昨日の記事の続きです。
21世紀人類の好奇心は「暗在系」と「暗黙知」の二つに向いています。
今日は「暗在系」から。
我々個人からレイヤーを上げていくと・・・・
例えば、身体→パーソナル→パートナーシップ→生活者→社会人→市民社会→日本株式会社→日本人→アジア人と上げていくと最後は「時空間」そして「異次元」となります。
我々が住む宇宙は・・縦・横・高さ+時間の四次元時空間です。この時空間は異次元の一部であります。
で・・・・その異次元が「暗在系」
今人類はの好奇心は「異次元」に向っています。
じゃあ何をやっているかと言うとニュースでも言われているCERNで行われている実験。
山手線一周と同じくらいのドーナツ状のトンネルを地下100メートルに作ってこんな事をやっています。
欧州原子核研究機構「CERN(セルン)」
1954年にスイス・ジュネーブ郊外に設立された高エネルギー物理学におけるヨーロッパの中心的な研究拠点。
欧州20ヶ国が出資して運営されている。
2008年、スイスとフランスの国境をまたぐ地下に史上最高のエネルギーを生み出す装置LHC(ラージハドロンコライダー)が14年の歳月をかけて完成。全長27kmの円形トンネルの中で反対方向に加速された陽子を正面衝突させて高エネルギー環境を実験的に作り出し、素粒子の質量の起源ともいわれる未知の素粒子である「ヒッグス粒子」や、宇宙の暗黒物質の解明にもつながる「超対称性粒子」などの新発見を期待する。
LHCの実験装置「アトラス」は、世界から約2200人の物理学者が協力して作り上げた。
写真はこちら
6800億円もの費用がかかったそうです。また一回実験するだけで数十億円も費用がかかるそうです。
水素陽子を絶対零度近くまで冷やしたドーナツ状のチューブの中を遠心力を使って加速していく。そして加速した水素陽子を正面衝突させるとそこにはとてつもないエネルギーが生まれることになります。
物理的に難しいことは置いておいて、例えば光のスピードの50%を超えるスピードに加速した水素陽子どうしを正面衝突させたらどうなるのか。当然のことですがエネルギーは二倍になりますから光のスピードを超えるエネルギーが発生することになります。
我々の住む四次元時空間は光のスピード以上のエネルギーは存在しない空間です。そこでそれだけのエネルギーを作り出すことが何を意味するのかですね。
この実験でヒッグス粒子が発見されたそうです。そしてこの実験にはもうひとつ異次元の存在を確かめることも行われている。
正面衝突した水素陽子は粉々に砕け散ります。その時にその一部が消滅するのではないかと言われています。質量保存の法則が破られる。その一部はどこに消えるのか・・・・それが異次元という仮説です。
宇宙の秘密を知りたい。もし異次元があるのならその存在も確かめたいという好奇心は分らないでもありません。ただ原子力と同じようにもしかしたら今度は「宇宙」を消してしまうだけの力を人類は手に入れるかもしれない可能性があります。
まさに「パンドラの箱」ですね。
そして更にパワーアップした実験装置が作られる計画があります。それもここ日本で。
建設費用は8700億円にものぼるそうです。ただの好奇心の為にこれだけのお金を出すわけではありません。必ず後ろにはそのエネルギーを使って何かをしようという思いがあるからです。
日本に建設されるかも知れないILCについて興味がある人はこちらをご覧下さい。
次世代加速器ILC、CERNを通り越し日本で建設か?
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=37012822