『建築探偵 近代木造建築の妙を語る』R3 7月 NO.201 | マルシの日々是好日

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日々是好日 日々出くわす出来事への思いを綴ってます。

映画「犬神家の一族」(市川 昆監督 1976年)が、好きだ。

 

 

特に何が好きかというと、冒頭から登場する「犬神御殿」。ぶードキドキ

 

このお屋敷を観るために、度々、この古い映画を観るといっても過言ではない。

 

CGで作られた、湖畔に建つ屋敷は、入母屋造りの和館とハーフティンバーの洋館から成る和洋折衷の近代木造建築。ドキドキ

 

黒光りのする長い廊下でつながった複雑な間取りに魅了される。

 

うす暗い屋敷内を彷徨いたい気持ちになる。 

 

・・・・病んでいるのか?

 

 

 

さて、スケールは違うが、そんな地方実力者のお屋敷が、県内にも存在する。

 

「旧 吉松家住宅」である。

 

(撮影・記事掲載の許可あり)

 

950坪の屋敷は、石畳の仲町通に面して、ファサードを開いている。

 

表玄関から次の間を経て、応接室に入る。

20部屋ある屋敷の中で、ただ一つの洋間。

 

上下窓がいい感じだ。

 

黒光りする長い廊下、襖とガラス戸の調和。 まさに「犬神御殿!!」

 

唐津の「高取邸」もこんな感じでしたねー。

 

あちらは九州の石炭王。こちらは郷土の山林王というところでしょうか?

 

大正時代のガラス窓が、鈍い光を放つ。

 

安易にサッシ窓とかに替えられなくて、本当に良かった。ぶー

 

 

この四隅の暗さ!光と影が交錯している!

 

ああ!「陰翳礼讃」!お願いお願いお願いお願いお願い

 

なんてことないガラス窓も なんてことなくない凝りよう!美しい!

 

襖の模様。異国情緒的な雰囲気が漂うね。

 

2階建ての内蔵まであります。

 

横溝正史ドラマのロケに使えそうだ!

 

2階に上がる階段。手摺の微妙なカーブは1本の木から。

 

2階から見た中庭。

 

左棟は接客空間 右棟は生活空間。

 

使用人は、多い時で、住み込み3人・通い10人計13人が働いていたらしい。

 

 

 

 

今回の見学は、ガイドがついて40分 みっちり説明を聞いた。

ガイドのTさんご愛用のレーザーポインター付き虫眼鏡

 

これをかざしながら、細部まで説明をしてくださる。

ぶー

もと美術教師のTさんは、独特な語り口でガイドをされる。

 

「私が思うにですね?・・・・」と、独自の推論を展開。論文書けるんじゃあないですか???ぶー

 

建築探偵はここにもいたか!

 

今回は、知人のOさんの用事にのっかり、片道2時間の遠出だったが、「旧 吉松家住宅」の見学で、充分すぎるほど満足。

 

 

 

帰宅後、久しぶりに「犬神家の一族」を観た。

 

学んだことを活かし、静止画像にして鑑賞するのは、もちろんお屋敷内部のしつらえである 笑。