あんまりしたくない話をあえて

私の仕事で逃れられない嫌なことがあります

人身事故

タクシーやトラック運転手など他のお仕事でもゼロではないかもしれません

私達の場合で一つ違うこと、それはありえない場所で事故が起こるという事

つまり鉄道での事故は、本来”人が入りこまないところで起こる“という事

線路というものは立入禁止が基本、踏切にしても遮断しているから人がいるはずが無いはずなんです

だからといってはなんですが、車と違って鉄の塊なんです

車は人がいるかもしれないと想定してバンパーなどが樹脂製になっているなど衝撃に対応してますが、電車は違いますよね

車輪にしても鉄ですからね

車とぶつかるより酷いことになります

私が初めて人身事故を体験したのは車掌になりたての頃でした

大きな踏切でした、もう肉の塊が服を着たような状態になってました

唯一判ったのは頭髪から耳に向けてのあたり、そこだけが人である事を教えてくれました

新人だった私、膝が震えましたね

今まで4回経験しています

そのうち一回は足を車輪で踏んだ状態で止まり、レスキューを呼ぶなど大変だったことを覚えています

痛い痛いと泣く女性、低速の電車に死ぬのが目的で踏切に侵入した結果でした

その女性は命に別状がなかった

1年後ぐらい

その近くの踏切で同じような年格好の女性が自殺しました

確認はできませんが、たぶんあのときの方だとの予感があります

私がよく後輩に言う言葉があります

運転士は生きている最後を見て、車掌は死んだ最初を見る

どちらも衝撃的です、精神的に辛いです

踏切の度、駅に近づく度にフラッシュバック、そうなったら仕事は辛いです

後輩に2週間に3回人身事故を経験したやつがいます

彼は1年ほど運転士ができなくなりました

私が今のところ最後に経験した事故の時は、運転士が非常ブレーキを入れてから200メートル進んで止まりました

ゴムのタイヤと違って摩擦係数が低く、急ブレーキをかけても電車はすぐに止まれません

車掌はます現場まで走らなくてはなりません

道床は石がゴロゴロして走りづらく、さらに車輪に持っていかれたいろいろなものが落ちてます

その時は半分位走ったところに手首が落ちていました

轢かれたのは、はおばあさんでした

自殺ではなく渡りきれなかったようです

渡りきれないこと以外は入ってはいけない場所、入ってはいけない時に侵入することで事故が発生します

つまり閉まっている踏切に入ったり、死ぬために線路内に侵入するということです

随分前に救助活動をしていた消防隊員が轢かれる事故が有ってから、ひとたび事故が起こると1時間以上運転を見合わせます

その後もダイヤは乱れ、大変なことになります

鉄道事故での死を轢死と言いますね

まさに轢かれて死ぬ

ほぼ五体満足では終わりません、たぶん遺族の方々の衝撃はかなり大きいと思います

少なくとも、閉まった踏切を無理に渡る、ホームでスマホをしながら歩いて誤って線路に転落する、こんなことはやめてほしい、それだけでも事故は格段に減ります

あと5分家を早く出るだけで渡れる踏切はたくさんあります

朝から忙しいっていいますが、ではあと5分早く起きれば?と思います

開かずの踏切?開かなくしているのはギリギリに駆け込んで電車を遅らせている人かもしれませんよ👮