立教大生殺害10年


 東京のJR池袋駅で1996年4月、埼玉県春日部市の立教大4年小林悟さん(当時21歳)が男に突き飛ばされて死亡した事件は11日、犯人が捕まらないまま丸10年を迎える。

 「犯人も10年間苦しみながら過ごしたと信じたい。自首して更生する姿を見せてほしい」。父親の邦三郎さん(60)は、今年も情報提供を求めるビラを駅前で配るとともに、他の事件・事故の遺族と「被害者家族の会」を発足させる。

 建設会社を目指して就職活動中だった悟さんは、96年4月11日午後11時半ごろ、山手線ホームで、会社員風の男に突き飛ばされて転倒。5日後、外傷性脳内出血で死亡した。

 男は電車に乗って逃走。乗降客のまだ多い時間帯だったが、救急車が来るまでいてくれたのは年輩の女性1人だけだった。事件直後、目撃者として名乗り出てくれたのも9人だった。「息子は社会の無関心に殺された気もした」

 邦三郎さんは、犯人を捜そうと必死になった。約2か月後。東京・千住のパチンコ店で、警察が作成した似顔絵にそっくりの男を見かけた。後をつけたが、千葉県内の駅で見失った。駅や周辺で10日間、張り込んだが、男は現れなかった。

 銀行員として仕事一筋だったが、事件後、「自分にできることは犯罪を減らすことしかないのでは」と考え、定年前の56歳で退職。刑を重くするよう求めて嘆願書を出し、講演もした。

 昨年3月24日、千葉県八街市の八街少年院。少年らを前に、「被害者にも親にも、そして自分にも、自分のしたことをわびてほしい」と訴えた。そして、土下座した。「再犯をしないと私に誓ってくれませんか。お願いします」。少年たちが再び犯罪に手を染めようとした時、遺族の一言が頭の片隅に引っかかってくれたら。そんな思いだった。

 一方、遺族6人で11日に結成する「被害者家族の会」では、被害者や家族の支援などのあり方を探る。

 悟さんの事件は、傷害致死罪の時効(当時7年)が近づいた2003年3月、殺人罪(同15年)に切り替えられ、池袋署が捜査を続けている。邦三郎さんたちがこれまでに配った手製のビラは約20万枚。熱意が通じてか、同署には約3300件の情報が寄せられ、途切れることはないという。

 邦三郎さんは、今年も悟さんに問いかける。「無関心な社会も、少しは変わってくれただろうか」


 絶対に許せません。殺人犯が今もこの世の中に平然と暮らしている事は決して許してはならない事です。

どんな小さな事でも結構です。何かお気付きの方は今すぐ110番を!


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