗っていると」「お后様が自分を洗っている時に」の意味になります。hun は「爬虫類」「両生類」を意味し、ここでは「蛙」と訳しています。kan は「来る」の意味で、fo は「~に」の意味で、ma は「陸」の意味なので、kan fo ma で「陸に来る」を意味します。tan は「~から」の意味で、ha は「水」の意味なので、huns kan fo ma tan ha で「蛙が水から陸に来る」の意味になります。この後に、s が付いているので、この「蛙」を主語とした文には、さらに述語がもうひとつ続きます。laln は「~と言う」を意味し、ti は「次」を意味します。fo は「~に」の意味で、o は「彼女」の意味なので、laln ti fo o で「彼女に次のように言う」の意味になります。よって、全体で「ある時のことを言うと、お后様が自分に水をかけている時に、蛙が水から陸に来て、そして彼女に次のように言う」という意味になります。

gu a xi kan lon. pu lin ti la as kan mil hu li.
あなたの望みよ、実現し給え。翌年、あなたには娘が産まれるでしょう。

gu は「願い」を意味し、a は「あなた」を意味するので、gu a は「あなたの願い」です。xi は「命令」や「期待」を表し、主語と述語の間に置きます。kan は「~になる」を意味し、lon は「本当」「真実」を意味するので、kan lon は「実現する」です。つまり「あなたの願いは実現する」の命令形なので「あなたの願いよ、実現せよ」の意味になります。pu lin は「年」を意味する熟語で、ti は「次」を意味するので、pu lin ti で「来年」です。mi は「持っている」を意味し、mil hu li は「小さい女性を持っている」つまり「娘を持っている」を意味します。as kan mil hu li で「あなたは娘を持っているようになる」つまり「娘を得る」です。よって、全体で「あなたの願いよ、実現せよ。来年になるならば、あなたは娘を得る」という意味になります。

lan huns kan lon xu hu fas kan mil hu li e ho man.
蛙の言ったことは本当になり、お后様はとても可愛い女の子を産みました。

lan は「話す」「話」を意味し、hun は「蛙」を意味し、kan は「~になる」を意味し、lon は「真実」を意味するので、lan huns kan lon で「蛙の話は真実になる」という意味になります。xu は、主語の異なる2つの文章をつなぐ役割をする単語です。hu fas kan mil XX は「お后様は、XX を持っているようになる」を意味します。hu li は「小さい女性」なので「女の子」を意味し、ho は「可愛い」を意味し、man は「とても」「たくさん」を意味するので、hu li e ho man で「とても可愛い女の子」を意味します。hu li ho man だと「たくさんの可愛い女の子たち」の意味になってしまうので、英語の of に相当する e が必要になります。hu li e ho man だと、(( hu li ) ho ) man ではなく、( hu li ) e ( ho man ) と、正しく解釈されます。よって、全体で「蛙の話は真実になり、お后様はとても可愛い女の子を持っているようになる」という意味になります。

tan ni la fi fas pin dis kaln pu gin si.
だから、王様は喜んで、大宴会を開くことを命じました。

tan は「理由」を意味し、ni は「この」を意味するので、tan ni la で「この理由によって」を意味します。fi fa は「頭の男性」つまり「王様」を意味し、pin は「気持ち」「心」を意味し、di は「良い」を意味するので、fi fas pin di で「王様は良い気持ちだ」の意味になります。kan は「来る」を意味し、kan lu XX は「XX を来させる」を意味します。kan lu は、kaln に圧縮されます。pu は「時間」を意味し、gin は「食事」を意味し、si は「大きい」を意味するので、pu gin si で「大きな食事の時間」を意味します。よって、全体で「この理由によって、王様は良い気持ちであり、そして盛大な食事の時間を来させる(招く・催す)」という意味になります。

os kan lu dan me lu kun di lu hu so man kin tan xu os ka pil di fo kun li.
彼は、親戚と友達を招待し、また子どもに幸運を与えることができるという理由で、たくさんの賢い女性たちも招待しました。

kan lu XX は、kaln XX と同じで「XX を来させる」を意味します。kan lu XX lu YY lu ZZ は、「XX と YY と ZZ を来させる」を意味します。dan は「組」「集団」を意味し、me は「親」を意味するので、dan me で「親族」を意味します。kun di は「良い人」「友人」を意味します。hu は「女性」で、so は「賢い」で、man は「たくさん」で、XX kin は「XX も」を意味するので、hu so man kin で「たくさんの賢い女性たちも」を意味します。tan は前置詞で、tan XX は「XX から」を意味しますが、XX が名詞ではなく、文章の場合には、XX の前に xu を入れて、tan xu XX にします。意味は「XX という理由から」です。ka は可能を表す助動詞で、動詞の前に置きます。pi は「与える」で、pil XX は「XX を与える」を意味するので、ka pil XX で「XX を与えることができる」を意味します。di は「良い」「善」を意味します。fo は「~に」で、kun li は「子ども」なので、pil di fo kun li で「子どもに善を与える」の意味になります。よって全体で「彼は、親族と、友人と、たくさんの賢い女性たちも招待する」「彼女が善を子どもに与えることができるという理由で」という意味になります。

hu so nin sens lon ma o xu pun lo gin san nin son puns lon xu kin os gu mul hu nin lon ban.
この王国には13人の賢い女の人たちがいましたが、金の食器が12人分しかなかったので、彼は1人を家に残さなければなりませんでした。

nin は「1」で、sen は「3」です。nin sen は「13」を意味します。hu so は「賢い女性」なので、hu so nin sen は「13人の賢い女性」を意味します。lon は「~に」(場所)を表します。ma は「陸」「国」「土地」を意味するので、lon ma o で「彼の国に(有る・居る)」を意味します。xu は、主語が異なる文章をつなげるときに使います。pun は「しかし」を意味します。lo は「道具」で、gin は「食事」で、san は「光」「光る」なので、lo gin san で「光る食器」です。son は「2」なので、nin son は「12」です。XX pun は「XX だけ」を意味するので、nin son pun は「12だけ」を意味します。kin は「だから」を意味します。gu は義務や願望を表す助動詞で、動詞の前に置きます。mu は「残す」で、mul XX は「XX を残す」です。なので、gu mul hu nin は「1人の女を残す必要がある」です。ban は「家」「建物」を意味するので、lon ban で「家に」の意味になります。よって、全体で「13人の賢い女性が彼の国にいて、しかし、光り輝く食器が12個だけあり、だから彼は1人の女性を家に残す必要がある」という意味になります。

os fa dil pu gin en xu bin e pu gin la hu sos pil xa e ga xun fo kun li.
宴会はとても豪華に開かれ、それの終わりの時に、賢い女たちが赤ちゃんに魔法の贈り物を授けました。

fa は「頭」で、fal XX は「XX を統率する」「XX を導く」です。di は「良い」の意味ですが、動詞の直後に置くことで副詞にすることができます。fa dil XX は「XX を良く統率する」「XX を良く導く」です。en xu の en は特に必要なく、xu だけでも構いませんが、関係節の xu ではないことを明確にするために en を入れています。en xu の後には、主語の異なる次の文が続きます。bin は「閉じる」「終わり」の意味で、pu は「時間」で、gin は「食事」なので、bin e pu gin で「食事の時間の終わり」を意味します。xa は「物」を意味し、ga は「力」「パワー」を意味し、xun は「神の」「聖なる」を意味します。つまり、xa e ga xun で「聖なる力の物」です。よって、全体で「彼は宴会を上手に操り、そして宴会の終わりには、賢い女性が子どもに聖なる力の物を与える」という意味になります。

hu nins pil di gan xu hu sas pil di du xu hu nan sens pil gun.
1人は美徳を、別の人は美しさを、3人目は富を授けました。

di は「善」で、gan は「行い」なので、di gan で「行為に関する善」「美徳」を意味します。sa は「別の」「他の」なので、hu sa で「別の女」です。du は「見る」を意味しますが、di du で「見た目が良い」すなわち「美しい」を意味します。nan は「~番目」を意味するので、nan sen は「3番目」を意味します。gun は「お金」「富」を意味します。よって、全体で「1人の女性は美徳を与え、そして他の女性は美貌を与え、そして3番目の女性はお金を与える」という意味になります。

xo la hu dun sa kins pil xa e di man.
同様に、他の全ての女性も、とても良いものを授けました。

xo は「同じ」を意味し、xo la は「同じように」を意味します。hu dun は「すべての女性」で、sa は「別の」「他の」なので、hu dun sa で「他のすべての女性」になります。これに、kin(~も)が付いているので、hu dun sa kin は「他のすべての女性も」という意味です。xa は「物」で、di は「良い」で、man は「とても」「たくさん」なので、xa e di man で「とても良いもの」を意味します。ちなみに、xa di man は「たくさんの良いもの」を意味します。よって、全体で「同じように、他の全ての女性たちも、とても良いものを与える」という意味になります。

hu nin nins bin pil xa xun la hu nan nin sens kan.
11人の女が聖なる物を授け終えたとき、13番目の女がやってきました。

hu nin nin は「11人の女」で、hu nan nin sen は「13番目の女」です。bin を動詞の前に置くと「~し終わる」の意味になります。bin pil xa xun で「聖なる物を与え終わる」の意味です。よって、全体で「11人の女が聖なる物を与え終わったときに、13番目の女が来る」という意味になります。

os kan na xil fi fa xu kin gu din fo fi fa.
彼女は王様に招待されなかったので、王様に仕返しをしようと思ったのです。

na は否定を意味するので、kan nal XX は「XX を招かない」の意味ですが、動詞の後に xi を付けると受動態になるので、kan na xil XX で「XX に招かれない」の意味になります。「主語 s 動詞 l 目的語」という文を受動態にする場合は、主語と目的語の位置を入れ替えて、「動詞+xil」の形にします。よって、os kan na xil fi fa は「彼女は王様に招かれない」という意味になります。xu は、2つの文章をつなげる役割をします。kin は「だから」を意味します。kin 以降の文は、xu 以前の文章と主語が同じなので、主語(os)が省略されています。din は「悪い」という意味ですが、動詞として使うと「悪いようにする」「虐める」といった意味になります。gu は「~したい」という意味の助動詞で、動詞の前に置きます。よって、全体で「彼女は王様に招かれず、だから、王様に対して悪いようにしたい」という意味になります。

 

(続く…)

 

 

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