俺が思うスーパーヒーローは
若めのおっさんで
何気に力持ちで
社会の厳しさをあれこれ知っていて
意外と弱点が多くて
酒とたばこはかかさなくて
なんかいろいろ知り合いが多く、顔が利いて
博識で頭のきれる策士で
実はやたらとすごい経歴の持ち主で
それでいて孤独で。
その背中に哀愁と歴史を感じ
絵に描いたような幸せはないけれども
1日1日が穏やかに過ごせることを願って
日々を生きている。
そんな人かな。
憧れはするけども
そんな人にはなれないだろうな。
というか、なりたくない気持ちもある。
ヒーローは必ず孤独なような気がしてならないからだ。
孤独は辛いな。
俺が今まで生きていた中で覚えている一番の孤独は
家族旅行で海外に連れて行ってもらったときだ。
ティーンエージャーに成り立てだった俺は
つまらない理由で家族とケンカし
家族が街へメシを喰いに行く中
一人ホテルに残った。
はじめのうちは怒りから何も思わなかったが
1時間も過ぎると
このまま一人ぼっちになったらどうしようと
急に不安になった。
誰も知らない。日本語も通じない。
俺はこのままどうなるのだろうと思うと
不安で不安で仕方なかった。
いたたまれなくなってロビーで家族の帰りを待ち
無事に家族が帰ってきたときは
さつきちゃんに出会えたメイちゃんばりに
安心やら嬉しいやらの感情がいっぱいあふれ出てきた。
そんな俺だから
俺が思うヒーローのようにはなれない。
まあ憧れるくらいがヒーローとのいい距離感かもしれん。
そういえば、その家族旅行で
セスナしか止まらない小さな飛行場で飛行機を待っていたとき
俺以外の家族は近くのビーチに散歩しにいったのだが
俺は飛行場に残っていた。
職員はおっさん1人。
俺は何もせずボケーっと待っていると
おっさんが「コーヒーか紅茶飲むか?」と話しかけてきた。
じゃあ紅茶でと言うと、
「砂糖かミルクは入れるのか?」と聞くので
俺はいらないよ。と答えた。
あの時は冬で寒かったから紅茶がおいしかったな。
あれが俺の初めての英会話だったかもしれん。
散歩から帰ってきた家族が
紅茶を飲んでいる俺に驚いてたわ。
海外だからって孤独とは限らないんだな。
まあそんな感じで。
おわり。