【日本のカスタムビルダー4選】世界が注目する静かなる職人技とスタイル

バイクカスタムの世界において、日本という国は少し特異な存在だ。

派手さや過剰な装飾ではなく、静けさの中に宿る情熱と、造形の奥行き

ここでは、国内外で高い評価を受ける日本のビルダーたちと、そのスタイルに宿る美学を紹介しよう。


■ 木村 信也(Shinya Kimura)|“ゼロ”から生まれた走る彫刻

1962年、愛知県生まれ。1992年に「ゼロエンジニアリング」を創業し、チョッパーやカフェレーサーを独自に再構築した“ゼロスタイル”を提唱。

2006年にはアメリカ・カリフォルニアに「Chabott Engineering」を設立。
映画『IRON MAN』劇中のバイク製作にも関わり、その名は世界に響いた。

彼のバイクは、鉄の塊に魂を吹き込んだような存在であり、芸術と工学の境界を軽々と飛び越える。


■ 中嶋 志朗(Shiro Nakajima)|機械と詩、そして孤高のクラフトマン

元プロギタリスト、元バイク雑誌編集者という異色の経歴を持つ中嶋氏。
26歳で「リトモ・セレーノ」を設立し、BMWやモトグッツィなど欧州車のカスタムで注目される。

現在は山梨県・八ヶ岳南麓で「46works」を営み、設計・整備・製作・映像発信までを一人で手がける孤高のクラフトマンだ。

その作品には、バイクという機械への深い敬意と、美しさへの揺るぎない執念が込められている。


■ 横溝 学(Gaku Yokomizo)|古き良きハーレーの魂を守る者

東京を拠点とする「THE HAWG HOLIC MOTORCYCLES」を主宰。
ヴィンテージハーレー専門で、特にショベルやパンヘッドといった旧車に対する深い知見を持つ。

純正の魅力を残しながら、乗れるコンディションに仕上げる彼の仕事は、“保存”ではなく“再生”であり、旧き良きアメリカの息吹を今に伝える。


■ 西岡 竜一郎(Ryuichiro Nishioka)|走れる美学、魅せる設計

「SELECTED CUSTOM MOTORCYCLES」を主宰。
国産車をベースに、カフェレーサーやボバースタイルを設計。
美しいフォルムと高い走行性能の両立を実現するスタイルは、国内外で高評価を受けている。

彼の作品は、「見る美しさ」と「走る歓び」のどちらも妥協しない、理想的なバイク像を体現している。


■ なぜ、今「日本のカスタム」に注目すべきか?

  • 車検・保安基準を満たしながら実現する高完成度
  • 欧米旧車文化への深い理解とリスペクト
  • 「乗れるアート」としての存在感

世界が熱狂するバイクカルチャー。その最前線に、静かに、しかし確かに立っているのが日本のビルダーたちだ。

機能美を極め、哲学を乗せる。
そのバイクたちは、単なる移動手段ではなく、人生そのものを映す“造形詩”である。


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