福島原発第二次告発にあなたも参加しませんか | 原子力発電を考える石巻市民の会 日下郁郎

原子力発電を考える石巻市民の会 日下郁郎

「原子力発電を考える石巻市民の会」(近藤武文代表)は、東北電力の女川原子力発電所が立地している宮城県石巻市で、1979年より原発問題に取り組んでいる市民団体です。

  「原発事故を起こし、被害を拡大した東電及び国の原子力委員会、原子力安全委員会、経済産業省原子力安全・保安院等の責任者を刑事告訴すること」を目的に結成された福島原発告訴団は、今年6月、1324人の告訴状を福島地検に提出しました。告訴団はこの秋(11月15日頃)、第二次の告訴・告発を予定しています。列島の各地・各地に10いくつもの支部がつくられ(東北地方の支部は「福島原発告訴団・東北」)、現在参加者を募集中です。
地震列島各地から多くの人々が告発に参加すれば、検察は本格的な捜査に乗り出し起訴に踏み切らざるをえなくなります。
 弁護団への委任状と、福島原発告訴団入会申込と、1口1000円以上の会費で、どなたでも参加できます。告訴人の個人情報が、検察から被告訴人や他省庁などへ提供されることはありません。
  是非あなたも、この第二次の告訴・告発に御参加ください。
  そのための委任状、入会申込書、委任状等は福島原発告訴団・東北(電話080-2836-6100、FAX 0224-25-0727、メールkokusodantohoku@gmail.com )まで御請求ください。
  委任状と入会申込書は、「福島原発告訴団・東北」(〒989-0213 宮城県白石市大鷹沢三沢字堤上48 福島原発告訴団・東北 事務局 )宛に、できるだけ10月15日までにお送りください。
 明日12日(金)、告訴団団長の武藤類子さんに石巻においでいただき、石巻市労働会館で講演会を開催します(入場無料。定員80人。先着5名様に武藤さんの著書「福島からあなたへ」を差し上げます)。この講演会会場でも第二次告発への参加手続きができます(印鑑―シャチハタ以外―と入会金1000円を御持参ください)
 
止めようプルサーマル!止めよう核燃料サイクル!女川原発地元連絡会
原子力発電を考える石巻市民の会
日下郁郎、近藤武文



<福島原発事故の責任をただす!告訴宣言>
2012.3.16、福島原発告訴団結成集会参加者一同
  
  福島原発事故から1年を過ぎた今なお、事故は全く収束せず被害は拡大の一途をたどっています。美しい自然と豊かな生命をたたえたふるさと、何ものにも代え難い共同体を失った私たちは、地域社会の分断という重荷を背負い、いつ終わるともしれない苦難の中にいます。
福島原発事故は、すでに日本の歴史上最大の企業犯罪となり、福島をはじめとする人々の生命・健康・財産に重大な被害を及ぼしました。原発に近い浜通りでは、原発事故のため救出活動ができないまま津波で亡くなった人、病院や福祉施設から避難する途中で亡くなった人、農業が壊滅し、悲観してみずから命を絶った農民がいます。
  このような事態を招いた責任は、「政・官・財・学・報」によって構成された腐敗と無責任の構造の中にあります。とりわけ、原発の危険を訴える市民の声を黙殺し、安全対策を全くしないまま、未曾有の事故が起きてなお「想定外の津波」のせいにして責任を逃れようとする東京電力、形だけのおざなりな「安全」審査で電力会社の無責任体制に加担してきた政府、そして住民の苦悩にまともに向き合わずに健康被害を過小評価し、被害者の自己責任に転嫁しようと動いている学者たちの責任は重大です。それにもかかわらず、政府も東京電力も、根拠なく「安全」を吹聴した学者たちも誰一人処罰されるどころか捜査すら始まる気配がありません。日本が本当に法治国家かどうか、多くの人々が疑いを抱いています。
  生命や財産、日常生活、そして「健康で文化的な最低限度の生活」さえ奪われた今、すべての人々がそれを奪った者への怒りを込めて、彼らの責任を追及し、その罪を認めさせなければなりません。そのために、最も深刻な被害を受けている福島でまず私たちが立ち上がり、行動しなければなりません。告訴団を結成した理由もここにあります。
  私たちは、彼らに対する告訴を福島地検で行うことを決めました。自分たちも放射能汚染の中で被曝を強要されながら存在しなければならない矛盾、逃れられない厳しい現実を背負う福島の検察官こそ、被害者のひとりとして、子どもを持つ親として、この事故に真摯に向き合うべきだと考えるからです。
  私たちは、自分たちのためだけにこの闘いに踏み出すのではありません。日本政府は、あらゆる戦争、あらゆる公害、あらゆる事故や企業犯罪で、ことごとく加害者・企業の側に立ち、最も苦しめられている被害者を切り捨てるための役割を果たしてきました。私たちの目標は、政府が弱者を守らず切り捨てていくあり方そのものを根源から問うこと、住民を守らない政府や自治体は高い代償を支払わなければならないという前例を作り出すことにあります。そのために私たちは、政府や企業の犯罪に苦しんでいるすべての人たちと連帯し、ともに闘っていきたいと思います。
  この国に生きるひとりひとりが尊重され、大切にされる新しい価値観を若い人々や子どもたちに残せるように、手を取り合い、立ち向かっていきましょう。

※ 大勢の福島県の人々が結束して告訴した結果、8月早々、検察はこの告訴を受理した。
「 原発事故と検察 録画入手へ捜査乗り出せ」                            


<朝日新聞「私の視点」欄への寄稿記事、弁護士 河合弘之>

  東京電力福島第一原発事故に関する政府事故調の最終報告書が7月に出され、国会、民間、東電の各事故調の意見書が出そろった。だが、誰が真の責任を負うべきか依然、判然としない。今こそ検察が本格的な捜査に乗り出し、起訴にこぎつけるべきである。
  事故調があいまいな責任追及しかできない原因は二つある。第一に証人尋問形式の事情聴取は真実に迫る力が弱いこと。第二は生の証拠(一次証拠)の確保の不十分さだ。いずれも検察が関与すれば、相当改善できる。
  第一についてだが、検察官が取り調べれば、密室の一対一で証拠をつきつけ、他の証人との矛盾をついて、追及ができる。第二の証拠だが、なにより重要なのは免震重要棟と東電本店などを結んだテレビ電話会議の録音・録画だ。海水注入やベントが遅れたのはなぜか▽緊急冷却装置の操作に誤りはなかったか、などへの答えがつまっているからだ。ところがどの調査委も、録音・録画の現物、コピーを持っていない。東電は社員のプライバシーをたてに部分的にしか公開していないが、国家存亡の事故処理に当たるのは公的人間で、プライバシーを論ずる余地はない。検察の力で強制的にでも入手する必要がある。
  直接の被害者を含む福島県民1300人余は6月、東電の取締役や原子力安全・保安院の責任者らを福島地検に告訴・告発した。刑事立件の要件とされる「業務上の過失」は明白だ。国会事故調は安全対策の「意図的先送り」と喝破する。東電が「想定外」とする津波は、過去に想定されていたと証明されている。「被曝は障害にあらず」との議論も否定されるべきだ。双葉病院の患者50人が放射能から逃げるさなかに亡くなったことと原発事故との間には因果関係がある。
  私は告訴・告発の代理人をしているが、ぴったりの罪名を見つけた。業務上過失激発物破裂罪だ。業務上必要な注意を怠り激発物(水素ガス)を破裂させ現住建築物(原子炉建屋)を損壊しただけで成立する。3年以下の禁錮である。検察は業務上過失致死傷や公害犯罪処罰法と並び、この適用も検討すべきだ。
  検察が捜査に乗り出すべき最大の理由は、正義の実現である。史上まれな巨大で悲惨な被害を出した事故の責任が追及されることを、国民の正義感情が求めている。万が一にも不起訴に終われば、検察は被害者を切り捨て、巨悪を見逃した組織として歴史にその名をとどめるであろう。

※ 河合弘之弁護士は、福島原発告訴団(武籐類子代表はじめとする1324人の福島県の告訴人)の三人の代理人の1人。他の二人は保田行雄弁護士と海渡雄一弁護士。


★上の河合弁護士の指摘に関して、10月5日の朝日新聞朝刊に次のような興味深い記事が載りました(下線は日下)。

           原発事故 会議の録画映像、東電が検察に提出

  東京電力福島第一原発の事故をめぐり、東電が震災発生後の社内のやりとりを収めたテレビ会議の録画映像などの関係資料を、検察当局に任意で提出したことがわかった。
検察当局は映像などの分析を踏まえて関係者の事情聴取を進め、東電幹部や政府関係者の業務上過失致死傷容疑などについて、今年度中にも立件の可否を判断する模様だ。
  関係者によると、検察当局の要請に応じて東電が提出したのは、録画映像のほか、政府や国会の事故調査委員会に出した資料だという。録画には第一原発と東電本店の間のやりとりなどがきろくされており、映像や音声の一部が加工処理されたものが報道機関にも公開されている。

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  陳述書も是非提出したいという方は、福島原発告訴団・関東のブログhttp://dainiji-fukusimagenpatsu-kokusodan.blogspot.jp/ に載っている陳述例文をご参照ください。
  福島原発告訴団のブログはこちらです。
  福島原発告訴団 東北のブログはこちらです。
(終わり)