「医院に、日本に一台しかない機器がある」というのは、本当ですか? | しみ・ほくろクリニック熊本のブログ

しみ・ほくろクリニック熊本のブログ

熊本市内の下通アーケード内にある「しみ・ほくろクリニック」の院長のブログです。ブログを見て気になった方は、クリニックのホームページもご覧ください。
http://shimihokuro.com/

はい、本当です。

当院、しみ・ほくろクリニックには、日本に一台しかない、ホクロを取る機器があります。その詳細を、説明いたします。

 

これが、現在、当院にある、レーザー以外の機器の、ラインアップです。

 

 

一番上にあるのは、大学病院や、大病院に置いてある、ラジオナイフ(高周波メス)の定番、ドイツ製のマーチンという機器です。肝臓などが、スパッと切れる、高出力の電気メスで、各種の波形と、強力な止血装置が備わっています。

その下にある緑のランプの小型の機器は、ミニマーチンといって、同じ会社のコンパクト版です。ホクロやイボを取る場合は、この機器でも、じゅうぶんなパワーを発揮します。

この2台は、当院では、予備の機器で、ほとんど使用することはありません。

 

ミニマーチンの下にある、少しクラッシックな機器が、当院が誇る、マルチフレケンシ―ラジオナイフ(MFR)というものです。

右にある、画面が緑に光っているのは、周波数をモニターするバンドスコープで、写真では、一部しか映っていませんが、すべての波形が出ます。周波数モニターのついているMFRは、日本には、この一台だけです。なぜなら、私が構成したものですから。

 

実は、このような医療機器には、寿命があり、通常の使用で20~30年持つのが、限度だ、といわれています。

当院のものも、2年前、使用27年目にして、出力がなくなりました。

この機器は、ICなど使用していない、職人が手作りしたもので、台数は、多く出ていないようです。ネットで検索しても、痕跡さえありません。製作会社はすでになく、回路図などもありません。

 

いろいろな所に修理を問い合わせたところ、回路図がない機器、とくに医療機器は、修理不能だといわれました。

新しいのを買えば、と言われるかもしれませんが、新しい規格のラジオナイフは、800KHz~4MHzの間の、単一の周波数になっていて、パワー、止血、蒸散力など、MFRより、ずっと劣ります。

マーチンだけでなく、今まで使ったことのある、エスカルプ、サージトロンなどと比べても、MFRは、キレが違うのです。どのようなホクロやイボも短時間で取れ、周辺の皮ふにダメージを及ぼしません。

 

どこも修理してくれないならば、これはもう、自分で直すしかありませんね。数十人のホクロの予約を、すべて延期して、トライしてみました。

電波が出なくなったのは、終段のパワートランジスターだろう、と見当をつけ、まず、それから、交換してみることにします

それは、2SC1610 と 2SC1584という、100~150ワットの、高出力パワートランジスターでした。

ところが、ネットで調べても、まったく出てこないのです。

二つとも、かなり以前に、製造中止になっているようで、在庫もなく、入手も困難だといいます。

仕方なく、同じような規格の、新旧様々なものを試すことにしました。

 

旧いタイプのパワーランジスターは、円盤型になっていますが、新しいものは、クラゲのような形をしています。

 

 

オリジナルの円盤型は、巨大なアルミのヒートシンクに、埋め込まれているので、新しいタイプを装着するのには、かなりの改造が必要でした。しかも、足の位置も違い、左右と前後があり、頭がパニックとなりました。

写真は、交換した、パワートランジスターの残骸です。

波が出ても、弱かったり、途中でストップしたり、中には、熱暴走のために、爆発したものもあります。

爆発音とともに、煙が1メートルも上がり、見ていた職員が、腰を抜かすほどでした。

装着しては、動作状況をロースハムを使って、試したりしましたので、1か月、毎日、ロースハムばかり食べていました。

 

結局、代替品は、すべて、うまく作動せず、同じパワートランジスターを、世界中で探すことになりました。

予約の患者さんは、すべて、再延期です。

八方手を尽くしたあげく、ついに、、一つはインドで、もう一つは香港で見つけることができたのです。

オリジナルと同じものですから、装着すると同時に、正常に動くようになりました。同時に、熱暴走を防ぐため、電動ファンとデジタル温度計を装着し、周波数のモニター装置をつけ、二台のマーチンを購入し、将来に備えることにしました。

機器が壊れて、40日目のことです。

 

なぜ、このようなことができるかといいますと、私は、中学1年生の時から、アマチュア無線をやっていて、昔の、真空管やトランジスターなどには、めっぽう強いのです。

色々な種類の無線機、受信機、エレクトロニクスを自作してきたので、送信機の一種である、ラジオナイフの構造は、熟知しています。まさに、「芸は身を助ける」の例え通りでした。

 

多くの人は、ホクロを取るには、レーザー(炭酸ガスレーザー)を使うと思っているようです。しかし、レーザーでは、殆どのホクロを、きれいに取ることはできません。

 

皮ふの奥に入っている、色素が取れない。

盛り上がったホクロを、平らにするのが難しい。

レーザーによる黒い焼け焦げは、こすっても簡単に取れず、ホクロの色素と区別がつかない。

等により、うまくいかないのです。

ハサミなどで、切り取ったりするのは、そのためですが、傷跡が残りやすく、あってはならない治療法です。

 

 

このMFRは、どのようなホクロでも、その色素の直径と深さ、ぎりぎりで取ることができます。要するに、傷跡を最小限にして、しかも、極めて短時間で取ることができるのです。

このように、深いタイプのほくろでも、1〜2分ほどで、きれいに取れます。

 

 

除去後、2週間。

短く切れた眉は、奥の方から、すべて生えてきます。

他の機器では眉が薄くなったり、生えてこなくなることもあります。また、熱が皮ふの外縁に伝わり、傷跡が大きくなることもあるのです。

 

 

当院の機器は、キレが鋭く、周辺の皮ふに影響がいきませんので、このように1センチほどのホクロを取っても、

 

 

わずか10日で、新しい皮ふができます。ダメージが少なければ、傷跡も、早く、きれいに消えます。

 

ただし、どんな、ホクロでも、きれいに取れるわけでなく、場所にもよりますが、1.5センチ以上のもの、有毛性の深いタイプ、青色母斑などは、取ることができません。

 

 

写真の青色母斑は、色素が深く入っているタイプです。

薄く見えますが、ラジオナイフなどでは、傷を残さず取るのが難しいタイプです。

 

黒い物を水の中に入れると、最初は黒いですが、沈んでいくにつれ、薄く見えますね。それと同じことが起こっているわけです。このホクロを取ろうと、皮ふを削っていくと、色素に近づきますので、色が黒くなっていきます。

「これは、ヤバい」

と、途中で止めると、穴があくは、色は黒くなるはで、何をやっているかわかりません。必ず、最後まで取ることになり、結果として、大きく、くぼむのです。ただ、このように切除を必要とするタイプは少なく、全体の0.1%以下ほどです。

 

先ほど「芸は身を助ける」といいましたが、

最初の字句変換では

「ゲイは身を助ける」

と出てきました。

それで思い出したのですが・・・

 

私は、BLTサンドイッチが好きで、昼食に、よく食べていました

もちろん、Bはベーコン、Lはレタス。Tはトマトのことです。

それが、最近、LGBTという言葉を、良く耳にするようになりました。

「Gとは、なんだ。グリーンアスパラか」

と思っていると、どうも、ゲイ、という意味のようです。

 

レタス、ゲイ、べーコン、トマト、なんて・・・

誰ですか、こんな、紛らわしいことを言いだしたのは。

喫茶店で、

「LGBTサンドイッチを、お願いします}

と頼んでしまう、自分が怖い・・・