トルコフェスティバルが代々木公園で開催されると聞き、着の身着のままで参加してきた。

当日はいつも通りの猛暑。四條研究員と(トルコにあまり興味のない)早川みどり研究員(名前の通り、のびのびと美しく育った北海道男子)、さらに四條研究員の大学時代の友達の佐々木くんが登場。佐々木くんは大学院でアナトリアの考古学関係の研究をするホンモノ。なんでもアナトリアの遺跡の修復に関わる研究らしい。これは新橋トルコ研究所になくてはならない人材に違いない!と言うことで、即刻研究員になってもらうことに。本人も、「客員なら」と快諾してくれた。

新トル研の面々

 

さて、早速トルコフェスを見渡してみる。飲食店のブースが多いが、最近はやりのトルコ雑貨の出店が集中しているエリアもある(その名も「グランバザール」と銘打っていた)。フェスの中心部分に舞台があり、ダンスや音楽が披露されていた。

少し先に到着した3人がおいしそうにビールを飲んでいたのでどこで買ったのか聞いたところ、なんとトルコフェスではなく隣のエチオピアフェス(かな?)から調達してきたらしい。トルコらしからぬ硬さに少し肩透かしを食らったが、気を取り直してグランバザールへ。

トルコ製のお皿や織物が10店舗ほどで売られていた。トルコにあまり興味がないはずの酒豪拳法家みどり研究員は、世界各国のぐい吞を集めるのが趣味らしく、食い入るようにトルコ東部製のカラフルな小皿を物色していた。

 

プラプラしていると、ものすごく掘りの深い青い目の、海賊白髭をほうふつとさせる御仁と目が合った。見覚えがあるなと思ったら、FBでつながっているメテさんだった。品川でトルコの雑貨品を取り扱う店を経営されている方。この日はオリーブオイルを売っていた。「ワインないの?」と聞くと、「ない」と言う。まあ見ての通りなんだけど会話のきっかけ。あまりにも立派な体格と迫力満点の顔(いい意味で、です)なので、ぜひ新トル研のヤールギュレシュ(トルコ伝統の格闘技≒オイルレスリング)の先生になってくれないかとお願いすると、やったことないと笑って辞退された。確かに唐突なお願いだったかも。でもそのあとみどりが握手すると、万力のような力で絞められたらしい。恐るべし、トルコの一般?男性。

オスマン帝国の底力を垣間見た後で舞台前に戻ると、民族衣装を着たお姉さんたちが何やらご機嫌なダンスを群舞していた。そのうちに彼女らは我々のいる観客席に乱入してきて、お客さんらと手をつないで踊り始めた。照れまくる新トル研メンバーたち。結構シャイである。一人でも参加すべきかなやみもじもじしていると、はたせるかな、ダンサーの一人が手を差し伸べてくれたので、喜び勇んでダンスの輪に入った。新トル研とトルコが初めてつながった瞬間だった。

 

ダンス後、トルコ風かき氷を食す。何やらトルコ特産のブドウを使っているそうだが、黒糖の味もしてとても美味だった。

ただ、やまもりだったので結構食べづらく、佐々木くんは何度注意してもぼろぼろ落としていた。

かき氷を落とし、少し放心状態の佐々木くんと帽子の円満

 

その後ラフマジュン(ピザっぽい薄い食べ物)を買い(私のやつは結構焦げていた)、四人で講演の端っこで並んで食べた。疲れたのかだれもしゃべらないので、もぐもぐタイムが続く。一人でスマホをいじる四條研究員に少し非難の目を向けると、他の研究員候補生に連絡中と言う。なぬ、えらいぞ四條!しばらくして、さっそうと三浦さんが登場。一同、一気にテンションが上がった。三浦さんはやはり四條研究員の大学時代の友達で、トルコに留学していたそうで、今はIT関係の仕事をしているとのこと。ふんわりした雰囲気の中に強い意志も感じられる女性で、今後の研究活動が大いに期待できる。と言うかぜひとも客員研究員になっていただきたい。

グランバザールでこっそりとぐい吞みを買ったみどりと、「それは実用品じゃありません」と、言わなくてもいい真実を告げていた佐々木研究員は少し早めに帰っていき、四條研究員と三浦研究員と私は連れ立ってぶらぶらしながら渋谷駅に向かったのだった。渋谷の街は、日差しをいっぱいに浴びた幸せそうな若者たちであふれかえっていた。

 

これからどんな研究をしていこうか、大いに楽しみである。