なぜこの人の周りに人間関係のトラブルが頻繁に起こるのか。 | 思考の散歩道

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毎日いろいろなことを考えています。そんな思考の散歩で感じたことを書いていきます。

T社長とは知り合ってもう15年以上になる。その間に私が知っているだけ(会社と個人)の裁判だけでも3回、個人の問題でも複数回も裁判沙汰を起こしている。また社員とのトラブルも絶えず1年でほとんどの社員が入れ替わるのだから凄まじい。


T社長は基本的には孤独です。本人も独りは平気とよく口にしている。


もうずいぶん前になるけれど私の行きつけのラウンジ(スナックの超高級版)にお連れしました。基本的には常連さんばかりでほとんどの人が顔見知りのお店ですがT社長は、はしゃいでやたらと隣の人に話しかける。


耳を傾けると「素晴らしいですね」「気に入りました」とポジティブな言葉が次々と口から出てくる。その様子を唖然としてみていました。


T社長はそのお店のことをとても気に入ったみたいですが、そのお店はママの許可が出ないと一人では入れてくれない。そして最後までママは許可を出しませんでした。こういったお店のママは人を見る天才と言われますが一瞬で見抜いたんですね。この人は必ず他のお客様とトラブルを起こすと。


いつもこのパターンでした。


T社長「先日素晴らしい人物に会いました」そして「気が合ったのでわが社に引き抜くことにしました」と。


そして三ヶ月もすると・・・・


T社長「いや、信じられない、この前の人こんなことも出来ないんですよ、よくあれで今までやってこられましたね」


そしてさらに三ヵ月後・・・・


T社長「聞いてください、この前の○○さん、こんな事をするんですよ、信じられますか」そして延々とその人のネガティブな話に突入。


私が「そうですか」「大変ですね」と相槌を打つごとに○○さんの悪い印象がTさんの中で固まっていく。消火しようとすると今度は私が責められるので相槌しか打たないようにしているのだ。


そして暫らくして「○○さんには辞めていただきました」


で・・・・終了。


別パターン。


T社長「聞いてください、社員のAは陰で私のことを悪く言っているんですよ、社長の悪口を言うなんて信じられますか」


私「まぁいろいろと不満もあるだろうし仕事のストレスもあるから仕方がないことではないですか、それより悪口を言っているとなんで知ったんですか」


T社長「別の社員のBがこの前お酒を2人で飲んだときに言っていました」


私「そんなに気になるのならAさんに直接聞いたほうがいいですよ。例えばもし会社のことで不満とかこうしたらいいということがあればいつでも私に言ってくれと言う感じで」


またまた三ヵ月後


T社長「聞いてください信じられませんよ、Aはこんなことも出来ないんです。親の顔を見てみたい・・・・・・」


そして暫らく経って・・・・


T社長「Aには会社を辞めてもらうことにしました」


いつもこのパターン。


T社長はとても寂しがり屋なのです。そして人に対して過剰に期待してしまう。人間はいくつものパーソナリティーを持っています。だから過剰に「私はこんな人に会いたい」と条件付けをしたら当たり前だけれどその人は現れる。いくつもあるパーソナリティーのたった一つを見て「理想の人が現れた」と飛びついてしまう。



でも、付き合いが深くなるに連れてその人の別のパーソナリティーが目に付くようになる。そして過剰な疑り深さがその人に対する悪い感情を雪だるま式に大きくしていく。実は悪口を言ったAさんもその前に疑問を持っていて悪口はそのきっかけにしか過ぎない。


結局・・・・クビチョンパ


当然相手は激怒・・・そして裁判となります。


過剰に私は独りが好きと言う。


過剰に人に期待する。


過剰に疑り深い。


過剰に人当たりがいい。



この過剰さの奥深くにT社長の「発達課題」が潜んでいます。


T社長はもう60歳・・・多分このまま人生終了でしょう。